目次
はじめに
スタートラインは2017年に『屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKI』というサービスをリリースしました。
2021年4月現在では、約135社の企業様にご利用いただいています。
様々な障害者雇用の方法がある中で、IBUKIとはどのような場所で、どのように働いているのでしょうか。
また、利用企業様にIBUKIを選んでいただいた理由とはどのようなものなのでしょうか?
IBUKIの概要編である前編と、メリットを紹介する後編に分けて、スタートラインの屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKIについて、お伝えします。
このコラムでは2点がわかります。
・屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKIの概要がわかる
・企業がIBUKIを利用するうえで得られる価値がわかる
1.スタートラインが『IBUKI』をリリースした理由
1-1.企業の抱える障害者雇用の課題
企業は障害者雇用を行う義務が法律により定められています。
法令遵守、ダイバーシティ促進の観点などからも、障害者雇用を行うことの重要性は理解していますが、法定雇用率を達成している企業は48.6%という結果をご存知でしょうか?
引用:厚生労働省 令和2年 障害者雇用状況の集計結果(令和3年1月15日)
半数以上の企業が法定雇用率未達成です。
厚生労働省の調査で『障害者を雇用しない理由』として
・当該障害者に適した業務がないから
・施設-設備が対応していないから
・職場になじむのが難しいと思われるから
・当該障害者の雇用管理のことがよくわからないから
引用:厚生労働省 平成30年度 障害者雇用実態調査(令和元年6月25日)
の調査結果が出ています。
つまり企業の抱える障害者雇用の課題は
・業務創出
・ファシリティ面のサポート
・障害者/障害特性に対する周囲の理解
と言い換えることが出来ます。
1-2.解決策の一つとしてIBUKIのご提案
スタートラインでは上記の理由から『障害者雇用を促進したくとも出来ない企業もあるのではないか』と考えました。
・情報技術の発展により業務創出が困難である
・障害者が安心して働くことの出来る環境の用意が出来ない
・メンタル面を含めた障害者のサポートを行える担当者がいない
企業はこのような悩みを抱えていて、解決が難しいと感じているのではないでしょうか。
サテライトオフィス運営で培った障害者サポートの知見から、企業の抱える障害者雇用の課題を解決するための一つの策として、
2017年に屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKIをリリースしました。
写真:IBUKIファーム 外観
2.屋内農園型障害者雇用支援サービス『IBUKI』の概要
2-1.設立拠点
屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKIは関東に13拠点、関西に2拠点の計15拠点を運営しています。
スタートラインではIBUKIの各拠点をファームと呼んでおり、都心から60~90分の場所に位置しています。
>拠点一覧はこちら
2-2.勤務場所
ファームは倉庫を活用したものとなっています。倉庫内に約15㎡の栽培スペースを10~30区画設置し、その区画内で勤務をしてもらいます。
働く方が安全・安心に働くことが出来るよう、各ファームは一級建築士の確認を取り、物件の違法性等に問題がないことを確認しています。
また、一般社団法人減災復興支援機構の指導の下、ファームごとに減災計画書を作成しています。
災害時にはその方々の声明はもとより、雇用の場の維持、健康維持を確保するため、一般的な対策以上にきめ細やかな減災対策を実践することが必要です。
ファームでは【火災、地震、水害、雪害】を想定した減災対策へ取り組みを行っています。
・災害対策(減災)に関する『危機管理委員会』の設置
・『減災基本計画』と『災害時対応マニュアル』の作成、設置
・一般社団法人減災・復興支援機構の指導の下、防災訓練などを定期的に実施
2-3.業務内容
IBUKIで働く方たちはそれぞれの企業ブースで働いていただきます。
図:IBUKI ファーム俯瞰図
A社、B社、C社のようにそれぞれの企業に1区画をご利用いただきます。
約15㎡の1区画内にはLEDを使った水耕栽培装置が設置されています。
図:IBUKI 各ブース俯瞰図
この1区画内で、各種ハーブを中心に栽培しています。
※写真:区画内写真
1区画に設置されているもの
・植物装置本体…2台
・栽培トレイ…24トレイ
・育成用LEDライト…72本
・エアコン…1台
