各種舗装、コンクリート構造物の切断及び穿孔工事(ウォータージェット工法、ダイヤモンド工法)、工場等のメンテナンス事業を展開し、「切る」「洗う」「はつる」「剥がす」「削る」技術で社会インフラの維持修繕を支える第一カッター興業株式会社。(以下、第一カッター興業)。
業務のやりがいを追求した屋内農園型障害者雇用支援サービス IBUKI(以下、IBUKI)活用事例を伺いました。(取材日:2023月2月)
▼インタビューを受けてくださった方
第一カッター興業株式会社
執行役員 管理本部 人事部長
安齋 直樹氏
従業員数 | 業種 |
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631名(2022年6月末現在)連結 | 建設・工事 |
IBUKI導入前の悩み |
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・工事現場や専門職が多く、内勤が少ないため業務切り出しが難しかった ・事業拡大による社員増や障害者社員の定年退職予定など、雇用不足を危惧していた |
IBUKI導入後の効果 |
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・「創造性」と「可能性」がある業務でやりがいと楽しさも創出できた ・成果物は「なくてはならない存在」として営業活動や社内コミュニケーション向上に貢献 |
障害者雇用でも「創造性のある業務」を模索しIBUKIと出会う
―――IBUKI導入前の障害者雇用の状況を教えてください。
主に既存社員が病気やケガで障害者手帳を取得するケースがあり、障害の内容によっては部署異動をすることもありましたが、コミュニケーションやフォロー体制で困ることはあまりないような状況でした。
―――雇用人数に関してはどのような状況でしたか?
事業拡大による従業員数増加で、必要な雇用人数が増えたことや、法定雇用率の引き上げ、そして定年退職予定の障害がある社員などもおりましたので、障害者雇用に力を入れて取り組まなければならない状況でした。
―――新しく雇用する障害者には、どのような業務を担ってもらおうと考えていたのですか?
第一カッター興業は、建設業のため社員の6割が工事現場、2割が営業、残り2割が総務などのオフィス業務です。
障害者に担ってもらう業務は、総務などオフィス業務を切り出すことも可能でした。
しかし、庶務的な業務ばかりになりやすく、当社がものづくりに携わる会社だからかもしれませんが、私個人としてはもっと「創造性のある業務」はないかなと検討していたんです。
そんな流れで様々な障害者雇用の在り方を検討している時にIBUKIを知りました。
業務や成果物の創造性と可能性、そして通いやすさが決め手
―――IBUKIを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
一番は業務のやりがいを重視しました。
先ほどお伝えした「創造性のある業務」であること。もっと単純に言うと、業務が「面白い」とか「ずっと続けられる」という点です。
IBUKIは、育てる植物の種類が非常に豊富であり、また成果物の活用方法も幅広く、発想次第では様々な可能性を秘めているため、クリエイティブでやりがいのある業務だと思いました。
それに加えて、本社(茅ヶ崎)から車で約20分の距離にあるという、立地も大きかったですね。
基本的に月2回以上は通っていますし、急な対応が必要な時も、すぐに駆け付けられるのは魅力的でした。
―――IBUKIで働く皆さんの状況はどうですか?
採用の際に、スタートラインのスタッフにサポートしていただいたおかげで、とても素敵で魅力的な方々をスムーズに採用できました。
入社後も、スタートラインのスタッフが常駐し管理者に対する手厚いサポートもあるので、皆さん一人ひとり、安心してやりがいを持って働いていると思います。
成果物は社内に欠かせない“当たり前の存在”になっている
―――成果物はどのように活用されていますか?
主にハーブティーの製作や野菜を育てています。
ハーブティーは営業やコミュニケーションの場面でノベルティとして活用しています。お客様にも提供できるように、既存社員がとてもお洒落にパッケージデザインを制作してくれました。(下写真)
野菜は、主にチンゲン菜やほうれん草などを育てて、乾燥野菜に加工して、社員コミュニケーションスペースに設置し、社員が昼食時に食しています。お味噌汁やラーメンのトッピングとして野菜不足を補えると、社員の皆さん美味しく食事を楽しんでいます。あとは、こども食堂に寄付したりもしています。
―――成果物に対しての社内の声はどうですか?
お客様向けのハーブティーは営業ツールやノベルティとして活用しており、様々な部署から頻繁に発注が来る状態になっています。
また、乾燥野菜も社員の皆さんが沢山活用しており、これらの成果物は、社内にとって“なくてはならない存在”になっていますね。
そんなIBUKIの取り組みは、社内コミュニケーションツールや社内報で発信し社内認知も広がっており、その反響を人事がIBUKIを訪問した際に、IBUKIで働く社員に直接伝えたりしています。
―――最後に、今後の障害者雇用について教えてください。
障害の有無にかかわらず皆同じ社員として、本人の意思を尊重しながら、やりがいをもって楽しく働いてくれることが大切だと考えています。
目の前の仕事にやりがいや楽しさを見つけながら、それぞれのステージに合った場所で社会貢献していくのは、障害の有無にかかわらず皆同じだと考えています。
そのステージを会社として引き続き用意していきたいと思います。