株式会社スタートラインが主催している研修が多くの就労支援機関や障がいのある求職者に好評です。今回は安定的な就労継続を実現するためにスキルを身に付ける研修『EIT』について、研修担当の障がい者雇用研究室志賀さんにお話を伺いました。
※『EIT』とはEmployability Improvement Trainingの略称です
― まず、障がい者雇用研究室というチームについて教えてください
障がい者雇用研究室では、株式会社スタートラインがこれまでサテライトオフィスというカタチで障がいをお持ちの方を継続的に支援してきた、その就労支援のノウハウを体系化し、さらなる研究開発、その研究成果を学会などで発表することを目的としています。
― 障がい者雇用研究室では普段どのようなお仕事をされているのでしょうか。
大きく分けて3つあります。
1つは就労支援の一環で、大きく不安定になった方へのカウンセリングを実施しています。2つめは研究開発です。スタートライン独自のアセスメントシートの開発や、事例発表などを行っています。最後に採用活動支援があります。初めて障がい者採用を行うという人事担当者様に障がい者採用ならではの採用活動支援を行っています。
― EIT研修とはどのような内容なのかお教えください。
主に①体調管理の方法を学ぶこと②自身の「得意なこと」・「苦手なこと」を知るという目的があります。仕事をする上で最も大事な「体調管理の方法」について学んでいただき、体験型ワーク(模擬業務)を通してご自身が仕事をする上での「得意なこと」「苦手なこと」を認識していただいています。
― EIT研修にはどのような方が参加されるのでしょうか。
現在は就労移行支援機関に通所されている方にご参加いただいています。年齢は20代~40代と幅広く、精神障がいをお持ちの方の参加が中心となっています。最近は特に発達障がいをお持ちの方の参加が増えてきました。
― EIT研修を実施しようと思った背景をお教えください。
株式会社スタートラインはサテライトオフィスを通じて企業に就職した後の障がい者の就労支援をしておりますが、以前から就労前の方が就職後に困らないような関わりを持ちたいという気持ちがありました。そこで、今まで培った就労支援のノウハウを活かして、就職してから役に立つような研修を実施しようと思いました。
― 9日間という短い期間ではありますが、妥協はしません!
EIT研修に参加してくださる方と真摯に向き合い、時にはその人の課題を真正面からお伝えすることもあります。もちろん皆さんに課題を真正面からお伝えするわけではありませんが、就労後に苦労している人をたくさん見てきたため、今自分の課題に気づくことの大切さを知っていただきたいと思い、精一杯やらせてもらっています。
― 笑顔で研修を終えてくれると素直に嬉しい
EIT研修を実施しているうちに研修生の表情が日に日に明るくなり、EIT研修が終わる頃には周囲の人と打ち解けお話されているところを見かけると、とても嬉しくなります。EIT研修を終えて「この研修を受けてよかった!」と研修生が笑顔でお話してくださると、とてもやりがいを感じます。これまで支援機関でも様々な訓練を受けられていると思いますが、環境を変えて研修を受講いただくことで、良い刺激にもなっているのではないかと思います。
― 精神障がいのある人の雇用に、不安やネガテイブなイメージをお持ちの会社の方もいらっしゃいます。ぜひ一言メッセージをお願い致します。
EIT研修では体調管理の大切さや苦手作業に対する工夫を学んでいただきました。企業に就職した時にはセルフマネジメントができるようになっていると思います。企業の担当者には、障がい者雇用を行う現場にもちろんご本人の努力も必要ですが、会社に求められてくる配慮も必ずでてきます。そして、その必要な配慮が何かは障がい者本人との対話からしか生まれてこないということをご理解いただきたいと思います。障がいということを怖がらずに、積極的にお互いに情報を共有するようにしていただければ幸いです。
EIT研修を受講していただいた方々のお声をご紹介します(一部)
― EITの研修はいかがでしたか?
・実際の就業環境に近い状況を作ってくださり、良い緊張感を持って9日間を過ごすことができました。やりやすい仕事のペースが見えてきました。(30代 男性 不安障がい)
・MWSでは色んな作業を体験でき自分の苦手な作業とできる作業が何かがよく分かることができました。これからの生活や作業所でのすごし方から仕事についた後まで大切にしていこうと思います。(30代 女性 てんかん)
― EIT研修で得たこと、学んだことがありますか?
・休憩を上手に利用することで集中力を増やしミスも、減らせることができる/キチンと報告するとキチンと仕事をしようという気持ちが増す(20代 男性 躁うつ病)
・自己理解と自分の嫌な部分も含めて自分だということや、はまりこまないようにすること、立ち向かうのではなく、自分の感情をそのままにしておくこと良い方向に行動していくこと、価値をしっかりと確認して、自分のなりたい方向に向かってゴールを作って向かっていくこと等を学びました。(50代 男性 気分障がい)
・正確性に欠けていた分、セルフチェックの大切さがわかった(20代 男性 発達障がい )
・日頃の支援機関とは違った内容でとても中身のある充実した研修内容でした。フィードバックして頂ける点は自分の強み、弱みを知ることができて大変良かったです。支援機関、社会復帰した時に生かせる所は多くあります。是非実践していきたいです。2週間本当にありがとうございました。(20代 女性 発達障がい)
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。