全席レザーシートや機内エンターテインメントなどプレミアムな機内サービスを提供し、羽田、中部、北九州、福岡、関西、山口宇部などの国内線を運航する航空会社である株式会社スターフライヤー。ロースタリー型障害者雇用支援サービスBYSN(以下、BYSN)の活用事例を伺いました。(取材日:2024月5月)
▼インタビューを受けてくださった方
総務人事部 人事課 課長 黒田 真弓氏
総務人事部 人事課 マネージャー 山内 梓氏
従業員数 | 業種 |
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710名(2023年3月31日現在) | 航空産業 |
BYSN導入前の悩み |
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・業務効率化により障害者雇用のための業務切り出しが困難 ・現場の専門職が多い業態のため障害者社員の配置が困難 ・従来と同様の方法での障害者の追加採用が困難であった |
BYSN導入後の効果 |
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・導入前の課題が解決し、障害者雇用の追加採用が実現 ・障害者採用の専門的なノウハウを体得 ・成果物活用により「自社らしい障害者雇用の価値」創出 |
社会的責任を果たしながら、障害者雇用を行なうことで、当社らしい独自の価値が生み出せると感じたBYSN
―――BYSN導入前の障害者雇用のご状況を教えてください。
主に事務職として知的障害や身体障害の方を雇用していたのですが、新型コロナウイルスの影響もあり間接部門での追加採用は困難な状況になっていました。
―――間接部門以外は検討されたのでしょうか?
検討はしていますが、運航乗務員や客室乗務員、グランドスタッフなど、社員の多くが専門職のため、現場での障害者採用を進める環境が整えづらく、さらに間接部門も業務効率化や新型コロナウイルスの影響で、限られた人員で運営している状況でした。
―――それは従来と同様の方法では、追加での採用は難しそうですね。
今後の法定雇用率引き上げも加味すると追加採用が必要なのですが、難しい状況でした。そんな時、スタートラインからBYSNのサービスについて紹介されたお手紙が届きました。
屋外で野菜を作る農園型サービスを検討したこともあったのですが、野菜を活用するイメージができず、導入を見送りました。しかし、BYSNの成果物であるコーヒーであれば当社での活用イメージが一気に想像できて「これだ!」と思い、すぐに上司、そして役員決裁まで取りました。
―――上司や役員など、社内の皆様からはどんな声がありましたか?
最初は、成果物の活用ができるのか、というような疑問の声もありましたが、説明していく中で、「これなら社会的責任を果たしながら、当社らしい独自の価値が生み出せる!」と活用イメージが持てたようで、導入決定に至りました。
―――どんな活用イメージが持てたのでしょうか?
社内や関係者への配布や販売もそうですが、将来的に機内サービスでの提供や販売もできるのでは?というイメージですね。販促品から販売品まで、幅広くイメージできました。
―――高品質なコーヒーが生産できるBYSNの良さですね。
コーヒー専門店と比べて見劣りしない品質のコーヒーができるという点もスムーズに導入が決まった一因だと思います。
「当社でもこのノウハウを学ばねば!」と感じるほど高かった採用サポートスタッフのノウハウ
―――採用は順調に進みましたか?
順調でした。何より、「当社でもこのノウハウを学ばねば」と部長とも話していたほどスタートラインの採用スタッフのスキルが高くて驚きました。
障害者採用に関する知識の豊富さだけでなく、相手に合わせた場づくりや質問の仕方、着眼点や当社へのアドバイスなど、本当に素晴らしかったです!
答えやすいような場づくりや言い回しなど、人に合わせた面接方法が素晴らしく、その結果、面接で確認すべきことを漏らさずに確認できました。この経験があったので、その後の当社独自で行った事務職採用にもこのノウハウを活かすことができました!
―――「雇用の場、選択肢」の提供だけでなく、当社が重視している「採用/雇用のノウハウ提供」が実現できたようでうれしく思います。
社内販売会で成果物は即完売!一般のお客様への販売も検討中
―――BYSNが稼働して約4か月半経ちますが、ご状況はいかがでしょうか?
正直、こんなにスムーズに成果物である高品質なコーヒーができるとは思ってなかったので、嬉しい驚きです。
―――BYSN稼働後の滑り出しはいい感じですね。
チームで運営しているので様々なことはありますが、充実した研修やスタートラインサポーターの細やかな指導やフォローの結果、チームメンバーの皆さんは仕事がスムーズに習得できていると感じています。
―――成果物の活用状況はいかがでしょうか?
商品づくりや販売の経験を得ようと思い、まずは「社内向けの試飲 兼 販売会」を実施しました。
―――社内向けにも配布ではなく「販売」されたのですね。
はい。原産国6カ国の豆×6つのドリップパック入り試飲セットを有料で販売したのですが、「美味しい!」と大好評で、用意した80セットはすぐに完売しました。
―――御社のロゴ入りパッケージがおしゃれですね!
自社ロゴ入りのノベルティグッズをイメージして作りました。即完売したので、改めて社員は自社のことが好きなんだ、と実感できたことも大きな収穫でした。
―――その他にも成果物のコーヒーを活用され始めているのでしょうか?
気軽に来訪者や関係者に提供できる個包装パックや、お客様への贈答品として20個入りのボックスセットなど、徐々に活用場面が増えてきています。
―――今後の活用はどのようにお考えでしょうか?
様々な調整は必要なのですが、一般のお客様にも機内サービスや販売できるように検討していきたいと考えています。
安心とやりがいが感じられる環境でDE&Iを推進
―――BYSNで働いている皆様のご状況はいかがでしょうか?
訪問した際の面談では「とても働きやすい」や「コーヒーが好きなので仕事が楽しい」など前向きな話が多いです。
―――それは嬉しいですね。
就労未経験の社員も多いのですが、何かあればいつでも相談できる体制になっていて安心ですし、BYSNと本社も常に情報共有し連携しているので、安心して雇用できており、ありがたく感じています。
先日の「社内向けの試飲 兼 販売会」の様子を、BYSNの管理者からメンバーの皆様へ共有したところ、みんな拍手をして喜んでいたことを聞いて、私たちも嬉しく感じました。
―――最後に、今後の展開を教えていただけますか?
みんながやりがいを持って楽しく働けるように、当社ならではの成果物活用で独自の価値を創造し、ひいては社内全体でDE&Iを推進していきたいと思います。
―――本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
ありがとうございました!