NC(数値制御)放電加工機のパイオニアで、工作機械、産業機械などの開発・製造・販売を行う株式会社ソディック。屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKI(以下、IBUKI)の管理者として働くK氏にお話を伺いました。(取材日:2024月5月)
◆「水耕栽培」と「障害者」の2つのキーワードが重なった運命の出会い
◆「相手を理解する」ことに上限が無いからこその「難しさ」と「やりがい」
◆一括りにせず一人ひとりと向き合い、理解し合えるような人間になりたい
是非ご覧ください!
従業員数 | 業種 |
---|---|
3,562名(連結)1,183名(個別)※2023年12月期 | 工作機械事業(開発・製造・販売) |
「水耕栽培」と「障害者」の2つのキーワードが重なった運命の出会い
―――初めにソディックに入社するまでの経緯を教えていただけますか?
長年、IBUKIとは全くの畑違いである、機器制御関連のプログラミングなど技術職として携わっていました。
―――なぜIBUKIに興味を持たれたのでしょうか?
家庭の事情もあり60歳前に早期退職しましたが、身の回りのことがある程度落ち着いたので改めて仕事をすることにしました。水耕栽培が趣味だったので「水耕栽培」についてインターネットを見ていた時、IBUKIのことが出てきました。
―――それでIBUKIに興味を持たれたのですね。
それに加えて、障害がある近親者がいたことも理由です。障害者が身近にいたのでイメージしやすかったというのもあります。
―――「水耕栽培」と「障害者」2つのキーワードが重なったのですね。
そうですね。しかも通える範囲でIBUKI管理者の募集があったので、まさに縁とタイミングだったと感じています。
「相手を理解する」ことに上限が無いからこその難しさとやりがい
―――入社されてみていかがでしたか?
身近に障害がある人がいたので、入社前になんとなく障害者のイメージは持っていたのですが、一人ひとり全く特性が異なっていたので、正直、最初は戸惑いました。
―――ご自身がイメージする障害者として一括りにすることはできないと感じたのですね。
今考えてみると当たり前のことですが、当時、初めての業界だったので、入社前に勝手なイメージを持っていたのだと思います。
―――その戸惑いはその後どうなりましたか?
「相手を理解する」ということに上限や終わりはないので、今でも少しずつ関係性を作っていっている最中だと思っています。上限や終わりがないことは、「人」に関わる仕事の難しさでもあり、奥深さややりがいでもあると思っています。
―――「答え」のない仕事ですね。
それぞれの価値観や考えを尊重しながら何をどこまで理解し合えばいいのか、答えはありませんが、「人」と関わり合うことの大切さや充実感を得られる仕事だと思います。
一括りにせず一人ひとりと向き合い、理解し合えるような人間になりたい
―――IBUKIで働くことで、考え方などの変化はありましたか?
先ほども申し上げましたが、勝手にイメージを持ち、一括りにしてしまいそうになるのですが、同じ「障害」「診断名」でも一人ひとりそれぞれ全く違う、という当たり前のことを再認識しました。
―――「障害」だけでなく「性別」「年齢」など、ある属性で一括りしてしまうことは一般的にもありますよね。
そのように一括りにして決めつけて、一律に「こうしよう」「こうだろう」とした指示や教育をした方が、ある意味楽なんだと思います。当然一括りにできないので、一人ひとりと向き合い、相手を尊重できるような人間になりたいと思っています。
―――それが「多様性」の出発点かもしれませんね。
自分の価値観や考えを押し付けるのではなく「なぜそうしたのか?」など、丁寧に理由や考えを確認することが大切だと気付きました。
―――それを実践するために意識されていることはありますか?
私自身もまだまだ未知で未熟なので、周りの同僚やメンバーのバックアップがありやっていけていると思っています。これからも、相手の考えや気持ちに理解と共感を示し、(障害者メンバーと)同じ目標に向かって仕事に取り組みながら、この仕事を末永く続けていきたいと思っています。
―――本日は、ありがとうございました!
本日は、ありがとうございました!