トライアル雇用奨励金は、障がい者雇用を始める企業を後押しする制度で、特定求職者雇用開発助成金は、障がい者を含め就職が難しい方を少しでも働けるよう後押しする制度です。いままでは併用できなかった制度ですが、平成28年度4月1日より、併用が可能になったことをご存知でしょうか?
チャレンジに応えるふたつの助成金制度
障害者トライアル雇用奨励金と、特定求職者開発助成金は、いずれも働きたい障がい者や、障がい者を雇いたい企業を援助する助成金制度です。
障害者トライアル雇用奨励金は、最長3ヶ月間のお試し雇用で、月額最大4万円、短時間労働なら月額最大2万円を、企業側が受け取れる制度です。対象となる障がい者を継続雇用する労働者として、ハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介により、雇い入れることで、申請することができます。
一方の特定求職者雇用開発助成金は、同じくハローワークなどの紹介により、継続して雇用する目的で、障がい者などの対象者を雇い入れることで申請ができます。障害者トライアル雇用のように、短期間のお試し雇用ではなく、助成金支給の対象期間は1年間~3年間で、雇用保険一般被保険者として、継続雇用することが確実な場合に利用できる制度です。
ふたつの助成金の併用条件
障害者トライアル雇用奨励金と、特定求職者雇用開発助成金は、平成28年4月1日の改定により、併用することが可能となりました。トライアル雇用は、試験的な雇用の意味合いを持つため、そこから長期雇用へとつなげる道を広げることが、この改定の目的です。
対象となる労働者は、どちらの助成金にも共通する対象者でなければならないため、「雇い入れ時点」で、障害者トライアル雇用奨励金と、特定求職者雇用開発助成金それぞれの支給要件を満たしている必要があります。
ただし、トライアル雇用の期間は3ヶ月間で、特定求職者雇用開発助成金の第一期支給対象期間と重なるため、特定求職者雇用開発助成金の第一期分の支給はありません。
受け取れる助成金額は?
3ヶ月間のトライアル雇用の結果、もっと長く働いてもらいたいとなった場合、その後の3ヶ月を足して、計6ヶ月を、特定求職者雇用開発助成金の第一期(6ヶ月)とし、次の6ヶ月間は、特定求職者雇用開発助成金の第二期とすることができます。この併用における事業者側の利点は、3ヶ月間はある程度雇用条件がゆるいトライアル雇用による助成金を受け、その後の判断で、長期雇用が想定される特定求職者雇用開発助成金に移行できることです。
受け取れる助成金は、障害者トライアル雇用奨励金がひとり当たり月額4万円×3ヶ月=12万円と、特定求職者雇用開発助成金の第二期の30万円となります。
※特定求職者雇用開発助成金の支給対象期間は、障がい者を含めた対象者の条件や、雇い入れる企業の規模により、異なります。
特定求職者雇用開発助成金は、助成金を受け取れる合計額が大きく、期間も長いですが、本格的に雇用する必要があります。一方のトライアル雇用では、事業主にとってもいくらか雇いやすくなるため、障がい者雇用の入り口を広げる役割があります。雇いやすい制度から、安定した障がい者の継続雇用の実現が、ふたつの助成金の併用により期待できるといえるでしょう 。
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。