「ありがとう」の一言が、働く力になる~BYSNカフェ、社員と家族がつながる時間~

2023年1月より、ロースタリー型障害者雇用支援サービス「BYSN(バイセン)」を導入している日本鉄道電気設計株式会社様が、初めてのファミリーデーを開催しました。今回は、BYSNで働く障害者社員(以下、メンバー)がコーヒーを提供する「BYSNカフェ」を開設。その様子をレポートします。

新潟から東京へ——BYSN SANJO ROASTERYのメンバーが本社に出張

日本鉄道電気設計様は、新潟県三条市にある「BYSN SANJO ROASTERY」を活用し、障害者雇用に取り組んでいます。今回のファミリーデーでは、東京都北区にある本社にて「BYSNカフェ」を開設。普段は三条で働く管理者とメンバーが本社に出向き、社員やそのご家族にコーヒーを提供しました。

担当者は「障害者社員の活動を社内全体に知ってもらうことが目的」と語ります。これまで、BYSNで製造したドリップパックコーヒーは株主総会や年末年始の手土産として配布されてきましたが、社員に直接コーヒーを淹れて提供するのは今回が初めて。約3カ月かけて準備を進めてきたそうです。

管理者・髙橋さんに聞く、準備期間と当日の様子

BYSN SANJO ROASTERYの管理者・髙橋さんに、今回の取り組みについて伺いました。

――約3カ月の準備期間を経て、ファミリーデーを迎えました。いかがでしたか?
「これまで、さまざまな部署からの依頼でドリップパックを製作してきましたが、直接顔を合わせる機会はありませんでした。今回、本社で皆さんとお会いできて嬉しかったです。準備は手探りで大変なこともありましたが、メンバーにとっても“BYSNカフェを開く”という目標が大きなモチベーションになっていたようです。」

――メンバーにとっても初めてのコーヒー提供でしたね。
「順調に提供できていて、みんな頑張ってくれています。メンバーの中にはお子さんを連れてきた方もいて、“お母さんと一緒に働く”という経験ができたことも嬉しかったです。」

――髙橋さんはBYSN SANJO ROASTERYの立ち上げ初期から関わっているそうですね。
「はい。最初は自分に務まるか不安もありましたが、初期研修やスタートラインのサポーターが常にそばにいてくれる環境なので、困ったときはすぐに相談できて安心でした。」

――管理者としてのやりがいを感じる瞬間はありますか?
「正直、自分がちゃんとみんなのために働けているのか悩むこともあります。でも、面談の中で『髙橋さんがいてくれるから頑張れます』と言ってもらえることがあって、その言葉に支えられて今も続けられていると思います。」

――逆に、難しさを感じる場面はありますか?
「言葉の使い方や対応の仕方に悩むことはあります。言葉一つでも受け取り方が人によって違うので、相手の状況や心情をくみ取りながらコミュニケーションするよう心がけています。」

――日々の工夫があるのですね。
「悩んだときはスタートラインのサポーターに相談しています。何気ない悩みも聞いてもらえて助かっています。また、メンバーとは交換日記をつけていて、面談では言いづらいことも日記を通じて伝えられることがあります。些細な気づきも得られて、私自身の楽しみの一つにもなっています。」

――今回のBYSNカフェを振り返って、どんな思いがありますか?
「初めて、自分たちが作ったコーヒーを目の前で飲んでもらえて、『おいしいね』『いつもありがとう』と言ってもらえたことが本当に嬉しかったです。メンバーのやる気にもつながったと思います。」

人事担当者の想い——“知ってもらう”ことから始まる共創

最後に、人事担当者の方にもお話を伺いました。

「今回の一番の目的は、BYSN SANJO ROASTERYのメンバーのことや、コーヒーの美味しさを社内の皆さんに知ってもらうことでした。管理者の髙橋さんやメンバーが日々頑張っている姿を、もっと多くの人に伝えたいと思っていました。『美味しい』と言ってもらえて、自分のことのように嬉しかったです。今後は、この経験を活かしてグループ会社への活動紹介や、社外イベントへの参加など、さらに活動の場を広げていきたいです。」

編集後記

今回のファミリーデーで開かれた「BYSNカフェ」は、単なるコーヒー提供の場ではなく、働く姿を見せることで生まれる“つながり”の場でした。目の前で「ありがとう」と言われる経験は、メンバーにとって大きな励みとなり、管理者にとっても日々の取り組みの意味を再確認する機会となったようです。

働くことの喜びは、誰かに必要とされること、そしてその想いが言葉として返ってくることから生まれます。BYSNの取り組みは、そんな“働く力”を育む場であり、企業と社員、そしてその家族をつなぐ架け橋でもあります。

今後も、こうした小さな一歩が、より多くの人に届き、共に学び、共に創る未来へとつながっていくことを願っています。

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全国初!コーヒーの焙煎業務を行う障害者雇用支援サービス
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担当:インサイドセールス 田代(TEL:050-5527-8581)

この記事を書いた人

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株式会社スタートライン 吉田

企業の障害者雇用支援や障害者の就職・転職支援、特例子会社人事、障害者雇用の業務開発・マネジメント・農福連携などを経験。現在はスタートラインにて、障害者雇用のコンテンツ制作やセミナー講師などに従事。これまで500社、5000名以上の障害者雇用に携わる。