スポーツメーカーとして、トップアスリートとの開発を軸に高機能・高品質・デザイン性に優れたアイテムを展開する『デサント』ブランドをはじめ、フランス発祥のブランド『ルコックスポルティフ』やウォータースポーツブランドの『アリーナ』、英国発祥のフットボールブランド『アンブロ』など、多くのブランドを展開しているデサントジャパン株式会社(以下、デサントジャパン)。
ハイブリットワークを実現した障害者雇用支援サービスサポート付きサテライトオフィス INCLU(以下、INCLU)導入事例を伺いました。(取材日:2023月1月)
▼インタビューを受けてくださった方
デサントジャパン株式会社
人事総務部人材開発課
平田 理沙子氏
従業員数 | 業種 |
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2,712名(連結)(2022年3月31日現在) | スポーツ・レジャー用品(メーカー) |
INCLU導入前の悩み |
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・障害者雇用の採用や定着のノウハウ構築が出来ていなかった ・部署により障害者の理解やマネジメント方法にばらつきがあった |
INCLU導入後の効果 |
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・障害者雇用の採用と定着のノウハウ習得ができた ・障害者社員による自立したチームの構築と運用体制ができた ・各部署から業務依頼が絶えない信頼されるチームに成長している ・INCLU、本社、在宅のハイブリッドワークにより、新しい働き方とやりがいを創出できた |
自立したチームを構築することで業務運営が円滑に!
―――INCLU導入前の障害者雇用の課題を教えてください。
2015年以前の話になりますが、当時は障害者の採用と定着がうまくいっていませんでした。
障害者の採用は、採用競争に巻き込まれてしまいうまくいきませんでした。その状況を改善すべく求める人物像を再考し、数名採用できたのですが、今度は定着がうまくいきませんでした。
配属された部署によって障害者雇用のノウハウにばらつきがあり、業務指示や接し方など手探りのコミュニケーションが、双方にとって不安やストレスとなっていました。
―――INCLU導入に至った経緯を教えてください。
障害者雇用の課題を解決しつつ、採用や定着など障害者雇用のノウハウを習得できるサービスを探していた中で、スタートラインのINCLUを知りました。
他の障害者雇用支援サービスも検討したのですが、業務を1か所に集約し業務管理やマネジメントできること。そして、障害者雇用支援の実績が豊富なスタートラインのノウハウを習得できるということもあり導入を決定しました。
―――メリットを感じていた一方で、不安はなかったのでしょうか?
人事担当としては、本社と離れた場所の雇用になるため、コミュニケーション不足にならないかという不安はありました。
―――その不安をどのように解決したのでしょうか?
INCLUで働く障害者社員の中でリーダーを決めて、リーダー主導で業務遂行できる自立したチームを構築し、場所が離れていても運営できる体制にしました。
各部署からINCLUへの業務依頼を受けるかどうかは、私とリーダーで協議して決めて、受けた業務に関しては、日々INCLUのリーダーが中心となって、スケジュールやタスク管理を行い、チーム一丸となって業務遂行しています。
業務の丁寧さが信頼向上と追加業務依頼につながり好循環へ!
―――INCLU導入当初はどのような業務を切り出したのですか?
INCLUチームは4名でスタートしたのですが、主に、社員の勤怠管理と経理関係の業務を担ってもらっていました。
導入に際して、担ってもらう業務内容と業務量は調整できていたのでうまく切り出せていたと思います。
―――業務切り出しに課題がある企業が多い中で素晴らしいですね。現在の業務状況は、いかがでしょうか?
社員の勤怠管理と経理関係以外の業務も様々な部署から依頼がくるようになりました。
例えば、デサントジャパン公式アプリ(CLUB DESCENTE)への投稿やデザイン画像作成依頼ですね。
一つひとつの仕事が丁寧かつクオリティーが担保されているからこそ、業務の幅が広がり、INCLUチームの社内認知や信頼性向上に繋がったのだと思います。
各部署からの業務依頼が集まっているため、INCLUチームの社員は開設当初の4名から9名に増えました。
業務依頼が多い時には、私とリーダーで相談をして、依頼量を調整することもあります。
自主性を重んじたハイブリッドワークで“働きやすさ”と”やりがい”を醸成
―――本社とINCLUチームの連携はどうでしょうか?
人事としては1~2週間に一度はINCLUへ訪問しています。
訪問するとき以外は、社内チャットツールを用いてコミュニケーションを図っています。
チャット内で気軽にコミュニケーションが取れる状態にしていますので、臨時のMTG実施や業務上のアドバイスなど、随時コミュニケーションを取っています。
―――INCLUチームの社員が本社で仕事をすることもあるのですか?
ありますね。経理関係で本社の資料を扱う業務の際に本社に来てもらって仕事をしています。また、本社だけでなく在宅でも働いています。
本社、INCLU、在宅の3つの働く場所を活用し、基本的にはご本人の体調や業務状況でフレキシブルに働き方を選べる体制を敷いています。
―――素晴らしい取り組みですね。まさにハイブリッドワークですね。
そうですね!働く場所を自主的に決めてもらい、月次の出勤表を用いてスケジュール調整や管理をしています。
在宅勤務に関しては、様々な観点からひと月10日を目途とする規定を設けていますが、働く場所の選択肢があることで障害者社員の働きやすさやモチベーション向上にも繋がっていると感じています。
―――最後に今後の展望を教えてください。
INCLUに関わらず、障害者社員が“やりがい”や“楽しさ”を持ちながら働く組織づくりが大切だと思います。
入社後は「障害をどこまで理解してくれるのだろう」「この会社で働いていけるかな」などの不安があると思います。
そんな不安を会社全体で解消し、その先の“やりがい”や“楽しさ”を見出せるような組織づくりを目指していきたいです。
この障害者雇用の取り組みが、会社全体で多様な人材が活躍できるきっかけになれば良いと思っております。