住商メタルワン鋼管株式会社(以下、住商メタルワン鋼管)は、国内最大の鋼管専門商社として、鋼管・配管機材などの加工・販売を手がけ、自動車、プラント・エネルギー、造船、建設機械・産業機械、土木・建築・設備など幅広い領域のものづくりを支えています。
2025年8月にロースタリー型障害者雇用支援サービス BYSN(以下、BYSN)の利用を開始してから8ヶ月、その活用事例を伺いました。 (取材日:2026年3月)
▼インタビューを受けてくださった方
業務本部 人事総務グループ 人事企画チームリーダー 兼 総務チームリーダー 田中 大介氏
業務本部 人事総務グループ 採用・人材支援チーム 兼 人事企画チーム 樋口 紗英氏
| BYSN導入前の課題 |
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| 新会社発足に伴う従業員数増加による法定障害者雇用率の未充足 オフィス業務のデジタル化進行に伴う従来型職域の縮小 |
| BYSN導入後の効果 |
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| 専門的な採用・運用ノウハウの体得による、ミスマッチのない雇用の実現 サステナビリティポリシーが掲げる「多様なバックグラウンドと価値観をもつ従業員一人ひとりがそれぞれの職場で活き活きと活躍」の体現 コーヒーを通じた営業支援ツールの創出と、社内コミュニケーションの活性化 |
統合による雇用率低下と「業務創出」の壁
―――BYSN導入前の障害者雇用の状況について教えてください。

2019年に住友商事グループとメタルワングループの国内鋼管事業を統合して新会社を発足した際、従業員数の急増に伴い障がい者雇用率が一時的に低下しました。当時、障がい者の受け入れは本社コーポレート部門や一部の現場職にとどまっており、全社的な受け入れ体制が整っていなかったことから、喫緊の経営課題となっていました。
―――現場での受け入れには、どのようなハードルがあったのでしょうか。

当社における障がい者雇用の最大の課題は「業務創出」でした。デジタル化の進行によりオフィス業務における従来型の職域が縮小するという問題に直面していました。
こうした状況の中で、既存業務の枠組みに捉われない、新たな就労機会を模索する必要がありました。そこでまず、農園型雇用を通じて障がいのある方々が主体的に携われる業務を創出することにしました。

雇用継続と成果物活用のバランス~農園からBYSNへの転換~
―――そのような創意工夫の結果として、まずは屋内農園を導入されたのですね。

はい。まずは安定した就労の場を確保するために農園型雇用を導入しました。運営は現在に至るまで順調に推移していますが、法定雇用率のさらなる引き上げや、障がい者雇用で長年活躍されていた方の定年退職が重なったことで、新たな人員確保が必要な状況となりました。
一方で、収穫した野菜の鮮度管理や活用方法といった課題もあり、農園型雇用を単純に拡大することには難しさも伴っていました。
―――そこで次なる一手として「BYSN(コーヒー)」を選ばれたということですが、決め手は何だったのでしょうか。

コーヒーという成果物を取引先へのノベルティとして活用できる点は、大きな魅力の一つでした。営業活動にも結びつき、多くのステークホルダーへ当社の取り組みを広げていく契機にもなると考えたためです。また、導入の大きな決め手となったのが、スタートラインによる「専門的な支援体制」です。
私たち自身、障がいのある方への具体的な関わり方や評価に関するノウハウが十分ではありませんでした。しかしBYSNでは、採用面接の場から専門スタッフが伴走してくださいました。
例えば、障がいの特性をどの程度まで深掘りすべきか、またはどのような問いかけをすれば本人の強みを引き出せるかといった、対話の細やかな作法に至るまで、プロフェッショナルな視点からの助言をいただくことができました。
このような「専門家とともに、当事者の立場に寄り添いながら悩み、検討を重ねて決断する」プロセスがあるからこそ、私たちは納得感のある採用を実現できると感じています。

サステナビリティ方針につながる多様な働き方の実現
―――社内の理解を深めるために、特に注力されたことはありますか?

経営層が実際にBYSNへ足を運び、メンバーとともに作業を体験する機会を設けたことが、大きな転換点になりました。
経営層が現場を訪れ、メンバー一人ひとりの真剣な眼差しや成長ぶりを肌で感じたことで、経営層と現場との相互理解が一気に深まりました。現在では、社員研修の場としても活用されています。こうした経営層の深い理解があってこそ、当社のサステナビリティポリシーに「多様なバックグラウンドと価値観をもつ従業員一人ひとりがそれぞれの職場で活き活きと活躍することが、持続可能な企業価値の向上と社会の発展への寄与につながるものと信じています」という一文が刻まれたのだと、担当者として確信しています。
―――経営層の意識が変わったことで、BYSNにどのような変化がありましたか?

成果物であるコーヒーがノベルティとなり、今や名実ともに「当社のサステナビリティポリシーを象徴するツール」になりました。営業担当がお客様にコーヒーノベルティをお渡しする際、「これが当社のサステナビリティポリシーを具現化したものです」と自信を持って語れるようになったことは、大きな変化の一つです。
また、メンバー自身の成長も目覚ましいものがあります。当初は不安げな様子だった方が、今では自発的にコーヒーかすを再利用した消臭剤を開発するなど、積極的にアイデアを提案してくれるようになりました。
直近では、取引先様をお招きした「MSTP管輪会(かんわかい)」において、スタッフ全員が心を込めて手がけたドリップバッグコーヒーと消臭剤を配布し、大変ご好評をいただきました。


―――最後に、今後の展望を教えてください。

BYSNを通じて、障がいのある方々が誇りを持って働き、社会の中で重要な役割を担いながら継続的に活躍できる環境を築いていくことが、当社のサステナビリティポリシーで掲げる「企業価値の向上」に結びつくと確信しています。こうした「つながりの循環、すなわち『輪』」を、今後さらに力強く広げていきたいと考えています。
・障害者の表記について
当社では、以下の理由より常用漢字表記を使用しておりますが、ご利用企業様のご意向により発言箇所は「障がい者」と表記としております。
≪障害者の表記について≫https://start-line.jp/shougai/
