Start NEXT!読者のみなさまこんにちは!株式会社セプティメルスポーツの水上航太郎です。
大会開幕前はチケット販売の不振が報じられ、資金不足による大会運営への影響も囁かれたリオパラリンピック。終わってみれば200万枚を超えるチケットが売れた大成功の大会となりました。
その背景には直前にならないと動き出さないブラジル人気質や、テレビや地下鉄・バス車内モニターなどで繰り返し流れていたCMの影響もあったと思いますが、決定的だったのは価格でしょう。
開会式・閉会式は数百~千レアルを超える(約2~4万円)高額チケットでしたが、競技に関しては最も安いチケットで10レアル(約310円)、高くても100レアル(約3100円)以下でした。リオの公共交通機関の初乗りが約4レアル(約120円)でしたから、手の届きやすい価格設定だったのではないでしょうか。
その結果、週末にはチケットが完売する競技が続出し、会場周辺にはダフ屋が現れたほどです。しかし、それにも関わらず多くの会場が満員にならないどころか、ガラガラだったのは何故だったのでしょうか。
私は2つの理由があったと考えています。
1つ目は、1枚のチケットで観戦できる範囲の設定。
例えば陸上は「午前」「午後」の2つのセッションがあり、その中で様々な種目が実施されました。
「午前」セッション10時スタートの100m走に出場する地元ブラジル人選手を応援しに来た観客を想像してみましょう。目的のレースが終わってもすぐには席を立たず、他の種目を1時間ほど観戦し、チケット代金分楽しんだと感じました。11時以降のレースにブラジル人選手が出場しないとの情報が入ってきたため「十分満足したし、もう地元選手も出てこないから帰ろう」と会場を後にします。この観客の座席は11時以降空席となってしまいました。一方、12時のレースを目的とし、11時半に会場入りする人もいます。仮にチケットが1万枚売れても、1万人全員が同時に会場に揃うことは難しいのです。
陸上を例に挙げましたが、他の競技でもチケットが提供する種目と、観客の目的が100%マッチングしなければ、チケットがどんなに売れても会場が満員になることは困難でしょう。もちろん、競技自体に興味を持ち、最初から最後まで観ていく人もいたと思います。私も陸上はセッションを通して観戦しましたが、次から次へとレースが展開されていくため全く飽きることはありませんでした。しかし競技によっては、次のレース/試合まで1時間待ちという場合もあります。今大会は会場への再入場が認められていなかったこともあり、待ち時間が何度も繰り返されると「何も無い所で待っているのも辛いので、そろそろ帰ろうか」と思ってしまうこともありました。
2つ目は、関係者席の存在。
開会式、閉会式を含め、どの会場でも空席率がかなり高かったように感じました。座席を確保する必要性はわかりますが、これでは仮にチケットを購入した観客が全員入っても、本当の意味での満員にはなりません。しかも関係者席はメインスタンドの一番良いエリアにあるため、観客側からすると「何であそこが空席なんだ」と冷めた気持ちになってしまいます。
仮にチケット購入者が全員来場したからと言って、必ずしも満員になるわけではない。これがリオで見た現実でした。
2020年の東京で、本当の意味で会場が満員になるのかどうか、4年後の今頃にはその答えが出ています。
良い答えを導き出すためには、観客・関係者双方の努力が必要なのです。
株式会社セプティメルスポーツ 水上 航太郎 1981年札幌市生まれ。 1993年のJリーグ発足をきっかけに、スポーツ観戦がライフワークの1つとなる。サッカー好きが高じて大学卒業後にバルセロナに渡り、現地で日本向けのライター職などをしながら3年スペインに滞在。帰国後はIT関係職に就きスポーツを趣味として楽しんでいたが、2013年に株式会社セプティメルスポーツを設立し現在に至る。 趣味は旅行とスポーツ観戦。最近特に好きなスポーツはアメフト、クリケット、ボッチャ。 株式会社セプティメルスポーツ パラタイムズ |
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