障がい者を雇用する意味、それはどこにあるのでしょう。「社会全体の流れがそうなっているから……」と思われている、企業担当者様もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、障がい者を雇用する意味について改めて考えてみました。
仕事に取り組む、謙虚な姿勢を思い出させてくれる
ある軽度の知的障がい者の女性は作業所で10年働いていて、紙袋の数を数えて箱に詰める人に渡す仕事をしています。10年もやっているため、仕事の早さ・正確さはエリート級です。でも、決して出しゃばったりせず、自分の役割をしっかり果たし、楽しそうに一生懸命仕事に取り組んでいます。知的障がいの方々の多くは、こういった仕事に対する謙虚な姿勢を持っていらっしゃいます。
雇用者や職場で教育する人間にとって、健常者である従業員と障がいを持つ従業員が共に働く姿を見ることは、助け合いや、必要とされる喜びについて考えさせてくれるはずです。
人事管理能力を高めることができる
障がい者雇用以外にも、ダイバーシティ(女性、高齢者、外国人など多様な人材の積極活用)が求められる現在、企業にとって人事管理能力は欠かせないものです。
障がい者を雇用すると、「できること」「できないこと」を客観的に判断し、必要な仕事を振り分けるという能力が求められます。個々の特徴に合わせて仕事を与え、適材適所を図るこということは、すべての従業員に必要なこと。つまり、障がい者を雇用することは、この能力が磨かれる機会にも繋がります。そういった人事管理能力の向上は、多様な人材を受け入れる基礎となり、社内に新たな戦力を取り入れるための第一歩になるのではないでしょうか。
コミュニケーションの促進やワークシェアリングに繋がる
障がい者を雇用することは、従業員間のコミュニケーションを促進させ、ワークシェアリングにも繋がります。日ごろから仕事の進捗状況や、作業上での問題に気をつけるようになるため、効率化が図られ、密なコミュニケーションを行うようになります。
とある編集社では、発達障害の女性が働き始めたことをきっかけに、一日にやらなければならない仕事を、パソコン上でシェアするようになりました。もともとは、彼女の時間管理をするためのものでしたが、一日にやらなければならない作業が一目で分かるうえ、従業員間で仕事内容を共有し合えるようになり、作業効率を上げることができたのです。また、その女性に指示をするのと同じように、要点だけまとめて伝える習慣が根付き、よりスムーズに仕事ができるようになったそうです。
このように、障がい者を雇用したことをきっかけに、職場環境が良くなった、作業効率が上がったという事例は少なくないようです。
法定雇用率を満たさない場合、罰則があったり、企業としてのあり方を問われたりする時代ですが、そういったことだけに囚われず、いろいろな側面から障がい者雇用について考えると、新たな発見があるのではないでしょうか。
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。