これならできる!知的障がい者ひとりひとりを理解する大切さ

知的障がい者と聞くと、仕事を覚えるのに時間がかかったり、できないことが、いろいろあるように感じてしまったりするかもしれません。しかし、ひとりひとりを理解すれば、本人の能力を、最大限に発揮する仕事を見つけられるはず。雇用側も、その理解に努めることからはじめてみませんか?

知的障がいの程度の違いとは?

知的障がいは、大きく4つにわけられ、軽度・中度・重度・最重度と分類されています。

・軽度知的障がい
IQ50~70で、日常生活には支障がありませんが、言語の発達に遅れが見られ、18歳以上でも小学生程度の方が多くなります。服の着脱衣や衛生習慣、簡単な文章での意思表示、漢字、グループ行動やコミュニケーションなどは可能と言われています。

・中度知的障がい
IQ35~50で、言語能力にくわえ、運動能力の遅れも見られます。指示があれば、服の着脱や衛生的習慣に関する行動は可能ですが、自身で判断して適切な行動をすることが難しい場合が多く、知らない場所で、公共交通機関を利用することなどは困難とされています。ひらがなでの読み書きは、ある程度可能であるケースが多いようです。

・重度知的障がい
IQ20~35で、言語・運動能力共に発達が遅く、訓練によりひらがなの読み書きができる程度と言われています。身の回りのことをひとりで行うのは難しく、衣食住には保護・介護が必要になります。簡単な挨拶や受け答えはできますが、衛生管理などは、指示や手助けが必要と言われています。

・最重度知的障がい
IQ20以下で、言語能力の発達がほとんどなく、発声にとどまります。衣食住には保護や介護が不可欠で、便意を伝えられない、親を区別、識別できないことがほとんどと言われています。ただし、訓練により簡単な単語を言えるケースもあるようです。

知的障がいには、障害者手帳と同じ、療育手帳(地方自治体により名称が異なる)があります。療養手帳においても、知的障がいの程度は明記されますが、実際になにができるかできないかは、4つの分類だけで区別できるほど単純なものではありません。そのため、どのような仕事で活躍してもらえるかは、ひとりひとりをしっかりと見極めたうえで、決める必要があります。

知的障がい者に向いている仕事とは?

知的障がいを持つ方が多く就いておられるのが、製造業や清掃業など、決まった作業であったり、ランダムに状況が変化したりしない仕事です。

製造業や清掃業でなくても、任せられる仕事があるかもしれません。ひとつの部署だけで考えるのではなく、各部署をまたいで、それぞれの場所にある簡単な仕事をしてもらうという方法もあるのではないでしょうか。

たとえば、お茶を出し、用紙の補充、植物の水やり、道具の補充・整理、名刺など同じものの作成、会議室の準備などをまかせている職場も少なくありません。ジョブコーチなどに助言を求めて、できる仕事を探すというのもひとつの手段と言えるでしょう。

工夫次第でできるようになることも!

時間を見て判断したり、数を数えることが難しかったりすることの多い知的障がいですが、一定時間が経ったことがわかる、砂時計を活用している職場もあるようです。砂時計であれば、残り時間の計算することなく、簡単な動作だけで、正確な時間を計って作業を行えますよね。

数を正確に数えられない場合は、「決まった数しか入らないケース」などを活用するという方法もあげられます。このように、一見見落としがちな工夫を用いれば、知的障がいを持つ方でも、安心して作業を任せられるようになるはずです。

できないことが多いと、考えてしまいがちな知的障がいですが、だからといって、結果が出せないと判断してしまうのは早計です。目印になる道具や、範囲を広げて考えることで、ひとりひとりにできることが見つかることも少なくありません。まずは、積極的な姿勢で、知的障がい者を理解することから、スタートしていきましょう。



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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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