世界有数の海運会社・川崎汽船グループの 株式会社ケイ・エム・ディ・エス(KMDS)。
同社では、横浜オフィスでの障害者雇用を進める中で、従来のオフィスワーク中心の雇用創出に限界を感じていました。
そんな中で出会ったのが、オフィス内で障害者雇用とコーヒーサービスを両立できる TASKI COFFEE です。
今回は、導入の経緯や運営の工夫、社内に生まれた変化について、お話を伺いました。
▼インタビューを受けてくださった方 ※役職は当時
代表取締役社長 讃岐様 (写真左から2番目)
総務人事グループ長 登野様 (写真右から2番目)
管理者 古宇田様 (写真右)
TASKI COFFEE担当 廣澤様 (写真左)
業務切り出しに限界を感じる中、TASKI COFFEEと出会う
―――TASKI COFFEE導入前の障害者雇用の状況を教えてください。

当社では、障害者雇用で複数名雇用しており、オフィスワークを中心に雇用を広げていく方向性も考えていました。人材紹介サービスも活用し、常に募集はしている状態でしたが、なかなかお互いにマッチする人材と出会えない状況が続いていました。
また、横浜オフィスは約60名規模で、これまで障害者雇用として3名、長く勤務してくれている従業員がおります。一方で、障害の特性によっては、現状の業容の中で新たな業務を切り出していくことは、少し難しさも感じていました。
―――常時募集もされていたのですね。そんな中で、TASKI COFFEEを知ったきっかけは何だったのでしょうか?

スタートラインさんのメルマガでTASKI COFFEEを知りました。障害者雇用の新しい可能性を感じたのが最初の印象です。
オフィスワークとは違う形で、社員にとって身近な場所で障害者雇用ができるのは良いのではないかと思いました。実際に見学へ行き、具体的なイメージが持てたことで導入を決めました。
―――導入前に不安はありましたか?

ちょうどオフィスをフリーアドレス化し、完全リニューアルしたタイミングだったので、この新しいオフィス環境の中でTASKI COFFEEをつくれるのか、という不安はありました。
ただ、スタートラインさんに実際に見ていただき、具体的な解決策を提示してもらえたことで、その不安はクリアになりました。
組織に自然と馴染む人材との出会いを重視
―――採用はスムーズに進みましたか?

募集をかけたところ、横浜オフィスは立地の良さもあり、多くの応募があり、良い人材に出会えたと感じています。
その中で一番重要視したのは、組織に馴染むかどうかという“組織マッチ”です。違和感なく職場に存在してくれるイメージが湧くかどうかを大切にしていました。
具体的には、まじめにコツコツと仕事をやり遂げてくれる方、そしてその“コツコツ取り組むこと”自体が苦にならない方を求めていました。
―――どのようにして、その点を選考で見極めたのでしょうか?

面接でじっくりお話を伺い、その方の雰囲気や話の内容、これまでのご経験などを総合的に見て、「当社に合うのではないか」という観点で判断しました。
今回採用した廣澤さんは、コーヒーに関わる仕事の経験があったことも良かった点です。応募前の見学には5~6名の方が来社されましたが、その中に廣澤さんもいらっしゃいました。
見学を経て入社を決意。安心して働ける環境が支えに
―――廣澤さんご自身は、選考を受けたときにどのような印象を持たれましたか?

コーヒーに関わる仕事の経験はありましたが、やはり面接は緊張しました。当時は事務職など他の職種も含めて、全部で5社ほど応募している状況でした。
―――最終的に入社を決めた理由を教えてください。

通勤面のことと、自分の過去の経験を活かせることを考えて入社を決めました。
―――入社後の状況はいかがですか?

入社して5か月ほど経ち、だいぶ慣れてきました。入社前に見学もしていたので、大きな不安なく入社できました。
また、集中して仕事ができる環境を用意していただいたので、安心して仕事ができています。
―――集中できる環境とは、具体的にどのようなものですか?

