2026年2月、東京と大阪の2会場で、障害者雇用の未来をみんなで考える対話のイベント「コークリテラス2026~早春~」を開催しました。
2025年度のコークリテラスは、大小規模を織り交ぜながら年間で全9回実施し、延べ100社以上の企業と50社以上の支援機関の皆様にご参加いただきました。その本年度の集大成として位置づけた今回のテーマは、今まさに日本の障害者雇用において最大の焦点となっている「雇用の質」です。
厚生労働省が直近で報告書をまとめたばかりのこの重要テーマを、おそらく日本で最も早くプログラム化し、ケーススタディとワークショップを通じて深掘りしました。日本の障害者雇用の最先端をゆく、熱気に満ちた当日の様子をレポートします。
企画、制作、ファシリテーター

株式会社スタートライン 障害者雇用エバンジェリスト
吉田 瑛史
“500社/5,000名以上の障害者雇用に携わった経験から、わかりやすく障害者雇用を伝道する「障害者雇用エバンジェリスト」”
この記事のポイント
【最新動向】 スタートライン取締役白木が語る「雇用の質」の真意や最新の障害者雇用動向
【実践検証】 満足度100%!企業と支援機関が「本音」で対話。「雇用の質」最先端ワークショップ
【共創の場】 現場の悩みとアイデアを「資産」へ。100社以上の集合知を『Able Guide Ver.1』リリース
コークリテラスとは

障害者雇用に関わる人たちが集まり、成功も失敗もまるごと共有して、新しいアイデアを一緒に生み出す場所。そんな「化学反応」を大切にする、コラボレーションの場です。
開催概要
「雇用の質」を可視化しながら「本音」の対話を「業界資産」に変えるコークリテラス2026
東京・大阪の両会場を合わせて、計76名(企業:51名、支援機関:25名)の皆様にご参加いただき、開催後のアンケート結果は、満足度(大変満足・満足)は、両会場ともに100%でした。「雇用の質」という、正解のない問いに対して真摯に向き合うプログラムは、皆さまが自分事として真摯に向き合ってくださった、実りある時間となりました。
導入:スタートライン取締役白木が語る、他では聞けない「雇用の質」の真意と最新動向

導入セッションは、スタートライン取締役の白木より、2026年2月に公表されたばかりの「在り方研究会報告書」など、障害者雇用の最新動向を網羅的に解説しました。なぜ今「質」が問われているのか。厚生労働省の「第11回在り方研究会」に参加し、現場の切実な課題を政策へと繋げるべく直接提言をしている立場から、行政の真の意図や他では聞けない最新の法改正動向をインプットし、本ワークショップの土台を築きました。
第1部:「定着=成功」?ケーススタディで紐解く解決策
第1部では、「定着はしているけれど、現場が少し疲れている…」そんなリアルな事例を題材にケーススタディを行いました。抽象的な「雇用の質」という概念を可視化するための独自のワークシートを使いレーダーチャートで見える化。「客観視」「再発見」「具体化」の3ステップで、「この定着は本当に本人のため?」「事業に貢献できている?」といった本質的な問いを、立場を超えて話し合いました。

◇STEP 1:可視化(客観視)
厚生労働省のガイドラインをわかりやすくまとめた「雇用の質:5つの要素」をレーダーチャートに可視化し、「強み」や「伸びしろ」を整理する個人ワークを行いました。
◇STEP 2:深掘り(再発見)
「今の定着は、本当に本人のためになっているかな?」「現場が無理をしすぎていないかな?」といった、少し踏み込んだテーマを意見交換。企業と支援機関、それぞれの立場から意見を出し合うことで、一人では気づけなかった「新しい解決のヒント」を探っていただきました。
◇STEP 3:落とし込み(具体化)
対話で見えてきた「強み」や「伸びしろ(課題)」に対して、「誰が・いつ・何をするか」という具体的な行動に落とし込みます。次の一歩を明確にすることで、学んで終わりではなく、実際の現場ですぐに活用できるアクションへとつなげました。
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参加者の皆さまからは、「モヤモヤしていた『質の正体』が図解でスッキリした」「現場の疲れをやりがいに変える、具体的な道筋が見えた」といった嬉しいお声をいただき、新しい可能性を発見するワークとなりました。
第2部:自社・自事業所の「現状」を可視化し、新たな可能性を再発見
第1部の後、自社・自事業所を振り返る実践ワークに取り組まれました。
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◇STEP 1:可視化(客観視)
なんとなくのイメージではなく、実際の社員や支援の現場を思い浮かべながら、「雇用の質:5つの要素」のレーダーチャートに点数とその理由を明記し、「強み」や「これから向き合うべき課題」を可視化しました。
◇STEP 2:深掘り(再発見)
次は、企業と支援機関の皆さまでお互いの評価を見せ合い意見交換。他者からの視点が入ることで、「配慮が自立を妨げていたかも?」「当たり前の環境が、他社にはない強みだった!」といった、自分では気づけなかった発見を共有しました。
◇STEP 3:落とし込み(具体化)
対話で得た大切な気づきを、「いい話だった」で終わらせず、5W1H(だれが・いつ・なにを…)で明日から現場で活かせる具体的なアクションにまとめました。
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自社や自事業所の「強み」や「伸びしろ(課題)」を見える化することで、新しい可能性を「見つける」だけで終わらせず、明日から実際に「やってみる」ところまでつなげるワークショップとなりました。
第3部:仕組みから心のケアまで。「知りたい!」Q&Aタイム
第3部では、参加者の皆さまから事前にお寄せいただいた「知りたい」や「困っている」という切実な声をテーマに意見交換しました。
テーマは、特別休暇や雇用形態といった「制度の整え方」から、一人ひとりに寄り添った「支援方法」、そして「管理者のメンタルケア」といった心の問題まで、多種多様。さらに、「採用選考で企業が本当に見ているポイント」や、「企業と支援機関が手を取り合うためのベストな距離感」など、普段はちょっと聞きにくい本音についても、立場を超えて活発に意見を交わしました。
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現場の悩みとアイデアを「資産」へ。100社以上の集合知『Able Guide Ver.1』リリース
今回の目玉の一つとして、2025年7月~12月までに開催したコークリテラス全5回(延べ110名:企業74名、支援機関36名)から紡ぎ出された「Able Guide ~可能性を引き出す案内書~ Ver.1」を初披露し、参加者全員に進呈いたしました。

