不慮の病気や事故により、障がいを負ってしまうことは少なくありません。もし従業員が中途障がい者となってしまった場合、仕事を休職後、復職した際に利用できる、助成金があることをご存知でしょうか?
突然の事故や病気で障がいを負ってしまうこともあります。
トラック運送業で働いているある男性は、洗車中の事故により、下半身に障がい(両下肢機能障害一級)を持つようになりました。その後、一年間の休業およびリハビリを経て、職場復帰を果たしたものの、ドライバーとしての復職は難しく、ドライバーから配車を担当する業務へとシフトされることになってしまいました。
また、食品センターの副センター長を務めていた男性は、脳内出血により、右片上下肢機能の障がいを負ったため、工場内での同じ業務は支障が出ると判断され、リハビリテーションセンターの助言により、平屋建ての物流センター内での勤務に異動になったそうです。
業務内容の調整と重度中途障害者等職場適応助成金の活用
このような中途障がいによる仕事の配置転換や、個々の障害によって、特定の設備が必要になる場合があります。そのような場合に利用できるのが、「重度中途障害者等職場適応助成金」です。
対象となる事業主は、「障害者の雇用を継続する事業所の事業主で、対象障害者の職場復帰にあたって、職場適応措置を実施し、職場適応措置をしなければ、雇用の継続が困難な事業所の事業主」とされており、支給対象となる障害者は、下記とされています。
・中途障がいである重度身体障害者又は精神障害者
・45歳以上の中途障害者である身体障害者
・中途障害者のうち重度身体障害者又は精神障がい者である短時間労働者
・上記の障害者である在宅勤務者
ハンデを負っても、また元気にはたらいてもらうことができます!
重度中途障害者等職場適応助成金の利用可能な措置には、下記のようなものがあげられます。
・障害の種類、程度等を考慮し、障害者の適性や能力等に適合する作業の開発または改善、作業工程の変更等に係る措置
・障害の種類、程度等を考慮し、作業遂行に必要とされる知識や技能等の向上を図るための措置
・職場生活全般への適応のための措置、勤務時間の配慮、通勤を容易にするための配慮などの措置
先ほど、ご紹介した運送業の男性も、通勤用自家用車の駐車スペースの確保、スロープの設置、ドアの改装、トイレのドアをカーテン式にするなどの措置をとり復職。脳内出血により、右片上下肢機能の障がいを負った男性も、専用のパソコンやデータ入力の訓練などを実施し、無地復職を果たしたそうです。
このように、重度中途障害者等職場適応助成金が活用される数は年々増えており、中途障がい者になってしまった場合でも、安心して働き続けられるよう政策が進められています。
いままで元気よく働いていた従業員が、障がいを負ってしまうと、職場に動揺も広がり、業務への影響が心配されるかもしれません。しかし、必要なサポートがあれば、あらゆる形で、その人の能力を活かす仕事が見つけられるはず。助成金の利用も視野に入れつつ、中途障がい者の方と向き合ってみてはいかがでしょうか?
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。