「ロクイチ報告どうしたらいいの?」
「ロクイチ報告ってそもそも何?」
「ロクイチ報告ってどうたって書いたらいいの」
今回は「ロクイチ報告」に関してのよくある疑問に回答していきます。
- ロクイチ報告とは?
- どの企業が対象?
- 提出時期・提出先
- 報告の内容と書き方
などについて紹介します。
障害者雇用の参考にご覧ください。
ロクイチ報告とは?
正式名称は「高年齢者・障害者雇用状況等報告」です。
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第52条第1項」、
「障害者の雇用の促進等に関する法律第43条第7項」において、
事業主は、毎年6月1日現在の高年齢者・障害者の雇用状況等を、管轄の公共職業安定所を経由して厚生労働大臣に報告することが法律で義務付けられています。
特に障害者雇用に関しては、
従業員40.0人以上の事業主は、毎年6月1日現在の障害者の雇用に関する状況をハローワークに報告する義務があります(障害者雇用促進法43条第7項)
出典:令和7年高年齢者・障害者雇用状況等報告の提出について
ロクイチ報告の目的は2つあります。
①障害者の雇用状況及び雇用率の達成状況を把握するため。
②今後の施策の検討に役立てるとともに、必要に応じて各企業に対し安定所等による助言・指導・調査等を行うため。
この報告をしない場合又は虚偽の報告をした場合は、
障害者雇用促進法 第 86 条第1号の規定により、罰則(30 万円以下の罰金)の対象となります。
そのため期日までに必ず行い、素直な報告を心がけましょう。
どの企業が対象?
報告義務のあるものは、企業全体の常用雇用労働者が 40.0 人以上の事業主です。
独立行政法人、公団、公庫等の一定の特殊法人については常用雇用労働者が 36.0 人以上の事業主です。雇用している障害者数が0人の場合でも報告義務があります。
出典:厚生労働省|障害者雇用状況報告書記入要領【PDF】内1ページ目
提出時期、提出先
毎年6月1日から7月15日までの間に本社所在地を管轄するハローワークに提出します。
電子申請、郵送もしくはハローワークに持参で提出できます。
報告の内容と書き方
障害者雇用状況報告書の記入事項は以下の通りです。
①事業主情報
■事業主
法人名または代表者名を記入します。
■事業所番号
雇用保険適用事業所番号を記入します。
■所在地
事業所の住所を記入します。
②常用労働者数
■常用労働者数
6月1日時点の常用労働者数を記入します。
■短時間労働者数
週20時間以上30時間未満の労働者数を記入します。これらの労働者は0.5人として計算します。
※常用労働者の定義
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省内 主な用語の定義より抜粋
③障害者の雇用状況
■障害者の人数
身体障害者、知的障害者、精神障害者の人数をそれぞれ記入します。
原則、人数としてカウントできるのは、障害者手帳を持っている方となります。
■重度障害者の人数
重度の身体障害者や知的障害者の人数を記入します。カウントの方法は下記にて説明します。
【実雇用率の計算方法】
実雇用率=障害者雇用人数÷常用労働者数×100
【除外率について】
障害者の雇用が難しいと認められる業種に適用される制度です
この制度により、企業が雇用する労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者数を控除することが認められます。これにより、障害者の雇用義務が軽減されます。
除外率が適応される実雇用率計算例
例 石炭・亜炭鉱事業40%、林業25%。医療業20%
林業の会社、常用100人、障害者雇用3人(精神2人、知的1人)、除外率25%
3÷(100×0.75)×100=4%
【常用労働者である障害者のカウント】
障害者のカウントは障害の程度や週の所定労働時間で変わってきます。
下記の表に示した通りです。
出展:厚生労働省|障害者雇用状況報告書記入要領【PDF】内13ページ目
※1 精神障害者である短時間労働者については、令和5年4月1日からの精神障害者の算定 特例の延長に伴い、当分の間、雇入れからの期間等に関係なく、1人とカウントします。
※2 令和6年4月より短時間労働者のうち週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度 身体障害者、重度知的障害者及び精神障害者の方についても、0.5人とカウントします。(就労継続支援A型の利用者は除く。)
障害者のカウント例
A社
・身体障害者 週所定労働時間35時間→1
・重度身体障害者 週所定労働時間15時間→0.5
・重度知的障害者 週所定労働時間20時間→1
・精神障害者 週所定労働時間25時間→1
・精神障害者 週所定労働時間38時間→1
__________________________
合計 4.5カウント
まとめ
今回はロクイチ報告の定義から、具体的な提出先、報告書の書き方まで紹介してきました。
ロクイチ報告とは、企業が6月1日時点の高年齢者と障害者雇用の状況をハローワークに報告するものです。
障害者雇用にきちんと向き合うことは、企業としての社会的責任を果たすことです。
障害者雇用に向き合うことは簡単ではありませんが、一つ一つ正しく理解して進んでいきましょう。
計画的に準備して、期日までにロクイチ報告を提出しましょう。
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