障がい者雇用に特化した取り組みのうえで、ある一定の条件を満たせば認められる、「特例子会社」。もちろん、その業種はさまざまですが、より多くの障がい者が働けるよう考えると、一定の職種が多くなる傾向にあるようです。
特例子会社の「特例」とは?
特例子会社の「特例」の意味かご存知ですか? 特例子会社はその名の通り、子会社のため、当然ながら親会社が存在します。通常、子会社は親会社にとって必要な業務を担うことが多く、障がい者雇用における特例子会社も同様とされています。
そして、障害者雇用促進法によって各企業には、法定雇用率が設定されています。そのため、通常、子会社がたくさんの障がい者を雇用したとしても、別法人となり、親会社の雇用率には影響しません。
しかし、制度に基づいて設立された特例子会社であれば、子会社であっても、親会社の雇用とみなされる特例があります。そして、この特例に基づいて設立されたのが特例子会社です。
製造業やサービス業は、特例子会社事業として人気
特例子会社では、どのような職種で、多く設立されているのでしょう?
高齢・障害・求職者雇用支援機構が2012年に行ったアンケートによると、製造業27.7%、卸売業・小売業2.5%、その他サービス業は50.6%となっており、製造業や各種サービス業が多い傾向にあるようです。
製造業などは、比較的シンプルで取り組みやすい作業から、複雑で毎回調整が必要な作業もあるため、障がい者ひとりひとりに合わせた、業務の切り出しがしやすいことが予想されます。
また、雇用率上位の会社を具体的に見ていくと、再生可能エネルギー等が注目される時代に合わせた、リサイクル業務や、女性障がい者の雇用に積極的に取り組んでいる企業も多いようです。このほか、東京オリンピックが近づいていることもあり、障がい者スポーツに特化した企業も設立されているようです。
知的障がい者が働きやすいよう、周辺業務を専門とする特例子会社も
障がい別のデータを見たときに、知的障がい者が占める割合が多いのも特徴のひとつです。
知的障がい者が約9割を占める、という特例子会社もあり、製造業や清掃などを行うサービス業では、比較的知的障がい者の方が活躍しやすい傾向にあるようです。
たとえば、ある製品を製造・販売する会社であれば、その製品を入れるケースや箱、包装紙等の製造のために、特例子会社を設立。障がい者を多く雇用することができます。
知的障がい者以外でも、障がいに合わせて、メールの仕分け、送信、管理や従業員の体調管理の一部を担うヘルスキーパーなど、親会社の周辺業務を、担当している特例子会社が多い傾向にあるようです。
このほか、知的障がい者が多く占める特例子会社では、下記のような特徴があげられるようです。
・比較的小規模であり、ひとり当たりの売上高が低い会社が多い
・特例子会社であっても、社屋を別にせず、職場、食堂などを、障がい者ではない他の従業員と共有している
・知的障がい者が働くうえで、「(障がい者の)家族との連携、強力」や、「日常生活面も含めた総合的な指導」を重要視している
特例子会社であっても、当然一定の業績が求められます。周辺業務を切り出すなど、障がい者が働きやすい環境を提供することは基本ですが、より意欲的に障がい者が働き、企業と障がい者が、より成長できる関係なっていけるといいですね。
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。