【倉敷紡績研修事例】成果が出る合理的配慮と迷いの解消でさらなる雇用促進へ~管理職向け障害者雇用研修~

◆迷いを解消し、戦力化につなげる組織づくりへ

企業における障害者雇用は、採用人数の充足だけでなく「定着し、能力を発揮し、チームの一員として活躍できるか」 が重要なテーマです。倉敷紡績株式会社では、法定雇用率は充足しているものの、次のような声が聞かれていました。

「どこまで配慮すべきかわからない」
「自分の対応が適切か不安」
「コミュニケーションの取り方に不安がある」

この課題に対応するため、迷いを解消し、さらに推進力を高めること目的として、役員・管理職向けオンライン研修(90分) を実施しました。

◆ 基本情報

対象:役員・管理職(約100名)
形式:オンライン(90分)
目的:障害者と障害者雇用の理解を深め、共に働く組織風土を醸成する
ゴール:障害者雇用の必要性・基礎知識・実践ノウハウを知り、採用・雇用にさらに前向きな状態になる
担当講師:

株式会社スタートライン 障害者雇用エバンジェリスト ​
吉田 瑛史

“500社/5,000名以上の障害者雇用に携わった経験から、わかりやすく障害者雇用を伝道する「障害者雇用エバンジェリスト」”

◆ 概要

【STEP1】障害者雇用の必要性を腹落ちさせる

「なぜ障害者雇用が必要なのか」
障害者雇用の目的は「法的義務≒雇用数」ではなく「企業の価値創造」である理由を、さまざまなデータや失敗例、その背景や課題を例に解説しました。

≪受講者の声≫
「障がい者雇用を単に企業の社会的責任に終わらせるのではなく、当社人財とする視点を養いたい」
「法定雇用率はあるものの、採用ありきの対応をしてはいけないということが、専門の方からうかがえて新たな学びだった」

【STEP2】障害者雇用の基礎知識「障害とは環境にある」

障害者雇用の重要で土台となる考え方の一つである「社会モデル≒障害とは環境にある」を、職業生活視点で解説しました。

≪受講者の声≫
「障害は本人ではなく環境側にある、能力を発揮できる環境を準備する必要があると理解できた」
「その人を活かすための環境を整えてあげることで満足度ひいては定着率が向上するということに気づかされた」

【STEP3】障害者雇用のノウハウ~成果が出る合理的配慮=マネジメント3STEP~

障害者雇用の必要性、基礎知識を理解した上で、現場で重要なノウハウを「マネジメント3STEP」と「成果が出る組織理論×合理的配慮」に関連性づけて解説しました。

この手法は障害者雇用に限らず、通常のチームマネジメントにも転用できるため、参加者の関心が特に高いポイントとなりました。

≪受講者の声≫
「合理的配慮義務を『障がいに配慮する』ではなく『能力発揮を妨げる要因を取り除くこと』と捉える視点が非常に参考になった」
「成果を出すために何をすべきかの視点でマネジメントを行うことを学んだ」
「合理的配慮義務の本質や、課題ベースで対話を重ねるマネジメント方法がわかりやすかった」
「一人一人の考え方や事情を踏まえながら、全体として最大の成果を出せるマネジメントが障がい者雇用にもあてはまると認識できた」
「課題を見える化し、対話を重ねるマネジメント3ステップは、障がい者雇用だけでなく、その他の採用活動や通常のチーム運営にも活かせると感じた」

【STEP4】迷いの解消~事前アンケートのギモン/難しさに回答~

事前アンケートに寄せられた障害者雇用のギモンや難しさを、業務や教育/サポート、その他などカテゴリーごとに集約し、ポイントとなる考え方や解決方法をお伝えしました。
テーマ:業務

≪受講者の声≫
「ノンコア業務の切り出しなどの知見を踏まえ、定着支援や業務設計の改善に活かしていきたい」
「これまで障害者にやってもらう業務はないと思っていたが、それは雑用業務しか任せられないという固定観念を持っていたことが理解できた」
「その人のスキルをみて能力を発揮できるところに配置するということで、ハードルが下がったように思う」

