はじめに
皆様は障害者の1年後職場定着率はご存じでしょうか?
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の研究資料では、障害種別ごとの1年後定着率が発表されています。
出典:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者の就業状況等に関する調査研究(2017年4月発行)
特に精神障害者においては、1年定着率が49.3%というデータがあります。
障害者が職場で活躍することは、ダイバーシティやSDGsの観点からも注目されています。
障害者雇用は採用することがゴールではなく、採用後、職場で長く活躍してもらうことが、人材活躍の観点からも重要です。
そのためには、人事担当者や管理担当者は、障害者に対し面談内で適切なヒアリングなどを行い、職場定着を図ることが大切です。
また、あわせて社内理解促進をすすめることも重要です。知識や適切なサポートなどがわからないままでは、障害者を受け入れ、部署で活躍してもらうことは困難です。
そうして短期離職が続くと、人事担当者の採用負担が大きくなり、受け入れ部署の疲弊なども考えられ、障害者雇用がすすまないことなどが考えられます。
今回、総務省様(以下、総務省)より『障害者職員の職場定着支援業務』を受託し、定着面談と研修を実施しましたので、概要をお伝えいたします。
1.『職場定着支援業務』-概要
▼受託業務内容
①定着面談
◆対象
・身体/知的/精神/発達障害がある20~70代の総務省職員
・障害者職員のマネジメント/リーダー職等
◆内容
・障害者職員を対象とした面談
スタートラインサポーター(定着支援専門スタッフ)より、障害特性に基づいた職場での困りごとや、長く職場で勤務するために必要なことについて丁寧にヒアリングを行い、内容によっては複数回の面談を行います。
複数回の面談を行う中で必要な場合、セルフマネジメントの一環として心理教育を取り入れたアドバイスなども実施します。
【面談項目例】
・通勤/健康状態/職場(人間関係)/業務内容など
・障害者職員のマネジメント/リーダー職を対象とした面談
日ごろから多くの働く障害者と接するスタートラインサポーターの視点から、障害者職員の現状抱えている悩みや課題、また職場全体の課題などをお伝えしたうえで今後の解決に向けたアドバイスなどを実施します。
◆方法
・オンライン面談
∟対象者とスタートラインサポーター(定着支援専門スタッフ)の1対1形式
②研修
◆対象
・身体/知的/精神/発達障害がある20~70代の総務省職員
・障害者職員のマネジメント/リーダー職等
◆内容
研修対象を、障害者とマネジメント/リーダー職に分けて実施しました。
障害者雇用にかかわる法律や合理的配慮などの基礎的な知識はもちろん、企業事例のお伝え、ケーススタディで学ぶサポート方法など、実践的な内容で実施をいたしました。
◆方法
・オンラインでの研修(質疑応答含め約90分)
2.ご担当者様コメント
今回、スタートラインに定着支援業務をご依頼いただいた総務省のご担当者様にコメントをいただきました。
▼総務省 障害者雇用 ご担当者様より
総務省では、障害者職員がその特性や状況に応じて、長期かつ安定的に勤務できるよう、外部専門事業者からの支援も受けながら、障害者雇用における職場定着の取組を進めております。
今回株式会社スタートライン様に本業務をご担当いただきました。
総務省における障害者職員は、働いていることに満足しているとアンケート回答した者が約9割に達するなど、職場定着が進んでおります。
一方、上司等の異動が多いため、このような研修や面談を定期的に行うことで、一層の職場定着及び職場理解を促しております。
専門的なご知見を有するスタートラインサポーターから講義やアドバイスをいただけ、障害者職員をはじめ、職場にとって大変有意義であると感じております。
3.まとめ
総務省より受託した『職場定着支援業務』の概要、そして、職場定着支援の重要性についてお伝えしました。
障害者の職場定着、その先の障害者の活躍には、ただ定期的な面談を行うのではなく、本人の特性、志向、障害などに合わせ、的確なヒアリングと状況判断、そして課題に対する改善と実行が重要です。
しかし限られた時間の中で他業務と兼任して面談を行うこと、また適切な対応を行うことは難しい場合も往々にしてあるのではないでしょうか。
スタートラインでは「応用行動分析」や第三世代の認知行動療法と称される「ACT(Acceptance & Commitment Therapy)」などを活用した、効果的かつ専門的な支援を実施しています。
障害を“主観”ではなく“客観的な行動”として捉えアプローチ/分析し、学術的に確立している方法で、関わるすべての人の“やりがい”と“成長”を支援しています。
自社だけで全て行うことは、適切な対応に迷うこともあるかもしれません。
外部の専門会社へ依頼することは国、自治体、企業にとっても第三者目線によるサポートが出来るだけでなく、働く障害者にとってよりよい環境づくりになることもあります。
スタートラインでは、それぞれのご状況に合わせた『双方にとってより良い障害者雇用の方法』をご提案しております。
各種ホワイトペーパーのご用意、無料オンラインセミナーの開催、個別でのご相談など、いつでもお待ちしております。
少しでもお悩みの時は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。