日本赤十字社が指定管理者として運営する公設民営の病院で、「もしもを守る。いつもへつなぐ。」を掲げ、チームで適切な医療を提供している横浜市立みなと赤十字病院(以下、みなと赤十字病院)。
2024年12月にTASKI COFFEEを導入してから約10ヶ月。そこで働く、O氏にお話を伺いました。(取材日:2025年9月30日)
| 従業員数 | 業種 |
|---|---|
| 1,490人(2024年11月時点) | 医療機関 |
20社以上の応募からの出会い!交通事故から始まった新しい人生
―――みなと赤十字病院に入社するまでの経緯を教えてください。

20年以上、日本の行政機関で勤務し、デスクワークをメインに経理や災害派遣業務などを経験しました。
―――20年以上も日本の行政機関で勤務されていたのですね。

はい。しかし、ある日、交通事故に遭い、頭を打ち、障害が残ってしまいました。
長い入院生活とリハビリを経て、退職を決断したとき、「これから働けるのだろうか」という不安が募りました。
―――それから障害者雇用枠での就活をされたのですか?

そうですね。希望は事務系で座って仕事ができる職種でした。しかし、現実は厳しく、20社以上応募しても不採用ばかりで難航しました。
生活のために空港やファーストフード店でアルバイトをしながら、「希望職種で働くことを諦めたくない」という気持ちだけで前に進んでいました。
―――転職活動はどのようにしていたのですか?

主にハローワークです。
事務職は人気で倍率も高く、“希望職種で働くのは難しいかもしれない”と思ったタイミングで、ハローワークの担当者から、『みなと赤十字病院でのTASKI COFFEE』を紹介してもらいました。
病院なら障害理解やサポート体制がしっかりしていると感じ、心が動きました。
―――まさにタイミングですね!

はい。さらに、TASKI COFFEEの焙煎業務を知ったとき、「コーヒーが好き」という自分の想いが重なり、働きたい気持ちが一気に強くなりました。
―――コーヒーはお好きなのですか?

家でも豆から挽いて淹れるほどコーヒーが好きです。
「好きなことを仕事にできるかもしれない」その期待が、応募への一歩を後押ししました。
―――面接はいかがでしたか?

不採用続きだったので、正直、期待はしていませんでしたが、面接では「ここで働きたい」という気持ちを素直に伝えました。
その結果、採用の連絡をいただいたときは、とても嬉しかったです。
働く上で大切にしていること──「プロとしての責任感」
―――現在の1日の仕事内容を教えてもらえますか?

午前中は生豆をハンドピックして異物を取り除き、午後は焙煎豆の管理やコーヒーマシンのメンテナンス、片付けなどをしています。
単純作業に見えて、優先順位を考えながら進めるのが面白いです。
希望職種は事務系でしたが、「好きなことを仕事にできている」ので、日々、充実しています。

―――“好きなことを仕事に”素晴らしいですね!働く上で大切にしていることはありますか?

給料をいただいている以上、プロとしての責任感を持って仕事をすることが大切だと思っています。周囲への気配りも忘れず、できることを探して動くようにしています。
―――働く環境やサポート体制はどうですか?

障害特性に合わせてペアで作業する仕組みがあり、できないことをカバーし合える環境や、職員からの手厚いサポートもあるので働きやすいです。
皆さん、丁寧かつ優しく教えてくれるので「ここなら続けられる」と心から思えました。

周囲の感謝を忘れずに充実した日々を過ごす
―――働く上で、どんなことにやりがいを感じますか?

コーヒーを飲んだ職員の方から「ありがとう」と声をかけられる瞬間です。
先日、給湯室で洗い物をしていたとき、「いつも美味しいコーヒーをありがとうございます」と笑顔で言ってもらえて、本当に嬉しかったです。
自分の仕事が誰かの笑顔につながっていると感じられる瞬間が、やりがいです。

―――最後に、一言お願いいたします。

もうすぐ入社から1年経ちますが、ここまで続けられたのは、周囲の皆さんのおかげです。
最初は、職場環境に慣れるかなど、不安もありました。
しかし、今では「働くって楽しい」と心から思える充実した日々を過ごしています。
ここでの経験が、私のキャリアステップへの自信につながっていると確信しています。
