Investor Relations 社会課題と向き合い、持続的に成長する 2026年3月期 株主通信
スタートラインとは
障害者雇用支援のリーディングカンパニー
業界専業のパイオニアとして確固たる地位を確立
当社は、「障害者雇用に取り組む企業」と「働く機会を求める障害者」の間に立ち、多様なソリューションを提供することで、「誰もが自分らしく生きる社会」の実現を目指しております。
社内研究開発機関で開発された独自のアセスメント方法
障害者への支援には、それぞれの特性に応じた個別対応が不可欠です。同じ障害名であっても、課題は一人ひとり異なります。スタートラインでは、独自のアセスメントにより個々人の障害特性を正確に把握し、課題を特定。その結果に基づき最適な施策の提案から実行まで一貫して支援しています。
障害者のアセスメントツールやワークサンプル等の訓練ツールを多数開発。そのため、属人的な支援ではなく、創業来培った障害者の支援ノウハウをツールやシステムに落とし込むことで、支援を高いレベルで標準化することができ、支援員の育成スピードを加速させます。
取引企業一覧(一部)
顧客の約65%が上場企業又は上場企業子会社。業界・業種問わず、様々な企業様にご利用いただいています。
障害は個人の問題か、それとも社会の問題か。スタートラインが考える「支援力」とは
当社は、障害者雇用に関するサービス及び提供能力を「支援力」と表現しています。これは障害者への直接支援にとどまらず、職場や人間関係など周辺環境を含めて支援するという意味です。
この背景には「障害の社会モデル」という考え方にあります。
例えば、車椅子の利用者は、スロープやエレベーターがあれば自由に動けますが、なければ移動が困難になります。そう考えると、障害は個人の心身の機能そのものではなく、社会の仕組み、環境、意識に起因するともいえます。そのため当社は、障害当事者への直接的な支援はもちろん、障害者を取り巻く環境への支援も重要であると考えております。また、生活面での課題に対しては、行政・医療機関など外部機関とも連携し、包括的な支援体制などを含めて、網羅的に支援力を発揮したいと考えています。
皆さまから選ばれる理由
障害者及び企業の多様化する課題に、
「支援力」と「多様なサービスラインナップ」で解決できる唯一の会社だからです
企業側と障害者側ではそれぞれの立場もアプローチの仕方も変わります。また障害者といっても障害の種類は様々です。
障害者は大きく身体・知的・精神の3類型に分かれますが、特に精神障害は特性の把握が難しく、アセスメントを通した個々の障害状況の正確な把握、支援方針の策定等、業務設計や支援体制は不可欠です。一方で企業側は、採用・定着に加え、DXによる定型業務の減少により、任せる業務の創出に課題を抱えています。さらに法定雇用率の引き上げも見込まれる中、「雇いたいが任せる仕事がない」という構造的なミスマッチが生じています。
こうした環境下で、当社は障害特性に応じた業務設計と支援を通じて、価値を生む就労機会を創出し、障害者と企業双方の課題を解決します。
障害者及び雇用企業の双方の課題を解決しながら、法定雇用率の達成だけではなく、
企業の戦力としての価値のある雇用を創出、だから私たちが選ばれています
国内精神疾患患者数の急増と法定雇用率
精神疾患外来患者数は、2011年から2023年にかけて約128万人増加しており、それに伴い精神障害者も増加傾向にあります。一方で、企業の職場では、業務内容や支援方法が本人に合わず、症状の悪化や早期離職につながるケースも少なくありません。厚生労働省の統計でも、精神疾患のある方で同じ職場に1年以上定着している人は半数未満にとどまっています。また、企業の法定雇用率は2026年7月に2.5%から2.7%へ引き上げられ、実雇用率は2.41%(令和7年 障害者雇用状況の集計結果)とこれを下回っています。
様々な障害種別の中で、認知の障害とされる精神障害、発達障害は一人ひとり状況が異なり、企業側だけで適切に理解・対応することは簡単ではありません。そのため、当社は企業と障害当事者の間に入り、相互理解を深めながら継続的に働ける環境づくりを支援しています。
社会課題の解決とともに成長
現在の市場規模は約1.5兆円※1
障害者※2の社会参加を支援することで
社会課題の解決とともに加速度的な成長を目指します
(※1)障害者1名当たりの当社平均12か月売上高(2026年3月期実績)2,227千円×就職している障害者数70.4万人にて試算
(※2)障害者数は国内約1,160万人とされていますが、生産年齢人口(令和7年版障害者白書における、18歳以上65歳未満の身体障害者及び知的障害者、及び25歳以上65歳未満の精神障害者の人数)は約455万人です
スタートラインの成長戦略
全国拠点展開を目指す
現在は主に関東、関西を中心に拠点を展開、加えて新潟県にも出店。
2027年3月期は東海地方への初出店、今後も行政連携を図りながら、全国展開を目指します。
サービスラインナップの開発
サテライト型障害者雇用支援サービスや、それ以外のサービスラインナップの開発を進め、
より複合的なサービスをより広い地域で提供できる体制を構築していきます。
既に参入している障害者福祉事業への積極的な投資
事業領域は、リアルジョブトレーニングステーション(就労継続支援B型)を中心に福祉分野での事業拡大を検討しています。
