パナソニックグループの一員として、建築設備をトータルに制御・監視するビルオートメーションシステム(照明設備、空調設備、セキュリティ設備)、テーマパークや劇場・ホール・テレビスタジオ等の演出照明・調光システムや競技場等のスコアボード、太陽光発電システムや蓄電システムなど幅広い事業を展開するパナソニックEWエンジニアリング株式会社。屋内農園型障害者雇用支援サービス IBUKI(以下、IBUKI)とロースタリー型障害者雇用支援サービスBYSN(以下、BYSN)の活用事例を伺いました。(取材日:2024月5月)
▼インタビューを受けてくださった方
人事・総務部 西日本担当部 添野 浩司氏
人事・総務部 西日本担当部 岩本 拓氏
従業員数 | 業種 |
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1020名(2024年3月末時点) | 業種:建設業 |
IBUKI&BYSN導入前の悩み |
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・多様な障害に対応可能な就業環境の整備に課題があった ・毎年の人員増により今後の法定雇用率達成に不安があった ・採用要件を満たす人材の採用が難航していた |
IBUKI&BYSN導入後の効果 |
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・身体障害者だけではなく精神、発達、知的障害者の雇用拡大に繋がった ・IBUKI&BYSNの成果物が社内で欠かせない存在になっている ・障害者雇用のノウハウ蓄積とIBUKI⇔BYSN間の職場交流により新たなアイデアや やりがいを創出できた ・障害を持つ社員のご家族・従業員からの感謝が人事担当者のモチベーション向上に 繋がっている |
IBUKIはあらゆる障害者が活躍できることが魅力
―――IBUKI導入前の障害者雇用のご状況を教えてください。
当時は、主に身体障がい者の方が、事務系・技術系問わず様々な職種で活躍されていました。法定雇用率も達成できていましたが、急な退職等により未達の状況になってしまう年もありました。
また、障がいを持つ社員の定年退職が数年後に控えていることに加えて、毎年の人員増や法定雇用率の引上げ等で今後の雇用率対応に大きな不安がありました。
―――採用活動は行っていたのでしょうか?
突発的な退職も考慮して、継続的な採用活動は行っていました。パナソニックグループ合同面接会に参加したり、人材紹介サービスを活用するなど、色々と試行錯誤をしていましたが、なかなか採用に繋がりませんでした。
そんな中、IBUKIの存在を知りました。
IBUKIを調べていくと、「屋内で障がい者が安心して働ける環境が整っていること」「ハーブティーなどの成果物の活用イメージが湧いたこと」「精神、発達、知的障がい者が多く活躍していること」がわかりました。
障がい種別に関わらず、多様な障がいの方を受け入れていきたいと考えていたため「精神、発達、知的障がい者も活躍していること」は魅力的でした。
―――ありがとうございます!他サービスの検討はしていましたか?
情報収集は行っていましたが、IBUKIの作業環境やサポート体制が充実しており、当社のイメージと合致したためIBUKI導入を決めました。
一人ひとりが責任感と誇りを持って活き活きと働いている
―――IBUKI導入に際して、障害者の採用活動はいかがでしたか?
障がい特性による配慮事項や面接対応など、障がい者採用のノウハウが少なかったので、初めは不安でしたが、スタートラインのスタッフの方に手厚くサポートいただきながら採用を進められたので本当に助かりました。
―――スムーズに採用できて良かったです。IBUKIで働く従業員の様子はいかがでしょう?
初めての業務やチーム内コミュニケーションに最初は戸惑っていましたが、日々一緒に働いている管理者の方のサポートのおかげで、今では責任感と誇りを持って、活き活きと働いています。本当に管理者の方には頭が下がる想いです。
また、スタートラインのスタッフの方もIBUKIで働く皆さんの就業環境良化のために、日々努力をしていただいており、急なトラブル対応や、何かあった時に連絡をもらえるので助かっています。
成果物は欠かせないツール!業務の気付きから生まれた消臭サシェ
―――成果物について教えてください。
主にハーブティーにして、取引先や新卒採用でのノベルティに活用しています。社員で試飲をしていただき凄く好評でした。今では社内認知も広がっており、各部署から「ハーブティーはもっとありますか?」など嬉しい声も聞くようになりました。
各事業場から寄せられた声として、挨拶の折にハーブティーを取引先へ持っていくことで他社との差別化になっているとのことです。今では、欠かせないツールの一つです。
―――そのように成果物が活用されているとIBUKIで働く従業員の皆さんもやりがいを感じますね。どのようにフィードバックをしているのですか?
