障がい者にとって、自身を支えてくれる家族は必要不可欠な存在です。雇用する側には関係のないことと思われがちですが、そういう、家族との関わり方を考えてみることも雇用側として必要なことかもしれません。
障がいをもつ子供を育てるということ
障がいをもっていても、もっていなくても、親にとって子供はかけがえのない大切な存在です。しかし、子供が障がいをもっていることで、親が取り組むべき問題が増えてしまうことも、また現実です。
親である人たちは、「障がいをどう受け止めていいかわからない」、「まわりの差別や偏見が怖い」といった悩みを持ってしまいがちです。その結果、ひとりで抱え込んでしまったり、適切な教育ができなかったり、リスクを抱えながら、迷いながら、子供を育てているケースが少なくありません。
もちろん将来の不安もあります。果たして、「親の手を離れて生きていけるのだろうか」 「援助制度などを利用したとしても、それは十分なのだろうか」「 本人と周りとの人間関係は」 などなど、悩みと迷い、葛藤の中で共に生きていくことになります。
そういった子供が就職するということは、親たちにとって大きな転機であるがゆえ、一般の就職者にくらべ、家族のサポートを受けられるケースが多くあります。つまり、事前に家族環境や、サポートしてもらえることなどを本人の意思を確認しながら把握しておくことが、雇用主にとって、ひいてはその障がいを持った従業員にとって有益に働くことでしょう。
障がいを持つ社会人として歩くこと
障がいといっても、さまざまな種類があり、学生の間は、それぞれの事情に合わせた援助が与えられます。
ただ、卒業してから、ひとりの社会人として働く場合には、「支援が与えられる」環境から、「支援を獲得する」という形態に変わってきます。ある意味で、障がいを持っていても、自分で歩くということになりますが、支援が適切な形で受けられるとは限らないのも実情です。
雇用の面では、障がい者を差別してはならないと、法律で定められてはいても、どこからが差別で、どこまでは差別ではないのかは、依然、課題として残っています。そして、雇用する側もこの課題に対し積極的に関わっていくことが必要です。
支えるということ
障がい者本人が、どのような仕事に就くか、 職場にどのような援助があるか、 周りの理解はどの程度あるかは、 状況によってさまざまです。それでも、共通して言えることは、障がい者本人が自分で選び、自分で取り組み、必要とされていると感じることです。
適切だと思うからといって、親や家族が勝手に決めてしまったり、できることまでしてしまったりすると、障がい者自身の「生きる」という機会を奪ってしまうことになりかねません。
障がいの程度にもよりますが、どのような支援を受けるのかを決めたり、必要な援助をしてほしいと相談したりすることを、障がい者本人が自分で選択することが理想的です。そして雇用側は、家族とともにその自主性に耳を傾けるということも必要なことかもしれません。
健常者と同じように扱うということも大切ですが、家族のサポートが必要な部分はサポートしてもらうということも、雇用側に与えられている選択肢のひとつです。そして、家族とともに、障がい者をサポートできる環境を作ることが、企業の役目ではないでしょうか。
障がい者雇用のことならなんでも相談ください
株式会社スタートラインは、様々な障がい者雇用支援サービスを提供しております。
興味をお持ちいただけた方は、まずお気軽にご相談ください。
StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。