・室外ユニット…1台
・除湿器…1台
・作業台…1台
・椅子…4脚
・その他栽培備品
ファーム内には育てた栽培物を乾燥させる乾燥室や、ハーブティーなどに加工する加工室も用意していますので、
IBUKIで育てたハーブなどを企業の利用用途に合わせ、乾燥・加工する業務を行います。
2-4.IBUKIで働く障害者/現場管理者
1区画では
・障害者…3名
・障害者の栽培業務&就労サポートを行う管理者…1名
計4名がご勤務いただけます。
障害者には
・企業ブースでの栽培業務
・栽培物の加工業務
などを行ってもらいます。
管理者には
・障害者の栽培業務のサポート
・障害者の就労サポート
・本社担当者へIBUKIでの業務、状況報告
などを行ってもらいます。
これまで約1,200名の障害者の採用に関わってきたスタートラインが、採用活動を全面的にバックアップし、サポートを行います。
障害者の採用をスムーズに行うため、IBUKIファーム周辺の【特別支援学校/就労移行、就労継続支援機関】とIBUKIでの見学体験会などを通して密な連携を行っています。
管理者の採用は地域紙などを通し、ファーム周辺にお住まいの方を採用します。
ほとんどの方が障害者と接することは初めてですが、1ヶ月間の研修を行い、障害者と接することへの不安を取り除いていきます。
後述しますが、ファーム内にはスタートラインのサポートスタッフがいますので、何かあればいつでも相談出来る体制になっています。
・倉庫内では暗くて閉塞感があるのではないかと不安
・長期就労のためにどのようなサポートを行っているのか知りたい
・安定した業務創出が出来るのか
IBUKIをご検討の企業様から、いただくお問合せの一部です。自社の従業員として働くのですから、当然抱く疑問です。
このパートでは企業様、そして障害者にとって、【安全・安心・安定】して働くことの出来るIBUKIの3つの特徴をお伝えします。
3-1.労務リスク軽減と栽培物の【安全】のために
IBUKIは前述のように倉庫内でファームを運営しており、1年を通して25度前後の気温、60~70%の湿度が常に保たれています。
屋内でのファーム運営により
・夏季の熱中症リスクの軽減
・自然災害(大雨、台風、強風など)による栽培物への被害の軽減
を行い、障害者と管理者、そして大切に育てていただいた栽培物の安全を確保しています。
写真:企業ブース区画内の写真
企業ブース内はこのようにLEDの光で明るくなっています。
また、壁材には白やグレーの明るい色を基調とし、閉塞感を与えることはありません。
安全に働くことが出来、かつ閉塞感を覚えることがないように、スタートラインでは屋内でのファーム運営を行っています。
3-2.【安心】出来る長期就労のために
2021年現在、IBUKIで就労している障害者は
・身体障害者…約5%
・知的障害者…約35%
・精神障害者…約45%
・発達障害者…約15%
の割合で就労しています。
>引用:障害者職業総合センター 障害者の就業状況等に関する調査研究
上記の図は、障害者1年後の職場定着率です。
一方、スタートラインがサポートする障害者の1年定着率は約80%です。
ファームで勤務するサポートスタッフは応用行動分析学の学術を用いたサポートを行っているため、このように高い定着率を実現しています。
他ファームも含めたサポート事例共有会なども行い、安定した長期就労を実現し、日々スタートラインスタッフは研鑽を積んでいます。
実際にサポートの事例を紹介する無料のオンラインセミナーを行っています。
>参考:無料オンラインセミナー一覧はこちら
3-3.業務の【安定】創出のために
障害者は週5日/30時間の勤務です。
図:1週間の勤務スケジュール例
上記のスケジュールをご覧いただいてわかるように、担っていただく業務は栽培業務だけではありません。
栽培物を乾燥させ、細断し、ハーブティーなどに加工することで手が空くことなく、安定した業務を創出することが出来ています。
何故ハーブティーに加工するか、そしてその効果はコラムの後編でお伝えします。
4.まとめ
このコラムでは屋内農園型障害者雇用支援サービスIBUKIのサービスにスタートラインが取り組む理由と、概要についてお伝えさせていただきました。
コラムの後編では
・企業がIBUKIで障害者雇用を行うことのメリット
をお伝えします。
実際にIBUKIの見学や詳細なお打ち合わせももちろん承っています。
>IBUKIの見学、詳細のお問い合わせはこちらから
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株式会社スタートライン マーケティングディビジョン 新井真春
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