視覚障がいと聞くと、「目が見えない」と想像する方が多いのではないでしょうか? しかし、視覚障がいには、さまざまな原因や種類があり、それぞれに必要な配慮も異なってくるようです。そこで今回は、視覚障がいの種類について解説。できることやできないこと、必要なことを知って、本人に合わせたサポートをしていきましょう。
視覚障がいの種類と障がい等級
視覚障がいと一言にいっても、まったく見えない全盲から、わずかに見えるけれども、ものを識別することが難しい方までさまざまです。視覚障がい者の中でも、障がい等級1級とされる方は、全国で約10万5千人。しかし、この内訳としては、全盲の方よりも弱視(ロービジョン)のほうが、多い割合を占めているのです。
弱視(ロービジョン)の定義は、「両眼に眼鏡をかけた矯正視力が、0.05以上0.3未満」とされていますが、実際の見え方も人それぞれ異なります。そして、このほかにも、見える範囲が狭くなる視野狭窄(しやきょうさく)という症状の方もいらっしゃるようです。
視覚障がい者の見え方は、全盲や、ただ単に見えにくいというだけでなく、ぼやける、まぶしい状況が続く、一定の範囲しか見えない、中央が見えないなど、個人によって異なるのです。
視覚障がいに至る原因もさまざま
生まれつき目の不自由な、先天性の視覚障がいと言う場合もありますが、事故や病気で障がいを抱えてしまうことも少なくありません。目のレンズや血管の異常による白内障や緑内障、成人失明の主要原因でもある糖尿病網膜症、遺伝的な原因で起こる網膜色素変性症など、視覚障がいの原因も人それぞれです。
先天性の視覚障がいの場合には、盲学校などをはじめ、幼いころから点字を学ぶなど、視覚障がいに合わせた生き方を学ぶことができますが、後天性の視覚障がいの場合は、それまでの生活が一変して、苦労や困難がある場合も少なくないようです。そのため、こういった障がいの背景を考えることも、配慮のひとつと言えるかもしれません。
視覚障がい者に対応した配慮が必要です
視覚障がい者の職業としては、「三療業」として、あんま、鍼、マッサージなどが生業とされることが多かったようですが、現代では、視覚障がい者のための音声読み上げソフトや、拡大鏡などの技術も発達により、プログラマーや事務といった仕事の、第一線で業務にあたられている方も少なくないようです。
職場においては、通路にものを置くことを避けたり、「そこ」や「あそこ」「ここ」といったような表現を控えたりして、聞いただけで分かるように説明することなどを心がけることが大切です。相手の表情が読み取れなかったり、特定の状況で見えなくなったりすることもあるため、本人の意見をよく聞いて、過ごしやすい環境を整えていきましょう。
視覚障がいは、症状や見え方が人それぞれ異なり、障がい手帳の配布を受けられない弱視の方もいらっしゃるようです。どこがどのように見えず、どのような配慮が必要かは、本人とよく話し合うことが必要です。お互いが働きやすい職場にするためにも、適切な配慮を行って、気持ちよい職場にしていきましょう。
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。