1956年の設立以来、重工業メーカーや鉄鋼メーカーなどのお客様へ鋳鍛鋼製品や機械製品を供給すると共に、金属粉末、3Dプリンタなど、常に新しいフィールドでチャレンジする専門商社である株式会社パシフィックソーワ。障害者雇用支援サービスサポート付きサテライトオフィス INCLU ONE(以下、INCLU ONE)の活用事例を伺いました。(取材日:2025月4月)
▼インタビューを受けてくださった方
取締役 上席執行役員 総務部長 山本 典幸氏
総務部 総務課兼法務課 課長代理 三村 咲穂氏
従業員数 | 業種 |
---|---|
連結731名 単体146名(2025月4月時点) | 商社 |
障害者雇用ノウハウなしから企業同士の交流を通じて雇用促進へ
―――INCLU ONE導入前の障害者雇用の状況を教えてください。
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導入前(2024年6月以前)は、障害者雇用の経験やノウハウがなく、何から手をつければよいかわからない状況だったので、人事・採用向けの展示会への参加や、グループ会社の人事総務と意見交換しながら情報収集をしていました。
そんな中、本社ビルの管理会社である三菱地所プロパティマネジメント株式会社様からINCLU丸の内センター(インクルMARUNOUCHI)で実施するスタートライン主催の障害者雇用に関するセミナー案内をもらいました。
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三菱地所プロパティマネジメント株式会社様と協業されているスタートラインの障害者雇用に関するセミナーであれば有益な情報が得られると考え、参加しました。
―――実際に参加した感想を教えてください。
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障害者雇用の現状やトレンドがデータを元に学べただけでなく、講師の障害者雇用の経験談や想いも学べて満足度が高かったです。
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参加企業同士のグループディスカッションが印象的でした。
皆さん、異なる業界に属しているにもかかわらず、障害者雇用に関して同じような悩みを抱えており、意見交換が非常に参考になりました。
これにより、弊社でも「障害者雇用を促進していかなければならない」と強く感じました。
―――企業同士の交流も図られたのですね。
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とても有意義な時間でした。その流れでスタートラインが展開する障害者雇用支援サービスに興味を持ちました。
丸の内の企業がスタートラインのサービスを利用されているのも決め手
―――検討していた障害者雇用支援サービスを教えてください。
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IBUKIなどの農園型の雇用を含め、様々な選択肢を検討しましたが、「1名から雇用できる」ことと「総務部の業務を担当してもらいたい」という考えがあったのでINCLU ONEに決めました。
三菱地所プロパティマネジメント株式会社様をはじめ、弊社と同じ丸の内の企業様がスタートラインのサービスを利用されているのも決め手のひとつになりました。
障害者雇用の課題を抱える中で、スタートラインは支援実績も豊富なため、INCLU ONE導入に対しては役員会でも満場一致でした。

雇用数だけでなく業務マニュアルが整備されて誰もが働きやすい組織環境になった
―――INCLU ONEの障害者採用について教えてください。
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PCスキルや業務への意欲向上心を持っているかを基準に選考していったのですが、スタートラインのサポートもあり、多くの方に応募していただき、スムーズに採用できました。
採用面接は初めてでノウハウもなかったのですが、障害特性や服薬状況をはじめ、聞いていい質問と聞くべきでない質問の線引きなど、的確なアドバイスをもらいながら進められたので心強かったです。
―――業務切り出しはいかがでしたか?
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初めは、想定業務の3分の1しかなかったのですが、入社後研修を通して、働く障害者の特性やスキルに合わせて、徐々に業務を切り出していきました。
総務部の新卒採用のスカウトメール送付や、従業員の勤怠チェック、来客対応管理などの業務をはじめとして、今では経営企画や経理など様々な部署の業務を担ってもらっています。
―――幅広い業務を担っているのですね。
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そうですね。また、現在、月2回ほど本社に出社して紙書類のファイリング業務なども担ってもらっています。
リアルでしかできない業務を担ってもらうだけでなく、本社で仕事してもらうことで、従業員同士のコミュニケーションの活性化をはかっています。
―――素晴らしい障害者雇用の取り組みですね。
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業務フローを見直す目的で、改めてマニュアルを整備できたことも非常に良かったです。
これからは障害者雇用だけでなく、採用難の時代が続く中で、誰もが働きやすい環境を整備することが重要だと思っています。
障害者雇用に取り組んだ結果、雇用するだけでなく、マニュアル整備が進み、業務フローの改善につながりました。
多様な人々と働くことの重要性を改めて実感しました。
―――日々のスタートラインのサポートはいかがですか?
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初めは、本社と物理的距離が離れている不安がありましたが、INCLU ONEにはスタートラインのスタッフが常駐しており、定期面談や報告会を通して、手厚くサポートをしてくれているので安心しています。
また、手厚いサポートだけでなく、働く当社の障害従業員とスタートラインのスタッフに信頼関係があり、何でも気軽に相談できる環境が整っているのも心強いです。
BYSN開設でさらなる障害者雇用促進へ動き出す
―――2025年秋からBYSN開設も控えていると伺いました。その経緯を教えてください。
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さらなる雇用促進を考え、新しい業務創出を考えていた最中、ロースタリー型障害者雇用支援サービス BYSN(以下、BYSN)に注目しました。
―――数あるサービスの中でBYSNに注目した理由は何でしょうか?
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前提として、INCLE ONEでの実績ができたスタートラインと一緒に、障害者雇用を促進していきたいという想いがありました。
BYSNに注目した理由は、社内にコーヒー好きの社員も多く、賞味期限も長いことが魅力的だったからです。実際にBYSNを見学した際に、プロ仕様の焙煎機で淹れた高品質なコーヒーを試飲し、その美味しさに感動しました。
BYSNでつくられたコーヒーは、お取引先様への配布や、福利厚生の一環として弊社の各オフィスに配布してコーヒーを楽しんでもらうことを考えています。
―――BYSN開設が楽しみですね。最後に障害者雇用の展望について教えてください。
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まずは、全従業員に障害者雇用の取り組みを知ってもらいたいと考えています。
現在は、総務、経理、経営企画がメインとなっていますが、今後BYSNの成果物であるコーヒーを社内配布することで認知が広がっていけば嬉しいです。
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INCLU ONEやBYSNの利用を通じて、障害者雇用のノウハウを習得し、グループ会社全体でも障害者雇用を促進していきたいと考えています。
また、障害者雇用をきっかけに、誰もが働きやすい組織になりつつあると実感しています。これが、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に繋がっていくと感じています。