障がい者雇用の難しさは「情報不足」と「遠慮」から生まれる。

もし、あなたの部下に障がい者が配属されたとしたら、あなたは上手くマネジメントできる自信はありますか?

この問いかけをしている時点でやや示唆的ではありますが、障がい者社員をマネジメントする難しさは存在しています。障がいが理由でできないことや困難さがあり、配慮やフォローの必要が発生するため、難しさが増す。これは紛れもない事実です。

しかし、現場から聞こえてくる不安や質問の中には、障がい者とどう接していいか分からない。指摘や注意をする場合、叱っていいのだろうか?本人の障がいについて質問していいのだろうか?といった声が聞こえてきます。むしろ、現場の本音と言えるかもしれません。

障がいの有無に関わらず、自分のマネジメントスキルに不安を抱く方もいますが、その場合、障がい者社員をマネジメントすることへの不安や怖れは倍増するでしょう。

障がい者社員をマネジメントすることに対する不安。それは「情報不足」と「遠慮」という2つが主な原因です。

「情報不足」とは単純に障がい者のことを知らないということです。世の中にはどんな種類の障がいがあるのか、どんなことに困っているのか、どんな場合に配慮が必要なのか。何も知らないからこそ怖い。それが不安につながります。

例えば、自分の家族や友人に障がい者がいる場合、身近に少なくとも1つは事例があるという経験から、障がい者を受け入れることへの不安感が薄れることがあります。人間は、経験があることに対する免疫は強いものですが、未経験のことに対しては不安や怖れを抱きやすく、また偏見や固定観念に引っ張られやすいものです。

障がい者との交流やコミュニケーションの経験値によって、障がい者社員をマネジメントする難易度は変化するといっても過言ではありません。

分からないことがあるならば聞けばいいのではないかというのは、社会人デビューしたての頃に上司や先輩に一度は言われたことがあるはずの言葉ですが、障がい者に対する情報不足が存在しているならば、本人に直接聞けばいい話です。しかし、ここに第二の理由「遠慮」が登場します。

障がい者社員に対して、本人の障がいに関する質問をしていいのか?というのは障がい者雇用に関するセミナーや研修を行った際、よく出てくる質問のひとつです。この質問が出てくること自体、障がい者に対する「遠慮」が生まれています。

部下が悩みを抱えていたり、モチベーションが下がっていたりすれば、上長であれば「どうしたの?」と聞くはずです。障がい者社員に対して本人の障がいを聞くことは興味本位の場合もあると思いますが、仕事を円滑に回す、トラブルを回避する、職場での配慮項目を見出すためなど、目的が明確にあるはずです。その状況下で「遠慮」によって質問できないのは、一種の職務怠慢です。障がい者に障がいのことを聞くのは気が重いという心情は分からない話ではありませんが、障がい者に対する色眼鏡が入っているとも言えます。

企業は給与や社会保険、福利厚生といった条件を提示して従業員と雇用契約を結びますが、障がい者社員の場合であれば、その条件の中に「障がいへの配慮」という項目が含まれます。働く上でどんな配慮が必要なのかを相手に聞く際には、本人の障がいについての質問を避けては通れません。そこに「遠慮」があったとしても、それは必要のない「遠慮」です。

企業で働こうとする障がい者側から見ると、職場の上司や同僚が「情報不足」で「遠慮」が働いているということに対し、批判したくなる気持ちが生まれることは仕方のない話です。

ただ、職場においては、障がい者社員に対してだけではなく、新しく社員を迎えることになれば、これはあり得る話。世代間ギャップ、ジェンダー、ワークライフバランスへの考え方。価値観や背景が違えば、その違いによって様々な「情報不足」や「遠慮」は生まれるものです。

ビジネスに正解がないように、マネジメントにも正解はありません。障がい者社員もマネジメントに関する「情報不足」があり、マネジメント側への「遠慮」があるのではないでしょうか。

雇用する企業と受け入れる現場社員。そして、働く障がい者社員。互いが互いに遠慮することなく、情報交換できる職場さえ作り出せれば、障がい者雇用の難易度が格段に下がります。そこは「障がい」という垣根がない職場となっているはずです。

 


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この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。

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