業務切り出しにひと工夫! 障がい者向けサテライトオフィスサービス【イマジカデジタルスケープ導入事例】

企業が抱える課題の一つである「障がい者雇用」。
多くの企業が、法定雇用率達成に向けて障がい者を雇用したいと考えている反面、さまざまな障壁があり、雇用にまで至っていない企業もあります。

  • 業務の切り出し
  • 業務スペースの確保
  • 障がい者への対応がわからない

特に上記が、障がい者雇用の悩みとしてよくあげられます。

そのような悩みを解決するのが、株式会社スタートライン(以下、スタートライン)が提供する障がい者向けサテライトオフィスサービス(以下、サテライトオフィス)です。

障がい者向けサテライトオフィスサービスとは?
https://start-line.jp/business/satellite_office

サテライトオフィスを導入することで、このような悩みを解決し、障がい者雇用率を達成することができます。

今回はサテライトオフィスを実際に導入している株式会社イマジカデジタルスケープ 管理本部 業務支援グループ マネージャー(兼) 労務グループ マネージャー、眞秀友子様にお話を伺いました。

自社の障がい者雇用の現状について詳しく教えてくださっているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次


障がい者雇用をきっかけに業務改善がすすみました!

― 障がい者雇用を御社で行うようになったきっかけを教えていただけますか?

会社で障がい者雇用を始めたのは2008年からです。

そのときはスタートラインのような企業の支援は受けておらず、当時のグループ会社から、聴覚障がいのある方をご紹介いただいたことをきっかけに障がい者雇用を始めました。

― 障がい者雇用をされた当時の問題点や課題はありましたか?

当時は人事が主幹となって「障がいのある方に仕事を」と考えていましたが、誰一人として障がいのある方と仕事をした経験がなかったので、まずはどんな仕事をお願いしようかということが課題だったようです。

管理部は業務管理が徹底されていたため、業務を切り出すことに大変苦労したと聞いています。
また、社内の従業員の反応(コミュニケーションがとれるか、受け入れてもらえるか)も不安や戸惑いがあったようです。

結果として、掃除や軽作業といったことをお願いしていたのですが、私はもっと違う仕事もお願いできるのではと感じていたので、その後は自身の管轄業務(営業事務)から仕事を切り出しました。

基本的な考えとして、「障がいのある方に合わせて業務を生み出す」のではなく、「自分たちの業務から切り出す」という観点で業務を切り出し、担当していただきました。

-実際に障がい者雇用を始めたとき、具体的にどんな業務をどのようにお願いされていましたか?

当時のグループ会社の障がい者担当の方から、「あいまいな指示は伝わらない」とアドバイスいただいていたので、すべてのマニュアルに「業務の目的」を追加して、「この目的を達成するためにこの手順を行います」と説明しました。

これは、障がいのある方だけでなく、健常者の社員にも良い影響(業務の目的が明確なので不要な手順を見直すきっかけとなり業務改善につながる)がありました。

業務をする方の目線でマニュアルを作ることでミスを軽減!

― サテライトオフィスで行っていただいている業務はどのようなものがありますか?

スタートラインと会ったのは2011年でした。そこで7名、障がいのある方を雇用しました。

はじめの1ヶ月は、本社でやりたくてもできなかったこと(契約書など紙媒体をPDF化)を業務化してお願いしました。
現在では、データ入力や調査など約12種類の業務をチーム制にして担当しています。

基本的には、ルーティン化できる業務は、積極的に依頼しています。
成果物に関しては、どのような業務であってもメンバー同士のダブルチェックを徹底してミスがないように努めています。

-業務レベルに関しては障がい者雇用を始めた当初から設定していましたか?

いいえ。マニュアル通りに行えば、業務が進められるものを切り出ししていたので業務レベルは意識していませんでした。マニュアルも私たちと同じものを抜粋して使用していました。

しかし、業務を進めていく上で、判断(条件により分岐)があるとミスが起こりやすいということに気付きました。

現在では私たちと同じマニュアルではなく、障がいのある方用に工夫して、判断部分もよりわかりやすいものに変更しました。

-業務の難易度を分けていらっしゃいますが、レベルの高い業務とレベルの低い業務を担当させるときにはどのように決めていますか?

レベルというのは「判断」が必要な業務か否かという基準なのですが、まず、採用時に弊社独自の適性検査を実施して、業務適性を確認させてもらっていいます。

入社後は、勤続年数は関係なく、個人に合った仕事、個人の特性を伸ばせる仕事を担当していただいています。

入社時にお仕事経験がなく難易度の低い仕事を担当されていた方でも、業務遂行能力に成長が見られる場合は、難易度の高い仕事へキャリアチェンジするケースもあります。

拠点の違う社員の懇親会を行うことで業務が円滑に!

-オフィスが違う社員同士のコミュニケーションはどうしていますか?

障がい者雇用を始めた当初は、私を含め決まった社員のみが八王子オフィスに出向くといった形でした。

しかし、現在では、本社をはじめ他オフィスと八王子オフィスの社員の直接会話できる場として親睦会を計画し、社員同士の交流の機会を設けています。

この機会を設けてから、社員同士の仲が深まり、新たな業務の依頼や業務上のコミュニケーションが円滑になりました。顔が見えることで、お互いにやり取りをしている相手のことを深く知ることができるため、今まで以上に仕事を進めやすくなったと感じています。

サテライトオフィス導入後の障がい者雇用サポートはどう感じていますか?

-実際に勤務をしてみて入社後のギャップを感じている方への対応はどうされていますか?

一般の企業でお仕事することが初めての方もいらっしゃいますので、弊社では3ヶ月試用期間を設けています。

この期間に実際に働いてみて、体調面・メンタル面(どう感じたか、働き続けられる)等、ご本人の気持ちを第一優先に考え、業務の適正も考慮した上で次の契約更新を行っています。

スタートラインは週次面談や月次面談を実施してくださっているので、客観的な視点でメンバーに適したアドバイスをいただき、業務適正等を判断しています。

-目標設定はどのようしていますか?

半期ごとに評価する目標設定(行動評価・業績評価)を設けています。一次評価はスタートラインにお願いしています。

それとは別に業務レベルの見える化や、身近な課題設定(電話をとってみる等)して、達成したらみんなで喜び合い、新たな課題にチャレンジするといったような取り組みもしています。

また、日頃のこと(あいさつ・身だしなみ・時間通りに出社する等)で他従業員の模範となる行動がみられたときはスタートラインからプラスのフィードバックをしたり、メンバー同士で「サンキューカード」を渡しあったりして、日ごろからメンバーへの感謝を形にしています。

私からは、現場(業務を行ったことによって助かっている人たち)の声を共有するようにしています。これを行う前と行った後では、皆さんの顔つきも変わり、たくましく自立してきたなと感じています。

-八王子オフィスにスタートラインスタッフがいて良かったと感じる瞬間はありますか?

すべての点において感じますね。
スタートラインには、面談の仕方や頻度、タイミングなどをサポートいただいています。特に良かったと感じるのは、従業員の顔色や体調を察知して、先回りしてアラートを立ててくれることは本当にありがたいと感じています。

私達には障がい者雇用の専門知識がないため、たとえ同じオフィスで働いていてもどうして良いかわからない場合があります。

また、自然災害や事故などで公共交通機関等が停止してしまった場合なども、的確にサポートしてくれることは、非常に助かっています。

さらに、従業員のメンタルサポートもスタートラインが行ってくれるため、人事としても専門家がサポートしてくださっているという点でありがたいと言っています。


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Startline編集部

この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障害者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。