非協力的な社員がいる…生産性向上を実現した“仕組み”の改善とは?

非協力的な社員と周囲の関係に亀裂が…

「なんでAさんは協力してくれないんですか?」

ある社員(Bさん)から上司(管理者)へ相談が来ました。
チームで協力すべき状況でも、Aさんは「忙しい」と言い、協力してくれないことが続いていました。

Aさんって本当に忙しいの??
協力したくないだけでは…??

周囲は次第に懐疑的な気持ちになり、Aさんと周囲の関係は悪化していきました。

さて、Aさんが協力的になり、周囲との関係も修復し、チームとして生産性を向上させるにはどうしたらよいでしょうか?

スキルや経験があるからこその落とし穴とは…

まずは現状把握を行うため、関係者全員と面談を実施し、以下を把握しました。

【把握した事象】
① Aさんの業務が属人化していること
② ①が原因で、Aさんの業務状況を周囲が把握していないこと
③ Aさんはスケジュール/タスク管理がうまくできていないこと
④ Aさんはいつもバタバタと落ち着きがなくストレスを感じていること

Aさんはスキルもあり社歴も長いため、周囲が信頼している一方で、業務が属人化しており、Aさんの状況が不透明になっていました。

「個人」ではなく「仕組み」を軸に問題点を検討

状況確認の結果、Aさん「個人」ではなく「仕組み」を軸に以下3つの問題点の改善を行っていくことになりました。

① コミュニケーション不足

業務状況などチーム内の情報共有不足が、不信感を醸成させている

② 曖昧な確認と指示

業務の予定と実績に「差」が生じた際などのチーム内の状況確認や指示方法が曖昧である

③ 基礎スキル

各メンバーが、スケジュール管理、タスク管理、優先順位付け、イレギュラー対応、報連相など、業務対応/管理スキルが不足している

「仕組み」を軸に改善策を考案

この事案では「仕組み」を軸に結論付けた3つの問題点に対しての改善策を考案し、以下を実施することにしました。

① コミュニケーション不足への改善策

当日や当週の業務状況確認、担当割り振り、相談事項など、状況共有の場を設定し、短期的な情報共有と連携体制を構築

1)定期面談、週次/月次報告
定期面談や週次/月次報告の場を設定し、業務や体調・メンタル状態を含めた状況 の認識合わせを実施することで、中長期的な情報共有と課題解決、連携体制を構築

② 曖昧な確認と指示への改善策

1)状況の見える化
予定と実績に「差」が生じた際など、お互いの状況確認を正しく認識できるように見える化

※上記はイメージ画像であり、状況確認シートを作成する際は上記のような下書きを作成し、見える化を進めていきます。

2)業務指示を明確化
1)で状況確認したのち、追加やイレギュラー業務を指示する際も、想定時間や想定アウトプット、周囲との連携状況なども明確にテキスト化(=見える化)して伝える

③ 基礎スキルへの改善策

1) 基礎スキルアップ研修
スケジュール管理、タスク管理、優先順位付け、イレギュラー対応方法、報連相など、業務スキル向上研修を実施

2)心理的柔軟性向上の研修
不平不満が生じた時のストレスマネジメントのため、認知行動療法の考えを取り入れた心理的柔軟性向上の研修を実施

「仕組み」の改善が生み出す「心理的安全性と生産性向上」

上記改善策を実施することで、以下の通り、心理的安全性や生産性向上を生みだしています。

① コミュニケーション強化によるチーム力向上

お互いの状況を“知っている”状態になることで相互理解が促進され、心理的安全性が生まれ、チーム内での業務連携体制が強化

② 明確な確認と指示による統一ルール構築

状況や指示を見える化することで、状況や業務の理解促進、習得スピードが向上

③ 基礎スキル向上による業務レベルの底上げ

各メンバーの基礎スキル向上により、チーム全体として業務レベルが底上げされ、生産性が向上

「曖昧」→「見える化」の仕組みが「人と企業の可能性」を拡げる

個人に対するチームメンバーの不満は、その個人だけの問題点に目を向けるだけでは根本的な解決に至らないこともあります。そのため全体の「仕組み」に対するアプローチ を行うことは有効ですが、「曖昧」な確認や指示は、かえって不信感を生み、チーム全体がアンハッピーな状況を生みやすいです。

一方「見える化」した確認や指示は、統一ルールによる業務体制の明確化や、心理的安全性の醸成、ひいては相互理解の促進や生産性の向上など、チーム全体がハッピーな状況を生む可能性があります。

職業能力の発揮、開発、向上も、チームや会社の生産性向上、心理的安全性も、「見える化」という「仕組み」によって創造できることを本事例より少しでも感じていただけましたら幸いです。

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この記事を書いた人

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株式会社スタートライン 吉田

企業の障害者雇用支援や障害者の就職・転職支援、特例子会社人事、障害者雇用の業務開発・マネジメント・農福連携などを経験。現在はスタートラインにて、障害者雇用のコンテンツ制作やセミナー講師などに従事。これまで300社、3000名以上の障害者雇用に携わる。