このガイドブックは、現場のリアルな悩みや疑問に対して、参加者同士で出し合った温かなアドバイスやアイデアをギュッと凝縮した、まさに「現場生まれの教科書」です。

「有料でもいいくらいの価値がありますね!」「明日から職場のスタッフみんなで読み合わせて、すぐに活用します!」といった嬉しい声をいただきました。
参加者の声
開催後のアンケートに寄せられた現場の生の声を、いくつかの視点からご紹介します。
【1】立場を超えた対話で「本音」と「視点」の共有
「企業、福祉のそれぞれの課題感や施策についても意見交換でき刺激や学びになりました。特にグループワークが非常に有意義でした」(企業)
「支援機関との意見交換が出来たこと。ワークシートに基づいたワークショップで難しさもありましたが活発な意見交換ができました。ありがとうございました。」(企業)
「はじめて企業のご担当者様と本音ベースのお話を聞けて良かった」(支援機関)
「企業の方のお悩みごとなどお話を聞くことができて良かったです。その上で支援機関が何をすべきなのかも含めて考えていきたいと思います。」(支援機関)

【2】フレームワークや意見交換で実践的な気づき
「ケーススタディ、ワークショップは、「雇用の質」を5つに分けて理解しやすい形にまとめられており、また普段気づかない点など、企業側、支援機関側の視点で各社さまの取組み事例、課題、意見などが聞けてとても参考になりました。」(企業)
「内容は充実していた。企業や担当者によって障害者の雇用の質に対する捉え方が様々で面白かった。」(企業)
「企業様視点のお話をたくさんお伺いでき、大変勉強になりました。また、法的観点のお話も大事な視点だと改めて感じました。何でもかんでもOK、は違うな。と一定の線引きは必要だなと感じます。」(支援機関)

【3】出会いや刺激が活力や期待へ
「率直な意見交換ができたことが非常に良かったです。また、「ABLE GUIDE」が皆さんの知見でさらに進化していくことが楽しみになりました。国に対しても障害者雇用の理想と現実のギャップを多面的に正しく理解してもらえるように、協会の取組の推進をよろしくお願いいたします。」(企業)
「具体的な施策等も大事だが、前向きなマインドの方々と話したことで、定着や採用活動を頑張るための活力がもらえた点が良かった」(企業)
「普段の支援の中で、色々な企業の方と困りごとの話を聞く機会はないため、今回参加しお話を聞き、自分が何ができるか、他に良い方法はないかを考えるいい機会となりました。ありがとうございました。」(支援機関)
このようにアンケートの声を整理すると、「本音の交流」が土台となり、そこから「実務的なヒント」が見つかり、最終的に「前向きな意欲(活力)」に繋がっているように感じ、皆様の闊達な意見交換が実現できていたことを実感しました。
結びに:たがい(互い/違い)を照らし、出会いと気づきで未来を創る
2025年度、コークリテラスは全9回の開催を通じて、のべ100社以上の企業さまと50社以上の支援機関の皆さまと共に「障害者雇用」について語り合ってきました。回ごとにテーマや規模はさまざまでしたが、どの会場にも共通していたのは、お互いの知恵や経験を分かち合い、「今と未来をより良くしていこう」という前向きな熱気でした。

コークリテラスで生まれた本音の対話、皆様の知恵をギュッと詰め込んだ『Able Guide』、そして各回で皆さまが描いてくださった「明日からの一歩」。これらの一つひとつが、日本の障害者雇用を、一歩ずつ、確実に変えていくと信じています。
コークリテラスはこれからも、最新の情報をいち早くお伝えしながら、誰もが「本音」で語り合いたがい(互い/違い)を照らし合える、そんな場所であり続けたいと思います。
2025年度全9回のコークリテラスにご参加いただいた皆様へ、改めて心からの感謝を申し上げます。
ありがとうございました!
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