【これから障がい者雇用をはじめる方へ】障がい者雇用の基本と採用のワンポイント

社会的に不利な立場になりやすい障がい者を、健常者と同じように働く機会を提供する目的で、「障害者雇用促進法」は制定や改正をされてきました。積極的な障がい者雇用に企業が取り組むことを推進するため、いろいろな取り決めがなされており、障がい者雇用に消極的な企業へのペナルティなどもあります。そこで今回は、初めて障がい者雇用に取り組む方のために、その基本をまとめました。

雇用対象となる障がいの種類

「障害者雇用促進法」において、対象となる障がいは、「身体障がい」「知的障がい」「精神障がい」です。

身体障がいは、視覚障がい、聴覚・言語障がい、肢体不自由、内部障がいがある人のことをいいます。それぞれの障がいで、1~6級の障がい者認定を受けているか、7級該当の障がいを2つ以上持っている人を、身体障がい者とします。また、2級以上は「重度身体障がい者」とされ、その場合は、1人を3級以下の障がい者2人を雇っているものとしてみなすことができる、特別措置もあります(ダブルカウントと表現します)。

知的障がい者も同様に、「重度知的障がい者」と認定されている人の場合、1人をダブルカウントとして数えることができます。

精神障がいは、「精神障害者保健福祉手帳を交付されている者」と定められており、統合失調症や躁うつ病、てんかんの患者も含まれます。ただし、精神障がいについては、重度障がい規定はありません。

法定雇用率の算出法

法定雇用率とは、「常時雇用している労働者数」の、2.0%以上が障がい者でなければならないというルールです。
常時雇用とは、事実上1年以上を超えて雇用されている、もしくは見込まれることが含まれます。20時間以上、30時間未満のパートタイムでも、短時間労働者として、算定に含まれます。

【法定雇用率の計算方法】

法定雇用障害者数=(常時雇用労働者数+短時間労働者数×0.5%)×2.0%

また、実雇用率は、

(障害者である常用労働者数+障害者である短時間労働者数×0.5%)÷(全体の常用労働者数+全体の短時間労働者数×0.5%)

で計算します。

もし、2%未満であれば、不足人数1名につき、月5万円を「障害者雇用納付金」として納める必要があります。
さらに、法定人数に対して著しく低い雇用率の企業は、「障害者雇い入れ計画書」の作成命令が出され、計画書を作成・提出したにもかかわらず、実態が伴っていない場合は、厚生労働省により社名公表がされることになります。

※常用労働者数の範囲についてはこちら
ロクイチ報告前に確認、常用労働者数の範囲はどこまで??

就職したい障がい者の見つけ方

初めて障がい者雇用にチャレンジする場合、できれば、軽度の身体障がい者から雇用を始めたいと希望する事業主も多いのですが、軽度の身体障がい者は、すでにどこかの企業に就労している場合が少なくありません。身体障がい者以外の雇用も視野に入れて考える必要があるでしょう。

・ハローワークや学生職業総合支援センター
・特別支援学校、筑波技術短大
・障害者職業能力開発校、障害者職業リハビリテーションセンター
・就労移行支援事業所や民間の職業紹介事業者

などで、様々な就労希望の障がい者を探していくことができます。
中でも、ハローワークでは、就職の斡旋・就職後のアフターケアなども行っているため、自社が募集している仕事内容や、就職を希望する障がい者の状況や技能なども含めて、相談することができます。

障がい者を雇用した後も、必要な施設・道具を設置するための助成金や、障がいをサポートするための外部支援など、様々な援助制度を利用することができます。加えて、同じ障がい者であっても、健常者と同じように能力はさまざまです。必要な人材を見つけるためにも、障がい者を雇用するための積極的な体制づくりや、業務状況の整理、各種フォーラムや説明会への参加なども、下準備として必要なことになるでしょう。

 


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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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