社内の声をメッセージカードにして、感謝の気持ちを伝えています。
感謝の気持ちを伝えることで、IBUKIで働く皆さんの意欲やモチベーション向上にも繋がりました。
最近だと、IBUKIで働く皆さん、自発的にアイデアを出し合って、フレグランス効果が期待できる消臭サシェも作っています。
―――素敵ですね。なぜ、消臭サシェを作ろうと考えたのですか?
消臭サシェを作成したきっかけは、IBUKIで働く皆さんの“ハーブの栽培工程で処分せざるを得ない葉や枝の部分が勿体ない”という気付きから生まれました。一人ひとりが誇りをもって自発的に業務に取り組んでいるからこそ生まれたアイデアだと思っています。
BYSN導入で障害者が活き活きと働ける場所の選択肢を増やしたい
―――IBUKIだけでなくBYSNも導入いただいておりますが、きっかけとBYSNを選ばれた理由を教えてください。
IBUKIを拡張することも検討しましたが、成果物がハーブティーだけでなく、コーヒーもあった方が活用方法のバリエーションが広げられると考えました。また、障がい者が活き活きと働ける場所の選択肢を増やすとともに社会的責任を果たすことにも繋がると考えたからです。
―――BYSNの障害者採用はどうでしたか?
IBUKIでの採用時と同様に、スタートラインのスタッフの方にスケジュールの見直しやリスク管理など、丁寧にサポートしていただき、大変心強かったです。
IBUKIとBYSNの活用で障害者雇用のノウハウ蓄積、そして職場交流で得られた新たな価値
―――IBUKIとBYSN、両方を導入されたメリットはありますか?
成果物活用の幅が広がることもありますし、IBUKIで働く皆さんとBYSNで働く皆さんが双方の職場見学を実施することで、お互いの業務課題や取り組み方法など、情報共有することで気付きが得られています。
また、社内レクリエーションとして皆さんで食事会や松下幸之助歴史館ミュージアム見学を実施し、交流を深めています。これらの職場見学や交流会は、今後も定期的に行っていきたいです。
―――BYSNの成果物について教えてください。
社内試飲やノベルティなどで活用しています。社内では「BYSNコーヒーは深みや香りが違う」「もっと欲しい」と好評です。
最近だと、BYSNでも消臭サシェをつくっています。このアイデアは、IBUKIとBYSNの職場交流から生まれたアイデアです。このように、社員同士がアイデアを出し合い、様々なことにチャレンジすることで、障がい者雇用における一人ひとりの活躍とノウハウが蓄積されていくものだと思っています。
働く障害がある社員だけでなく、そのご家族にも喜んでいただけるような取り組みを続けていく
―――今後の成果物活用について教えてください。
年末のご挨拶の手土産として、ハーブティーとコーヒーパックを同梱し、配布できたらと考えています。こうした成果物はIBUKIとBYSNどちらも導入している強みですし、他社との差別化に繋がると思っています。
―――今後の障害者雇用の課題と展望を教えてください。
IBUKIとBYSN導入で得られた障がい者雇用の様々なノウハウを、企業の財産として蓄積していきたいと考えています。そしてそのノウハウを活かしながら就業環境を整え、バックオフィスなど障がい者が活躍できる場所をさらに広げていきたいと考えています。
働く障がいがある社員だけでなく、そのご家族にも喜んでいただけるような取り組みもしていきたいと考えています。
障がいがある社員のご家族から感謝の声をいただくことがありました。そのお声は大変光栄で、私自身のやりがいとモチベーションにも繋がっています。
―――本日はありがとうございました!
ありがとうございました!
ありがとうございました!
・障害者の表記について
当社では、以下の理由より常用漢字表記を使用しておりますが、パナソニックEWエンジニアリング様のご意向により発言箇所は「障がい者」と表記としております。
≪障害者の表記について≫https://start-line.jp/shougai/