自分の仕事場が決まっていて、机にはアクリル板を立てていただいています。自分のスペースの中で集中して仕事ができるので、とても助かっています。

社員の一日を支えるコーヒーづくりが、日々のやりがいに
―――1日の主な業務の流れを教えてください。

出社して、まずコーヒーマシンの立ち上げなどを行い、その後、朝礼をして、ハンドピックやマシンメンテナンスを行います。昼休憩後もマシンメンテナンスやハンドピックを進めながら、終了近くなったら、器具やマシンの片づけをして、終礼後17時に退社しています。
―――少し早めに出社されているようですね。

はい。社員の皆さんが仕事を始める9時からコーヒーを飲めるようにしたいと考え、廣澤さんと相談して少し早めに出社してもらっています。朝からコーヒーが飲める状態をつくってもらっているんです。

「仕事始めに美味しいコーヒーが飲めてありがたい」と言っていただけるので、少し早めに出社することは、むしろやりがいにつながっています。
また、社員の方や来客の方に、自分が作ったコーヒーを提供して、「美味しい!」と言っていただけることも日々のやりがいです。
さらに、社員の皆さんにコーヒーを販売し、お金をいただくことも、やりがいや気持ちの張りあいにつながっています。
―――仕事の中で難しさを感じることや、今後取り組みたいことはありますか?

ハンドピックでは、欠点豆かどうか判断に迷う場面がありますが、より高品質なコーヒーにするため、迷った場合はできるだけ取り除くようにしています。
今後は、企画が進んでいるコールドブリュー(水出しコーヒー)にも挑戦していきたいです。

2人でできることは、どんどんチャレンジしていきたいですね。現在は、コーヒーチケットの制作・管理や、ドリップパックの社内販売に関する在庫管理も行っています。今後は、コールドブリュー(水出しコーヒー)の企画や贈答用セットづくりなども実現していきたいと考えています。

雑談も大切にしたコミュニケーションが職場の安心感に
―――朝礼や終礼、その他のコミュニケーションはどのようにされていますか?

1日の予定の確認やお知らせ事項の共有が主な内容です。
あわせて、業務の進捗状況を確認したり、備品や消耗品について相談したりしています。
―――古宇田さんは、なぜ教育担当をされることになったのでしょうか?

もともと社内で幅広くさまざまな部署や仕事を経験してきたので、社内のことには比較的精通していました。

古宇田さんは昔から面倒見のいい方だったので、適任ではないかと考えてお願いしました。
―――実際に管理者をやってみていかがですか?

雑談も結構していますね。お互い助け合いながら、一緒に進んでいる感じがあります。

古宇田さんはとてもやさしい方です。私は自分から雑談をするのがあまり得意ではないのですが、古宇田さんから話題を振ってくださるので、コミュニケーションや気分転換にもなってありがたいです。

「美味しい」の声をきっかけに、社内に自然な交流が広がっていった
―――導入後の社内の反応はいかがですか?

社員の皆さんから「美味しい!」という声をいただいていて、外でコーヒーを買わずに、社内で買うようになった方も増えました。

「お店で買うよりおいしいコーヒーが社内で飲めるのはいいよね」と言っていただくこともあります。

それだけではなく、社内で廣澤さんがコーヒーづくりをしている姿を見て、社員の方が「美味しかったよ」と声をかけてくださったり、旅行に行った際のお土産を持ってきてくださったりと、自然ないい交流が生まれています。
社員の皆さんにとっても、廣澤さんにとっても、良い雰囲気や環境になっていると感じています。
―――今後の展望について教えてください。

社内の業務を切り出すという方法も一つだと思いますが、TASKI COFFEEを導入したことで、障害者雇用ならではの新たな価値を創る実体験ができました。今後も、さまざまな形を検討していきたいと思っています。

まとめ
KMDSでは、TASKI COFFEEの導入によって、障害者雇用を「業務を切り出して成立させるもの」から、「社内に新たな価値を生み出すもの」へと広げています。
社員に喜ばれるコーヒーサービスでありながら、働く本人のやりがいや成長にもつながり、さらに社内コミュニケーションまで活性化している点は、まさにTASKI COFFEEならではの魅力といえるでしょう。
障害者雇用の新しい可能性を、KMDSはこれからも自社らしいかたちで形にしていきます。
