人には個性があり、性格や、配慮の仕方、何が優しい気遣いで、何がおせっかいに感じるのかなど、感じ方は人によって、それぞれ違います。障がい者であっても、人付き合いの上手な人もいれば、内向的な人もいます。ところが、障がい者であるがために、特定のイメージを持たれ、コミュニケーションがうまくいかない場合も多いようです。特に、コミュニケーションを苦手とする「パーソナリティ障がい」などには、どのような職場作りが求められるのでしょうか?
障がい者もいろいろ
障がいを持っているということは、一見マイナスのイメージを持たれてしまうかもしれません。
確かに、障がいがあることで苦労をすることもあります。しかし苦労をすることは障がいの有無に関係ありません。どんなことを感じ、どんなことを考えてきたかは、人それぞれです。そのため、障がいをもっていても、明るく前向きに考え、驚くほど陽気な人もいれば、自分に自信がなく、どちらかというと消極的で内気な人もいます。
そのような中で、障がいを持っているがゆえに、差別や偏見に悩まされてきた、という人達がいることも事実です。それゆえに、人を信じることができない、コミュニケーションの仕方がわからないといったケースもあります。
パーソナリティ障がいを持っているなら?
障がいを持っていることを、どのように扱われてきたか、どのような言葉をかけられてきたかによって、コミュニケーションへの意欲が異なる場合があります。心に傷を負ってしまうような経験をしていると、「パーソナリティ障がい」などを抱えてしまう場合もあります。特に、回避性パーソナリティ障がいなどは、人と接することを避けてしまったり、劣等感が強かったり、ネガティブな言葉に、大きく影響されてしまいます。
(回避性パーソナリティ障がいについてはこちら)※別サイトになります
教育担当者や上司は、障がいをもっている従業員が、差別と感じる扱いを受けていないか、知らず知らずのうちに偏見を持たれていないか、コミュニケーション上の問題がないかをよく観察する必要があります。障がいへの理解不足は、積み重なると、二次障がいとしてのパーソナリティ障がいを誘発させてしまうことも、少なくないからです。
職場内で、「障がいを持っているから、こういう性格ではないだろうか?」などという思い込みが蔓延することを避け、その人自身をよく知ることが必要です。障がいを持っている従業員が、コミュニケーション自体を苦手としているなら、まずは働きやすい環境を作り、そこから少しずつ社交性を身につけていくのがいいでしょう。
障がいを持ている従業員自身が、少しずつ社交的になることができれば、パーソナリティ障がいの症状を軽減させることができますし、周りの従業員とのコミュニケーションも、少しずつ改善し、お互いに心を開いていくことができます。
社交性の育つ職場環境を作る
障がいを持っていることは、確かに辛いことも多く、コンプレックスを感じていない人のほうが珍しいでしょう。ことあるごとに理解をされない、偏見を持たれる、勝手に決めつけられるといった経験をしている方が、少なくありません。特に、パーソナリティ障がいは、コミュニケーション自体が上手くいかず、感情のコントロールが難しい障がいです。
本人が自信を無くしていたり、上手くコミュニケーションをとれていなかったりすることを、「障がいを持っているから仕方ないことだ」と考えず、どんな障がいを持っていても、社交性の育つ職場環境を作ることに努めましょう。
教育担当者や上司は、周りとうまくコミュニケーションのが難しい従業員に対しても、成果を出そうと努力したことなどを評価することで、少しずつ自信をつけさせることが重要です。
また、障がい者を含め、すべての従業員の声に耳を傾け、会社側、周りの同僚とも、情報を共有することが、社交性を育てる職場づくりに欠かせません。
パーソナリティ障がいなどの心の病は、だれにとっても可能性のあるものです。単にコミュニケーションが苦手であるというだけであっても、それ自体にコンプレックスをもってしまったり、周りから非難を受けたりすることで、別の精神障がいを併発させてしまうこともあります。そのため、雇用者側は、職場の社交性という問題を、軽く考えるべきではありません。社交性の育つ職場作りには、障がい者だけでなく、すべての従業員の声に耳を傾け、情報を共有し、適切な配慮を浸透させていくことが必要です。
障がいを持っている、いないに関わらず、正当な評価をし、本人の声に耳を傾ける環境が、パーソナリティ障がいを軽減させるためには必要でしょう。
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。