【第4弾】障害者雇用に取り組む際考えるべきこと5選~在宅雇用編~

目次


 

1.はじめに

毎年6月1日は、高年齢者・障害者雇用状況報告(通称:ロクイチ報告)があり、企業には障害者を雇用する義務が定められています。

改めてですが、企業はなぜ障害者雇用に取り組むのでしょうか。 また、実際に雇用をすすめるにあたり、どのようなポイントを検討していかなければならないかをご存知でしょうか?

新型コロナウイルスの影響や、ダイバーシティへの関心の高まりや多様な働き方として、在宅雇用も注目されています。
今回は在宅雇用のポイントをお伝えします。

企業が障害者雇用に取り組むべき理由を、前回のコラムですでに読まれた方はこちらから第4回目の本編へおすすみください。

このコラムでは次の2点がわかります。

・企業が障害者雇用に取り組むべき理由が理解出来る
・在宅雇用で障害者雇用を行う際に考えるべきことがわかり、自社の障害者雇用推進のアクションへ活かすことが出来る


2.企業が障害者雇用に取り組むべき理由

2-1.障害者雇用促進法

障害者の雇用の促進等に関する法律(通称:障害者雇用促進法)で、記されているものを要約しました。

・全て事業主は、対象障害者(※対象障害者…原則として障害者手帳を所持している障害者)の雇用に関し、社会連帯の理念に基づいて、雇入れに努めなければならない
・企業の労働者数に応じて、法定雇用数以上の障害者を雇用しなくてはならない
・法定雇用率は5年ごとに見直しを行う

企業が法令を遵守することは、ステークホルダー(従業員、取引先、株主等)からの信頼を得るためにも非常に重要なことです。

2-2.ダイバーシティ推進

日本では少子高齢化に伴い、生産年齢人口が減少しています。

その状況に対応するため、性別、人種、国籍、宗教、年齢、学歴、職歴、障害の有無などの多様性を活かし、企業のイノベーションに繋げるダイバーシティの促進は大変重要な経営課題の一つとなっています。 厚生労働省も、高齢者就労、子育て・介護等と仕事の両立などと並び、障害者就労を推進しています。

・法令を遵守することで企業の信頼・価値を高めること
・多様な人材を活かした経営は今後の社会では必要不可欠

以上が、企業が障害者雇用に取り組む主な理由です。

3.在宅雇用に取り組む際、考えるべきこと

3-1.障害者×在宅雇用に適した業務切り出し

企業の障害者雇用について、厚生労働省が発表している資料内でも『会社内に適当な仕事があるか』という課題は上位に上がっています。

・在宅雇用で行うことが可能な業務の有無
・どの部署からどのような業務を切り出すか
・十分な業務量は確保出来るか

業務切り出しについてのコラムもございますので、併せてご覧ください。

>参考:障害者雇用における業務切り出し、基本の大原則!

また、セキュリティ面の安全が担保出来るかということは、業務切り出しともかかわる部分で重要です。

専用機器や資料を使用する業務であれば下記の検討が必要になります。

社外へ持ち出すことは可能なのか
・持ち出しの際のルール決め
・(持ち出し不可である場合)代替案の検討(例:出社日と在宅勤務日をそれぞれ設定するなど)

業務切り出しが十分でない場合、モチベーションの低下などにも繋がりますので、しっかりと考えていく必要があります。

3-2.在宅雇用に適した業務管理フローの構築

・コミュニケーションをどのように取り、業務進捗を確認するか
・成果物のダブルチェックや納品フローは確立しているか

遠隔での雇用は、業務管理のためにコミュニケーションをしっかりと取ることが重要です。どのツールでどのように進捗報告を行うのか、またダブルチェックや納品フローなども曖昧なままでは、障害者、管理者双方のストレスとなりますので、明確にしておく必要があります。

3-3.在宅雇用で安定して働ける人材の採用

在宅雇用のメリットの一つに、今まで採用を行っていなかった地域での採用が可能になることが挙げられますが、リアルイベントや対面面接での採用が出来ない場面も多くあります。

・オンライン面接の選考フローの確立
・オンライン適性テスト(実技実習)のフロー確立と実施
・オンライン座談会、オンラインオフィスツアーの実施

など、徹底したオンライン活用で採用活動を進めていく必要があります。

3-4.在宅雇用における障害者のマネジメント方法

遠隔での雇用になりますので、管理体制をどのようにするか検討する必要があります。

・在宅雇用時の面談はどのように行うのか
・メンタル面などのサポートはどのように行うのか
・コミュニケーションの方法(電話、メール、スカイプ、slack、Microsoftteamsなど)
・トラブル発生時の対応

上記を検討する必要があります。

はじめて障害者雇用を行う場合や、経験が少ない場合はハードルの高い課題ではないでしょうか。

>その他の雇用についてはこちらをご覧ください

【第1弾】障害者雇用に取り組む際考えるべきこと5選~本社雇用編~
【第2弾】障害者雇用に取り組む際考えるべきこと5選~支店/営業所/店舗編~
【第3弾】障害者雇用に取り組む際考えるべきこと5選~サテライトオフィス雇用編~

4.まとめ

在宅雇用を行う際には

・量、質、レベル、セキュリティ面で、適した業務切り出し
・障害者、管理者、双方にとって最適な業務管理フロー
・オンライン採用(面接/実習/面談/オフィス見学など)
・在宅雇用におけるマネジメントフロー
・各種トラブル発生時の対応方法やフロー

上記の検討、構築が必要となります。

これらを曖昧なまま在宅雇用を行うと

・業務不足でのモチベーション低下による、離職に繋がる可能性
・オンライン対応の未確定なフローによる混乱
・管理体制が曖昧なことでの管理者の疲弊

などが考えられます。

障害者雇用支援に特化して事業を行ってきたスタートラインでは、『障害者×在宅雇用』の他社事例のご紹介から、社内理解促進のために必要な資料のご案内、パッケージサービスだけではない『企業と障害者、双方にとってより良い障害者雇用の方法』をご提案しております。

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Startline編集部

この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障害者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。