目次
はじめに
統合失調症はおよそ100人に1人がかかると言われている精神障害であることをご存じでしょうか。
身近な障害であるともいえる統合失調症ですが、
どのような障害で、職場で受け入れる際にはどのようなポイントがあるのでしょうか。
このコラムでは
・統合失調症の概要
・職場受け入れの際のポイント
上記がわかります。
1.統合失調症とは
1-1.障害の概要&発症原因とは?
統合失調症は精神障害に分類され、思考など脳の様々な働きをまとめることが難しくなる病気です。
>引用元:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_into.html
発症原因の根本的な原因は不明とされています。
遺伝子、環境因子(仕事、人間関係のストレス、ライフスタイルの転機など)など、
いくつかの要因が考えられるも、すべて可能性の域を出ません。
原因は1つと決められず、いくつかの因子が重なることで発症すると考えられています。
統合失調症が思春期などの早いうちに発症した場合には学校に行けなくなるなど、
社会常識を学ぶ機会を逃してしまい、社会性が不足してしまう場合もあります。
新たな薬やリハビリテーションなどの治療によって回復を期待できるようになっており、通院や服薬、体調を整えることで、働いている人も多くいます。
1-2.陽性症状、陰性症状…それぞれどんな特徴?
統合失調症の特徴的な症状として
①陽性症状
②陰性症状
があります。
① 陽性症状
健康なときにはなかった状態が表れることです。
▼陽性症状の一例
・妄想
∟誰かに見張られている気がするなど
・幻覚
∟悪口を言われている、嘲笑されているように感じるなど(幻聴)
∟存在しないものが見えるなど(幻視)
・思考の混乱
∟会話に脈絡がなくなる、何を話しているか不明瞭になるなど
② 陰性症状
健康なときにあったものが失われる状態のことです。
▼陰性症状の一例
・感情の鈍麻
∟喜怒哀楽などの感情の動きが少なくなるなど
・意欲の減退
∟食事や入浴などの生活上必要なこともやる気がしなくなる
趣味なども楽しむことが出来ないなど
・自閉
∟人付き合いを避けて自身の世界に引きこもる、会話をしなくなるなど
陽性症状、陰性症状以外にも
・理解力、記憶力の低下
・複雑な会話や文脈が多い会話が難しくなる
・新しい環境の変化に敏感になり、緊張や不安を覚えやすくなる
などの状態もあります。
具体的な場面としては、新しい職場への異動などにより、緊張や不安を感じ、
陽性/陰性症状が出やすくなり、業務に取り組むまで時間がかかることなどがあります。
2.職場受け入れの際のサポートポイント
統合失調症の方を職場で受け入れる際、主なポイントは4つです。
①本人の現状理解と支援体制
統合失調症の発症前後で自身の能力に「差」が生じている場合があります。
“過去できていたこと”と“今出来ることや苦手なこと”を
本人が認識し整理できているか、確認しましょう。
また、支援機関の支援を受けている場合も多いので、会社側も支援者と連携できるように支援体制を構築することも重要です。
②対処法の確認
体調安定のため、本人がどのような工夫=対処をしているか確認することが重要です。
前述したとおり、統合失調症は発症要因の把握が難しい場合が多いため、
“何”を“どうのように”対処をすれば、体調安定するか把握が難しい場合があります。
そのため、
体調安定のための本人の工夫=対処(通院、服薬、ストレス要因の把握と解消法など)
を確認しましょう。
③体調確認の声掛け
通院や服薬により症状が軽減、寛解している場合もありますが、
定期的な体調確認、声掛けを怠らないようにして、
本人に変化がないかを確認することが大切になります。
④文字・図解による思考の整理
口頭のみの情報では理解が難しい場合もあるため、ご本人の理解度を確認し、必要に応じて、
視覚で理解&確認が出来るよう、文字や図解などによる情報の整理を行いましょう。
3.まとめ
統合失調症に限らず、障害は一人ひとりにより、症状や特性、配慮事項は異なります。
しかし、一般的な特性を知ることにより、企業側が受け入れるための準備や、幅を広げることも出来るでしょう。
「統合失調症だからこれは出来ないだろう」「精神障害者はこうだろう」と
障害名だけで決めつけること、考えることをせずに、個人と向き合い、受け入れていくことが大切になります。
相談しやすい状況や体制を作り、サポートを行っていきましょう。
>参考資料:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_into.html
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