人と人との相性は、さまざまな場面で感じられます。仕事や恋愛、結婚生活や友人同士でもそうですよね。これは、障がい者雇用においても同じこと。人には、傾向というものがあるため、障がいの特性と業務内容、業務体制、周りの従業員との相性を見極めることも、大切なことなのです。
障がい×業務体制
障がい者雇用には、「正しい理解」と「協力体制」が欠かせません。障がいは、身体・知的・精神障がいのいずれであっても、その障がいがどのようなものか、正確な情報に基づいた理解が必要不可欠。それがないと、本当に必要な配慮がわからず、「合理的配慮」を実施することができないからです。
たとえば、知的障がいを持っている場合、絵や図、色分けを使って、作業を覚えやすくするというアプローチが考えられます。また、ほかの従業員と並んで作業すると、集中できずに作業効率が落ちてしまうケースもあるため、壁に机を向けたり、パーテーションなどの区切りの中で作業をしてもらったりするほうが、効率がよい人もいるようです。
このほか、内部障がいなどの特性によっては、丸一日休める休日があったほうがいい人もいれば、短時間勤務で毎日出勤するほうが、体調を整えやすい人も。そのため、業務体制と障がいがミスマッチにならないよう、双方にとって効果的な体制を整えていくことが大切と言えるでしょう。
障がい×業務内容
業務内容自体にも注意が必要です。もっとも、障がい者雇用をはじめるにあたり、障がい者が取り組みやすい、業務の切り出しを行うのは、必要な準備のひとつ。
知的障がいを持っている場合には、複合的な作業は苦手でも、単純作業には、物凄いスピードと正確さで作業してくれたり、発達障がいを持っている場合には、普通はなかなか気づけないミスを、素早くチェックする能力に優れていたりといったことがあげられます。
どのような業務を任せるのがよいかは、障がいに対する理解だけでなく、働きながらの経過観察でわかってくることもあります。働いている障がい者をよく観察して、常に柔軟な対応ができるようにしておきましょう。
障がい×周りの従業員
障がい者と、周りの従業員の相性にも気を配っておく必要があります。病院のサポートを請け負っている企業では、身体障がい者の男性を雇用していましたが、不可解な問題がありました。
彼は、障がいのない従業員Yさんと、意見をよく衝突させることがあり、別の障がいのない従業員Zさんとは、楽しく問題なく仕事ができていたのです。問題の原因は、Yさんの差別というわけではなく、年代の違いにありました。
Yさんは、障がい者の男性から見て「母親世代」で、Zさんは「祖母世代」。母親世代であるYさんは、早く一人前になるよういろいろ言ってしまう傾向にあり、Zさんは成長を見守るような指導方法をとっていたため、Zさんとの相性がよかったのです。
この件では、Yさんと相性が悪かったようですが、これが女性だったり、年代が違っていたりすれば、Zさんとの相性が悪くなっていたかもしれません。周りの従業員とうまくいかない場合は、相性という観点で見てみるのもひとつの手といえるでしょう。
業務体制、業務内容、周りの従業員。これらは、どんな職場でも課題になってくる問題です。一方的に問題があるということも考えられますが、どちらにも非がなく、相性の問題というケースもあるので、ひとりひとりをよく観察して相性を見極め、よりよい職場環境を整えていきましょう。
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。