ベトナム最大のIT企業であるFPTソフトウェアの日本法人であるFPTジャパンホールディングス株式会社(以下、FPTジャパンホールディングス)。
2005年の設立以来、ベトナムと日本両国を繋ぐ架け橋として、最新テクノロジーを活用したサービスやソリューションを通じて日本のお客様に最大限の価値を届け続けています。
また、グローバルにビジネス展開する企業として、国際社会全体の目標である「持続可能な社会の実現」への貢献を目指すFPTジャパンホールディングスは、屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKI(以下、IBUKI)をなぜ導入し、どのように活用しているのか、インタビューを行いました。(取材日:2023年3月)
▼インタビューを受けてくださった方
FPTジャパンホールディングス株式会社 人事部 菱沼彩氏
FPTジャパンホールディングス株式会社 人事部 木村克久氏
従業員数 | 業種 |
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2,500名(連結 2023年4月現在) | IT |
IBUKI導入前の悩み |
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・従業員の大半がお客様先で常駐を行うIT技術者のため、受け入れ体制を整えることが難しかった ・業務効率化が進んでおり、さらなる業務切り出しが難しかった |
IBUKI導入後の効果 |
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・障害者が安心して働ける環境が実現でき、成果物が大人気で好循環が生まれている ・障害者雇用の先進的事例としてグローバル発信され、グループ全体のダイバーシティ促進にも繋がっている |
IBUKI導入の決め手は、新たな業務創出、 環境、定着体制の安心感
―――IBUKI導入前の障害者雇用の取り組みについて教えてください。
当社は製造業などを中心に、多様な業界・業務に精通したメンバーがワンチームとなり、お客さまの経営課題の構想策定フェーズから上流設計・開発、運用保守に至るまで、一気通貫でお客さまのビジネスを支援するソリューションを提供しております。
従業員の大半はお客様先に常駐し、業務を行うIT技術者のため、受け入れ体制を整えることが難しい状況でした。
自社オフィスで採用も行っていましたが、従業員の8割以上が外国人で、英語、ベトナム語、日本語でコミュニケーションを行っており、障害の有無に関わらず、語学が堪能な方の採用は難航していました。そんな中でも事業は拡大しており従業員数も増加傾向にありました。
CSRやSDGsの観点からも障害者雇用をさらに推進していきたいと考えていたところに、スタートラインとの出会いがありました。
―――なぜIBUKIを選ばれたのでしょうか?
IBUKIを選んだ理由は主に3つです。
①さらなる業務切り出しが困難だった
業務効率化のためにベトナム本社に多くの業務を切り出しており、これ以上の業務切り出しが難しく、その業務を再び日本へ戻すことも非現実的でした。
②屋内の環境かつ、本社からもコミュニケーションが取りやすい距離にIBUKIファームがあったこと
屋内の安定した環境で安心して働けることにも魅力を感じました。
また、自社社員として働く仲間ですので、定期的な訪問を行いたいと考えており、東京本社から近い距離にファームがあることも魅力的でした。
③専門家による雇用サポートの重要性を感じた
専門知識の習得や業務サポートなど体制を整えることはリソース的にも難しく、自社オフィス内の雇用は不安定な状況が続いていました。
そのため、専門家によるサポートが、障害のある方や会社にとってもより良いのではないかと考えました。
上記の理由により、IBUKIの導入を決めました。
大人気な成果物!活用事例を共有することで双方のモチベーションアップに
―――IBUKIでは現在どのような成果物を作っていますか?
主に葉物野菜を作っています。
当社ではベトナム人の社員が多く活躍しておりますので、ベトナム料理でよく使われる野菜を育て、定期的に社内で配布会を行っています。
その野菜が届くことを社員はとても楽しみにしており、段ボールで3~4箱届いてもあっという間になくなってしまいます。
―――大人気なんですね!配布会はどのように社内で告知しているんでしょうか。
社内SNSにて告知を行っています。野菜をもらった社員には、どんな料理にしたのか、写真に撮って社内SNSにアップしてもらうようにしています。
その写真をIBUKIで働く社員に見せ、作った野菜がどのように活用されているかを伝えることで、IBUKIで働く社員のモチベーションが上がっていることを感じます。
当社のブースでは、日本ではあまり見かけることのない野菜を育てているので、ベトナム料理の切り抜きなどを壁に掲載することで、成果物の活用イメージが出来るように工夫しています。
社員は配布会をとても楽しみにしていますし、IBUKIからは新たにこんな野菜を作ってみたいという提案もあり、いい循環が生まれていると感じます。
障害者雇用の先進的事例としてグローバルに発信
―――IBUKIを利用することで、どのようなことが得られましたか?
当社では積極的にダイバーシティ&インクルージョンを推進していますが、形として見えづらい内容のため、IBUKIの成果物が活用されていることで、取り組みを具現化できていると感じています。
また、ベトナムは日本に比べると、まだ障害者雇用の法制度も整っていないため、 IBUKIのことをグループ全体に発信することで、先進的な取り組み事例として、FPTグループの財産にもなっています。
―――今後の障害者雇用についてどのようにお考えですか?
IBUKIでは葉物野菜以外の幅広い成果物を作ったり、全国の支社への配布なども検討していきたいです。
また、日本本社や在宅勤務で出来る業務など、今一度業務切り出しの見直しを行いたいと考えています。
当社の障害者従業員には、引き続き長く働いてほしいです。また、スキルアップや、それぞれに合わせた雇用を実現するために、日本本社でも今まで以上に様々な障害者雇用を進めていければと考えています。
障害者雇用を通じて、より良い社会を創るため様々なチャレンジを行い、グローバルな会社として取り組みを発信していきたいと考えています。
障害者雇用を企業が抱える課題としてとらえるのではなく、より良い社会を創るためのアクションだととらえ、今後も積極的に取り組んでいきたいです。