Start NEXT!読者のみなさま、こんにちは。株式会社セプティメルスポーツの水上航太郎です。
去る6月17日(土)、18日(日)に、オーストラリアの女子車いすバスケリーグの試合を観に行ってきました。日本は夏へと向かっていますが、南半球は冬真っ盛り。日が落ちると冷え込む体育館で、オーストラリアを代表する選手達が熱い戦いを繰り広げていました。アメリカやヨーロッパのリーグもそうですが、やはりバスケは冬のスポーツなのだなと感じます。
2000年に始まった女子車いすバスケリーグWNWBL(Women’s National Wheelchair Basketball League)は、2017年に新たに1チーム参入。メルボルンとシドニーにそれぞれ2チーム、ブリスベンとパースに各1チームの計6チームで争われています。開催期間は4月から7月で、3回総当りで各チーム15試合、総試合数45のリーグ戦を行い、上位4チームがプレーオフに進出する方式です。
広大なオーストラリア、試合をホーム・アンド・アウェーで開催するのは非常に大変です。例えばパースからシドニーまでは飛行機で4時間超と、日本の端から端まで移動するのとほぼ変わりありません。そのため集中開催方式を採っており、第1~5節まで、約3週間毎に5チームが1ヶ所に集まって9試合を行います(1チームは休み)。これにより選手の移動負担が軽減されると同時に遠征費用削減にもなり、協会やチームが選手の移動費を全額負担できるというメリットが生まれています。プロリーグでは無いため選手は報酬を得ていませんが、プレーに関わる費用がかからない仕組みは構築されているのです。
私が観戦した第4節は、メルボルン郊外のラ・トローブ大学の体育館が会場。毎節、地元チームがホストを務め、簡単なパンフレットやポスターなどを準備して各チーム・関係者を歓迎します。金曜夜に2試合、土曜に5試合、日曜に2試合が行われ、日曜夕方にはそれぞれ帰路に着くスケジュール。選手の友人からは、休日の土日よりも、仕事帰りに立ち寄れる金曜夜の方が応援に来やすいという声も上がっているようです。
会場には観戦者用に簡易スタンドとプラスチック椅子が合わせて30席ほど用意されていて、それで数が足りる程の観客(関係者)数。その点は若干寂しく感じましたが、そんな中でも2日間観戦したことで気づくことが沢山ありました。
最も感じたのが、リーグ戦の重要性です。リーグには6チームが所属していますが、上位3チームと下位3チームの間には大きな力の差があります。それでも、一度負けたら終わりのトーナメントでは無く、しかも同じ相手と3回対戦できる形式のため、試合結果のみにとらわれない内容面での勝負があったように感じました。前回対戦での失敗を修正して次戦に臨むチャレンジが常に行われているのだと思います。それは選手だけに限ったことではなく、コーチやスタッフにとっても同じこと。こうして蓄積された経験が、ナショナルチームの強さの源になっているのではないでしょうか。
女子オーストラリア代表はアジア・オセアニアゾーンの雄として、世界の舞台を目指す日本の前に立ちはだかる存在です。彼女らを倒すには様々な要素が必要だと思いますが、まずは国内リーグの形式をそのままコピーしてみるのも面白いかもしれません。協会関係者の皆様、いかがでしょうか?
株式会社セプティメルスポーツ 水上 航太郎 1981年札幌市生まれ。 1993年のJリーグ発足をきっかけに、スポーツ観戦がライフワークの1つとなる。サッカー好きが高じて大学卒業後にバルセロナに渡り、現地で日本向けのライター職などをしながら3年スペインに滞在。帰国後はIT関係職に就きスポーツを趣味として楽しんでいたが、2013年に株式会社セプティメルスポーツを設立し現在に至る。 趣味は旅行とスポーツ観戦。最近特に好きなスポーツはアメフト、クリケット、ボッチャ。 株式会社セプティメルスポーツ パラタイムズ |
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。