障害者就業支援を通じて“誰もが自分らしく生きる社会”を目指す株式会社スタートライン(本社:東京都三鷹市、代表取締役社長:西村賢治)は、従業員40名以上の企業に勤め、障害者雇用業務に携わる人事担当者100名を対象に「障害者雇用の質の向上に関する意識調査」を実施しました。その結果、約9割が「質の向上」を重要と認識する一方で、59%が「雇用率の達成(量の確保)」を優先していることが明らかになりました。さらに、「質の向上」に課題を感じている人事担当者も約9割にのぼり、障害者雇用における“量と質の乖離”の実態が浮き彫りとなりました。
▼調査トピックス
・約9割が障害者雇用の「質の向上」を重要と認識
・一方で59%が「雇用率達成(量)」を優先
・約9割が「質の向上」に課題・悩みを実感
・課題1位は「入社1年以内の離職・休職」
・「業務の切り出しが進まない」が最大要因(40.2%)
▼調査結果の詳細
1…約9割が障害者雇用の「質の向上」を重要と認識
人事担当者の約9割が、障害者雇用における「質の向上」を重要と認識していることが分かりました。単なる雇用の数を満たすだけでなく、能力発揮やキャリア形成といった“雇用の質”に対する意識は、すでに多くの企業で共通認識になりつつあるといえます。

2…一方で59%が「雇用率達成(量)」を優先
しかし現状では、59%が「雇用率の達成(量)」を優先していると回答しました。本来重視されるべき「質」の重要性が認識されているにもかかわらず、制度対応や短期的な数値達成が求められる中で、実務としては“量を優先せざるを得ない”状況が存在していることがうかがえます。

3…約9割が「質の向上」に課題・悩みを実感
また、「質の向上」に関して課題や悩みを感じている人事担当者は約9割にのぼりました。重要性を認識していても、実際にはどのような業務を任せるべきか、どのように配置すべきか迷うケースや、採用後の定着に課題を抱えるケースが多く、設計段階でつまずいている企業が少なくない実態が明らかになっています。

4…課題1位は「入社1年以内の離職・休職」
具体的な課題としては、第1位が「入社から1年以内の離職・休職」、第2位が「本人の希望と業務・配置のミスマッチ」となっています。これらは障害者雇用に限らず多くの企業に共通する課題でもありますが、特に障害特性への配慮や個別性の高い対応が求められる中で、採用後の定着や適切な配置に関する難しさが、障害者雇用の「質」を左右する重要な要素となっていることが示唆されます。

5…「業務切り出しが進まない」が最大要因(40.2%)
「質の向上」が進まない要因としては、「業務の切り出しや職域拡大が進まない」が40.2%で最多となりました。障害特性に応じた業務設計や役割の創出が十分に進んでいないことが、能力発揮やキャリア形成の機会を制限している可能性が考えられます。

6…経営と現場の認識ギャップも顕在化
さらに、人事担当者の半数以上が、経営層は障害者雇用における現場の課題を「把握していない」と感じている結果となりました。現場で生じている具体的な課題が十分に共有されていない可能性もあり、組織内の認識の差が取り組みの推進を難しくしている側面も考えられます。

まとめ
500社以上の障害者雇用を支援してきた当社の障害者雇用エバンジェリストによるコメント
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吉田 瑛史(株式会社スタートライン 障害者雇用エバンジェリスト)
パナソニックグループ、マイナビ、パーソルグループを経て株式会社スタートラインへ入社。 企業支援、障害者支援、人事、組織管理、業務開発、就労移行支援、研修/講師、 農福連携、マーケティング、エバンジェリストなど、多岐にわたる役割で、500社/5,000名 以上の障害者雇用に携わった経験を「障害者雇用」をより良くするために伝道する「障害者雇用エバンジェリスト」。
今回の調査により、障害者雇用において「質の向上」は多くの企業で重要視されている一方で、実務の現場では雇用率達成に代表される「量」の側面が優先されている実態が明らかになりました。
また、定着や配置に関する課題、さらには業務設計や職域拡大の難しさといった具体的な要因も浮き彫りとなっています。こうした結果からは、単なる意識の問題ではなく、設計段階における体制や仕組みの整備が十分に進んでいない可能性が示唆されます。 今後、障害者雇用の“質”を高めていくためには、現場の課題を適切に可視化し、組織全体で共有したうえで、実務レベルでの対応力を高めていくことが求められると考えられます。
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<調査概要>
【調査名称】障害者雇用の「質の向上」に関する意識調査
【調査方法】IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
【調査期間】2026年5月1日〜同年5月7日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
【有効回答】 従業員40名以上の企業に勤め、お勤め先の障害者雇用業務に携わっている人事担当者100名
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