社内の障害者手帳所持者を確認したい!配慮すべきポイントは?

目次

1. はじめに

企業の人事/労務をご担当される方は「社内の障害者手帳所持者を確認したい」と考えたことがあるのではないでしょうか? その際に

・そもそも確認してよいのか?
・どのように確認すべきか?
・注意点は?

上記のような疑問を持たれるのではないでしょうか。 この記事では上記3点についてお伝えしていきます。

2. 障害者手帳所持者を確認する際のポイント

2-1.所持していることを確認してもよいのか?

結論は、『企業は確認をしてもよいが、留意すべき点がある』です。
障害者本人に手帳所持等の確認を行うにあたっては、厚生労働省が「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」を策定しています。
詳しくはこちらを参考にしながら手続きを進めていくとよいでしょう。

参照 :厚生労働省  プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン

 

【留意点】
障害者手帳を所持しているか否かは、繊細な個人情報の1つです。そのため以下の点に充分留意しながら確認していきましょう。

・確認する目的の明確化
→確認する目的が不明瞭な場合、開示することを非常に不安に感じます。その不安を払拭するため、確認する目的は明確にしましょう。

・確認範囲の明確化
→誤解や偏見を招かないためにも、特定の部署や人物のみへの確認ではなく、全社員へ向けて確認することが大切です。

・情報の開示範囲の明確化

→情報の開示範囲に不安を感じる方が多いため、どのような理由で/誰が/どの程度まで知るのか、明確に示しましょう。

障害者へ就職・転職活動に関するアンケートを行ったところ、障害を開示することに対して、約半数の方が不安があったと回答しています。

出典:㈱スタートライン 障害(病気)状況の開示に関する意識調査を目的としたアンケート
回答期間:2021年2月26日~3月1日
有効回答数:226

【不安を感じる主な理由】
・配属などで不利になるのではと心配した
・扱いが雑になる
・差別視されるから
・仕事に弊害が出来るのではと思った
・障害を理由に解雇されないかと不安だった為

開示することで『自身の業務内容や配属、評価などに悪く作用するのではないか』 つまり不利益を被るのではないか、と不安に感じています。
そのため、障害者手帳所持の開示を行っても、不利益を被らないことを明示しなければ、開示してもらうことは難しくなります。
開示しても不利益にはならないこと、提示した目的以外での利用は行わないことを明確に伝えましょう。

また、障害者手帳を所持しているという情報の開示範囲を明示しなくてはトラブルの原因になります。
例えば、人事部だけが知る情報だと思っていたけれど、突然上司から障害のことを聞かれた、となれば不安になり、会社への不信感につながります。
障害者でも、開示せずに働く方は多くいます。

『障害(病気)のことを開示するメリット、デメリットについて感じることをお教えください』という質問の回答では

・障害というフィルターを通してしか見てくれないのではないか
・周りから障害をどのようにみられるかわからず不安
・偏見を持たれるのではないか
・開示をしてもメリットが見当たらない
・過去、開示して無視される辛い経験があった

などの回答が多くありました。
そのような不安を払しょくし、安心して開示してもらえるように、留意事項に十分配慮し、障害者手帳所持の情報開示範囲を明確に決め、本人の同意を得ることが大変重要なポイントです。

2-2.どのような確認方法があるのか?

主な確認方法は以下となります。
・全社員へ向けてメールで案内
・社内ポータルサイトへ案内を掲示
・社内掲示板に案内を掲示

デジタル、アナログでそれぞれ方法がありますが、全社員へ向けて案内することが大切になります。
複数のやり方を組み合わせ、案内を行うことも有効です。 また、どのような内容で案内をするかお悩みの方もいらっしゃると思います。
下記リンクから無料で社内案内用文章のサンプルがダウンロード出来ます。 ぜひご活用ください。

【企業向け障害者雇用お役立ち資料(無料)】
https://info1.start-line.jp/wp

∟上記アドレスの『障害者手帳の所持確認』告知文書』をぜひご利用ください

3. まとめ

障害者手帳所持者を確認する際に、下記の4つのポイントを押さえておきましょう。

・障害者手帳所持の確認目的を明確にし、明示する
・障害者手帳所持の確認は、全社員に対して行う
・情報開示による不利益が生じないことを明示する
・情報の開示範囲は相談可能なことを明示する

障害のある社員を把握することは、社内制度や環境整備、新規採用などにおいても、非常に重要なことです。
障害を開示する際の不安を取り除き、双方の信頼関係を構築することで、より良い障害者雇用を進めることが出来るのではないでしょうか。

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Startline編集部

この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障害者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。