テーマ:教育/サポート

≪受講者の声≫
「障害者を1人の人として経験、能力を評価するということが大切であることを学んだ」
「障がいがあるからという配慮と、その人の個性や適性への考え方を切り離して考えてしまっていたので、そうではないことを学べた」
「障害者というイメージで遠慮した対応をしがちであるが、率直なコミュニケーションが必要であるということが分かった」
「障害者と一般者の区別なく接することで、部署組織がまとまっていけるのではないかと思った」
「障害といってもその特性や気を付けるべきポイントは同じではなく、その人を構成する個性のうちの一つでしかないという視点は非常に共感」

【STEP5】生対談~前向きな状態を目指して~

STEP4までの講義形式に加えて、受講者(管理職)と講師吉田による生対談で、STEP4までを受講した感想、その上での障害者雇用の迷いや難しさを率直に語り合い、さらに前向きな状態を目指しました。

≪受講者の声≫
「社員との対談パートはリアルな意見とそれへの回答があり、当社の現状や業務内容に即した内容で学びになる部分が多く非常に印象に残った」
「後半の討論は、現場の本音の部分を言って頂いて良かったと思います」

◆受講者のその他の声

≪講師について≫
「全体的に聞きやすい内容でまとめられていて、時間を忘れるぐらいだった」
「様々な障がいのある方と協働してこられた講師の方の経験に基づく想いのこもった講義で、説得力があり納得感が強かった」
「建て前ではなく、本音での話がほとんど全てであったためわかりやすかった」

≪障害者雇用の価値創造≫
「人材不足を補う手段として、考えてもいいのかと理解できた」
「チーム内業務の整理や見直しを常に実施しておかなければならないと思った」
「新ビジネスを考えるときに、障がい者雇用も念頭に置いて考えていきたい」

≪多様な人材の活躍促進≫
「障害者と一括りにせず、パーソナルスキルを見極めて接することの重要さを学んだ」
「障害をいう言葉にフォーカスし過ぎないという視点を学んだ」

≪その他≫
「定期的にこのような講習で学んでいきたい」
「繰り返してこのような研修を、管理職だけではなく、各階層にも実施した方が、全社的に定着していくと思った」

◆まとめ:研修による変化が障害者雇用の価値を生む

障害者雇用は、特別な取り組みではなく、働く一人ひとりの特性や強みを理解し、業務の最適化を図るという意味では、すべてのマネジメントに通じる普遍的なテーマ です。

≪研修による変化≫
・障害者雇用の戦力化の意義と可能性を認知
・職場のコミュニケーション改善
・適切なマネジメントで定着率の向上と組織の生産性向上
・対話と業務設計の標準化で“脱属人化”

今回実施した障害者雇用研修も、理解だけではなく“成果の出る運用”へとつなげる実現性の高さも目的としていたため、「当社人財として見る視点を持ちたい」「チーム内業務の整理や見直したい」「通常のチーム運営にも活かせるマネジメント方法」といった声を頂きました。

固定観念を手放し、現状を受け止め、課題を見える化しながら対話しながら連携し、業務と環境を整えていく。その積み重ねが、障害者雇用を“戦力化”へと導き、組織全体の成長につながります。

今回の研修が、その第一歩となることを願っています。

・障害者の表記について
当社では、以下の理由より常用漢字表記を使用しておりますが、倉敷紡績様のご意向により発言箇所は「障がい者」と表記としております。
≪障害者の表記について≫https://start-line.jp/shougai/

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この記事を書いた人

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株式会社スタートライン 吉田

企業の障害者雇用支援や障害者の就職・転職支援、特例子会社人事、障害者雇用の業務開発・マネジメント・農福連携などを経験。現在はスタートラインにて、障害者雇用のコンテンツ制作やセミナー講師などに従事。これまで500社、5000名以上の障害者雇用に携わる。