こんにちは。オフィス温度28℃の梶原です。
前号では、障がいを持つ人の採用面接をする際に大切な6つの質問についてお話ししました(前回の記事はこちら)。
今回は、「求める人材像に合う人を採用する」というテーマについてお話ししましょう。
障がい者を採用する際、
- すでに想定している部署・業務内容がある場合
- 具体的な部署や業務内容はないが、良い方がいれば採用したい
という2つのケースが考えられます。
すでに想定している部署や業務内容がある場合は、採用する基準も定まっており、採用可否の判断は比較的つけやすいでしょう。一方で、「良い方がいれば採用したい」場合は、採用基準があいまいなまま採用面接をすると、入社後に「こんなはずじゃなかった」ということになってしまうこともあるでしょう。
いずれのケースであっても、採用の基本は、「求める人材像に合う人を採用する」です。
一般的に、企業は、「求める人材像」を言語化し、社内で共有しているかと思います。
「求める人材像」とは、企業理念やビジョン、または行動指針を軸とし、そこから発展した欠かすことのできない支柱です。
そして、面接の場面では、応募者が自社の求める社員としての姿を体現できそうかどうか?を判断するための基準となります。
- 人が喜ぶことをすることを自分の喜びとすることができる(=ホスピタリティ)
- 責任を持って自分の職務を全うすることができる(=責任感)
- 人と助け合いながら仕事をすることができる(=協調性)
などが求める人材像の例です。
このような自社が求める人材像にマッチする人材かどうか?を面接の場で判断するためには、応募者に、具体的なエピソードを尋ねてみることが肝要です。
例えば、応募者自身が
「自分は協調性があり、人と協力して仕事をすることが好きです」
と自己紹介(自己アピール)をしたら、面接官は、
「そのことを示すエピソード(経験)を一つ教えてもらえますか?」
と質問してみましょう。
その質問に対して、具体的な状況、関係する人物やその行動、自身の判断、とった行動とその結果どうなったか?などについて、十分な情報量の回答ができるかどうか?を確認します。
一度の回答では判断ができないこともよくあります。面接官が具体的に場面を思い描けるようになるまで、ぜひ一つのエピソードについて、様々な角度から掘り下げる質問をしてみてください。面接官の質問とそれに対する応募者の回答というキャッチボールを繰り返すことによって、お互いの理解が深まり、お互いに一緒に働きたいかどうか?の判断がつきやすくなるでしょう。キャッチボールを繰り返しても、場面を想像することが難しいと感じたら、そのエピソードはノンフィクションではないのかもしれませんね。
国から求められている雇用人数を満たすために、急いで採用を行わないといけないという状況の場合、得てして、その人の持っているスキルや実務経験を優先した採用をしてしまいがちです。ですが、この「求める人材像」に照らした採用基準で採用可否を判断することは譲れません。ここは妥協ができないポイントです。
ただし、求める人材像に合う素養があっても、これまでの環境では具体的な行動として体現できなかった、という人もいるでしょう。
「環境が変われば、この人の本来の素養・持ち味が発揮できそうかどうか?」を面接時のキャッチボールの中で探っていくのです。
判断がつくまで、何度でもキャッチボールをする。
急がば回れ、です。
梶原 温美(かじはら はるみ) オフィス温度28℃代表。 専門分野は、障がい者の雇用支援、人材育成、キャリア支援。 「自身の特性に向き合う人たちが尊重し合い、自走しながら事業に貢献する組織創り」を基本理念としている。 問い合わせ先 Start Next!運営事務局 startnext@start-line.jp |
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。