【日伝導入事例】IBUKIを通じて多様な人財の活躍と成長を実現

技術の進化や市場の変化をいち早くとらえ、広く総合的な課題解決力のあるトータルサポートが強みで生産に欠かせないメカニカルパーツやそれらを融合したシステムまで、専門的な深い知識でモノづくりを支えてきた専門総合商社である株式会社日伝(以下、日伝)。屋内農園型障害者雇用支援サービス IBUKI(以下、IBUKI)活用事例を伺いました。(取材日:2023月1月)

▼インタビューを受けてくださった方
株式会社日伝 人事部 人財採用課長 上野 幸子氏
株式会社日伝 人事部 人財採用課 池田 空氏
株式会社日伝 人事部 人財採用課 岡西 彩子氏

従業員数業種
974名(2023年3月31日現在:連結)商社(専門)

IBUKI導入前の悩み
・障害者雇用に必要な現場教育やフォロー体制が構築できていなかった
・障害のある社員が定年退職を迎え、新規採用を求められていた
IBUKI導入後の効果
・多様な人財を雇用し活躍できる場を創出できた
・採用した障害者がIBUKIで働くことを通じて、行動や判断の自立性が向上し成長を実感できており、企業としてもノウハウを蓄積できている

安心して働ける環境で新規雇用を創出するためIBUKIを導入

―――IBUKI導入前の障害者雇用のご状況を教えてください。

上野氏

2021年1月よりIBUKIの利用を開始したので、それ以前の話になります。

日伝の物流センター内のピッキング業務や、一部のバックオフィス業務を担ってもらっていますが、法定雇用率に届いておりませんでした。

―――当時はどのような方が働いていたのでしょうか?

上野氏

身体障害と知的障害の方が多かったです。特別支援学校とも積極的に連携し採用していました。

―――その時は、どのように障害者雇用に取り組まれていたのですか?

上野氏

当時は、労働局主催の障害者就職面接会に参加をしたり、就労支援機関による支援での取り組みをしておりました。入社後は、各部署にて対応を任せていたのですが、障害者雇用の知見が乏しく、障害のある社員とマネジメントする社員のコミュニケーションのズレが生じるなど、あまりうまくいっていない状況もありました。

また、定年退職を迎える障害のある社員も出てきたことをきっかけに、さらなる障害者雇用に取り組む必要がありました。

―――どのような障害者雇用を検討されたのでしょうか?

上野氏

障害者の定着を考えると自社だけで取り組んでいくことは厳しいことから、専門家のアドバイスを必要としていました。そこで、様々な障害者雇用支援サービスを検討した結果「農園型の障害者雇用支援サービス」が最終候補に残りました。

IBUKIは天候や季節に影響を受けにくく、障害者が安心して働ける屋内環境であることや、成果物であるハーブの活用イメージがしやすかったこと、そして、本社との距離も重視した結果、枚方市にオープンするIBUKI枚方ファームを利用することにしました。

―――IBUKIの印象はどうでしたか?

池田氏

コミュニケーションが得意な方、苦手な方など企業は業界特性に関わらず、新しいフィールドでの障害者の雇用が創出できますし、障害のある方は安心して働ける環境でお仕事できるので、非常に良い印象でした。

IBUKIを初めて知ったとき、私も運営に関わってみたいと前向きな気持ちでした。

岡西氏

IBUKIは、障害者の働く選択肢が広がる取り組みだと感じました。

また、初めてハーブをみた時に、すごく素敵で良い香りでしたので、ハーブティーだけでなくアロマや観葉植物としても良いなと、様々なシーンでの活用イメージが湧いてきました。

社是「誠実」・・・ “素直さ”と“協調性”を重要視し採用

―――IBUKIを利用するにあたって力を入れたことはありますか?

上野氏

障害者の社員のため働きやすい環境をつくってくれる管理者はどのような人を採用すべきか慎重に検討しました。

社内からは、既存社員が管理者を担った方が良いのではという意見も出ていました。

―――検討の結果、どうされましたか?