当社が積み重ねてきた障害者雇用支援の知見を活用して、福祉の領域でも革新的な取り組みを展開していきたいと考えています。
生きづらさを抱える人向けの新規事業開発
さらに先の展開としては、障害者手帳を持たない人々にも支援を広げたいと考えています。
手帳の有無に関係なく、社会には生きづらさを感じている人がいます。
そういった人に向けて、当社が培ってきた知見を活用し、自分らしく生きるための支援の可能性を模索しています。
属人的になりやすい支援現場を解決
社内大学「STARTLINE UNIVERSITY」
支援業務は属人的になりやすく「この分野はあの人にしか分からない」「あの人が辞めたので分からない」といった問題が生じます。障害者支援は人を介するサービスであるため、ある程度は個人のスキルに頼らざるを得ません。しかし、その状況を仕組みとして改善していかないと障害者の就労支援は広がっていきません。
この課題を解決するために、当社は支援の技術を体系的に学ぶ社内大学「STARTLINE UNIVERSITY」を設立。当社の従業員が支援技術や支援ツールの活用方法などを学ぶ場で、支援スキルの底上げとプロフェッショナルの育成を目的としています。
私たちの使命
業界内外の連携を通じて社会的インパクトを生み出す
仕事があるところで人を採用するのではなく、
働きたい人がいるところに仕事を移せばよい
創業のきっかけは障害者の働き方を知ったことでした。その人は下肢に障害があり、杖を使いながら埼玉から渋谷にある勤務先まで片道1時間以上かけて通っていました。しかも、職種は一般事務で、特別に珍しい仕事というわけでもありませんでした。
そこで素朴な疑問が浮かびました。なぜわざわざ遠くから通わなければならないのか。杖をつきながら人混みに揉まれて通勤しなければならない理由は何なのか。その答えを当人に求めたところ、地元には仕事がないと言います。障害者雇用は大企業を中心に進んできましたが、その多くは都市部に集中しています。結果として、地方や郊外に住む人ほど、働く機会そのものが限られている、この構造的な課題が存在していました。
そこで、仕事があるところで人を採用するのではなく、働きたい人がいるところに仕事を移せばよいのではないか、と考えました。郊外に障害者専用のサテライトオフィスをつくり、企業が切り出す業務を担えるようにすれば、地域に住む障害者は通勤の負担が軽減できます。企業も障害者雇用の範囲を郊外に広げることができ、両者にとって良い仕組みになるのではないかと考えました。これが当社の祖業である障害者雇用支援サービス サポート付きサテライトオフィスへとつながっていったのです。
障害者雇用が生み出す、前向きな変化
「義務」から「価値」へ
現在、企業の障害者雇用に対する考え方は大きく変わりつつあります。
多くの企業は、法定雇用率の達成という「義務」から取り組みを始めます。しかし、当社の考えを伝え、実際に障害者が働き始めると、企業の担当者の障害者雇用に対する考え方がガラリと変わります。障害者雇用の意義と可能性が理解され、それが企業全体に広がり、トップにも伝わることで、障害者の活躍を後押しする土壌と方針ができあがっていきます。
働き手である障害者はもちろん、そのご家族からも「企業就労できてよかった」「社会との接点ができてうれしい」といった声をいただいています。社会の中での役割を担い、自分で報酬を得て、自立した生活ができるようになった人も多く、そういった良い変化を最前線で見た時に、この事業をやってよかったと実感します。障害者雇用は企業側を支援するだけでは成り立たず、障害者側を支援するだけでも成り立ちません。両方のアプローチによって雇用環境は整えられ、誰もが自分らしく生きる社会が成り立つと考えています。
障害者雇用を、一企業の取り組みから社会インフラへ
私たちは、企業、福祉事業者、地域社会、行政と連携しながら、障害者雇用の仕組みそのものを進化させてきました。近年では、厚生労働省などによる制度設計にも関与するほか、民間企業との協業を通じて、新たな就業機会や価値創出にも取り組んでいます。
当社がハブとなり、多様な企業・団体・地域をつなぐことで、新たなネットワークやエコシステムが生まれつつあります。こうした広がりは、障害者雇用を一企業の取り組みから、社会全体で支える仕組みへ変えていくものだと考えています。
誰もが自分らしく生きられる社会を目指し、その理念の実現に取り組み続けています。この思いは今後もぶれることなく、障害者雇用支援のリーディングカンパニーとして、事業を成長させ、障害者雇用の社会インフラを構築していきます。障害者雇用の課題を網羅的に解決できる企業は当社しかないと考えています。株主の皆さまをはじめ、ステークホルダーの皆さまには当社のさらなる成長に期待してほしいと願っています。
2023年10月「日本障害者雇用促進事業者協会」を設立
当社は、複数社と連携し、業界団体「一般社団法人日本障害者雇用促進事業者協会」を設立。業界の健全な発展や、障害者雇用のさらなる促進はもちろん、障害者雇用促進につながる調査、研究、情報発信に取り組む組織です。
近年では、業界の健全化と自浄作用を促す取り組みが評価され、メディアで紹介されたり、厚生労働省の分科会(障害者雇用分科会)に出席して意見を述べたりする機会が増えています。今後は、経済、福祉、当事者など各方面の団体ともつながりを深め、継続的な対話を通じて業界の発展に貢献していきます。