上野氏

新たに採用することになったのですが、2つの軸をもとに慎重に判断しました。

1つ目は「障害のある社員にしっかり寄り添えること」で、2つ目は「障害がある社員の精神的な支えになれること」です。

当社は、社是として「誠実」を掲げており、人を大切にする社風のため、この2つは譲れませんでした。

判断が難しい部分もありましたが、スタートラインにサポートいただきながら、結果的にこの2点を満たす当社の考えに合致した方を採用できました。

―――障害のある方の採用はいかがでしたか?

上野氏

これまでの障害者雇用や採用の経験から“素直さ”と“チームの協調性”が重要だと考えていましたので、その2点を重視した結果、当社の社風に合う人財を採用できました。

―――IBUKI導入後、障害のある社員と接するうえで意識していることはありますか?

池田氏

コミュニケーションが得意な方、苦手な方など、一人ひとり特性や性格も異なるので、いきなり距離感を縮め過ぎないように意識しました。

今では気軽に話しかけてくれたり、冗談を言ってくれたりと、信頼関係が構築できて嬉しく思います。

―――岡西様はいかがでしょうか?

岡西氏

私は学生時代から周りに障害のある方が居ることが当たり前な環境だったので、障害があるからといって意識していることはないですね。

―――上野様はいかがでしょうか?

上野氏

一人ひとりを「日伝社員」として向き合うことを意識しています。社会人として自分らしく働いてもらいたいと考えているので、入社日には“自分らしく働いてください“と伝えました。

あれから3年ほど経ちますが、本当に皆さんの成長を感じています。

IBUKIで働くことで自立性が向上し成長を実感している

―――どんな場面で成長を感じられますか?

上野氏

IBUKIで働き始めて数年、自分の仕事が終わらなかったら周りに手伝ってもらうなど、自分の仕事に責任をもって周りを巻き込みながら働くようになり、チーム全員でやりきる姿勢とチーム力が向上していると感じます。

これはスタートライン様のスタッフの方々と管理者が日々温かく向き合っていただいているからこそ、社員が自立して働けているのだと思います。

―――素晴らしいですね。

上野氏

また、先日こんなエピソードがありました。

荒天の影響で出社をどうすべきか判断に迷うような日のことです。

その際「どうしたらいいですか?」と指示を仰ぐのではなく、それぞれの状況に合わせて「自分はどうすべきか」を判断しながら行動できていました。

当然、報連相も大切なのですが、状況に合わせて各自で考えて判断することも大切なので、そういう部分でも成長していると感じましたね。

―――そんな皆さんが製作している成果物と活用方法について教えてください。

上野氏

主にハーブティーを製作し社内で活用しています。

一パックずつティーパックに図った分量のハーブを入れ、パッケージにシールを張るなど細かな作業を丁寧にこなし多くのハーブティを製作してくれました。

ちなみに、この素敵なパッケージは弊社のマーケティング部署の社員がデザインしてくれました。

非常に好評で、これを受け取った社員からIBUKIで働いている皆さんへ向けた感謝メッセージの寄せ書きも届きました。

また、昨年設立70周年を迎えた際、約1,000人の全社員に「70周年記念グッズ」として贈呈することができました。

―――最後にメッセージをお願いします。

上野氏

IBUKIを通して、会社もIBUKIで働く社員とともに成長しています。

社是である「誠実」を大切に、今後も社員が考動することで「働く幸せ」を感じステップアップすることでより成長できるようにしっかりと向き合っていきたいと思います。

池田氏

私自身、IBUKIで働く社員と関わって、成長していく姿を見守れることを嬉しく思っており充実した日々を送れているので、家族にも自慢しています。

岡西氏

これからも楽しみながら業務に取り組めるように、ハーブティーだけでなく、様々な植物を育てて成果物の幅を広げていけたら素敵だなと思っています。

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企業事例③

屋内農園型雇用支援サービス実績No1~障害者雇用で新たな価値を創造する

屋内農園型障害者雇用支援サービス IBUKI

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担当:インサイドセールス 田代(TEL:050-5527-8581)

この記事を書いた人

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株式会社スタートライン 吉田

企業の障害者雇用支援や障害者の就職・転職支援、特例子会社人事、障害者雇用の業務開発・マネジメント・農福連携などを経験。現在はスタートラインにて、障害者雇用のコンテンツ制作やセミナー講師などに従事。これまで300社、3000名以上の障害者雇用に携わる。