障がい者雇用を成功させるためには、現場や人事に対応してもらうだけでなく、会社ぐるみで取り組む必要があります。経験ある企業や、専門機関から、ノウハウや有益な情報を集め、体制を整えたからこそ、障がい者雇用に成功した企業も少なくありません。そこで今回は、そんな障がい者雇用に成功している、企業の事例をご紹介していきましょう。
採用前に行った準備とは?
障がい者雇用をはじめるにあたり、「とりあえず、やってみなければわからない」と考えて取り組んでみるのも、チャレンジ精神としては素晴らしいと思います。
しかし、新たな事業を始める場合と同じく、情報を集め、どのような準備と体制づくりが必要かは、しっかりと検討を重ねるほうが賢いかもしれません。
高度なITスキルを持つ障がい者の発掘を目指していたとある企業では、デンマークとイスラエルに類似企業がありました。そこでは国・地方自治体が、精神障がい者を雇用する仕組みづくりが進んでいたため、これを参考にしようと見学に訪れたそうです。
見学した企業ではIT技術者として、障がい者が長年勤務しており、かつ障がい者の特性を理解した人を配置していました。精神障がい者の情緒を安定させるため、心理的・業務的アプローチを融合させ、障がい者が能力を発揮させることができる環境が整っていたのです。
これを参考にしたこの会社は、その後、理想とする障がい者の雇用に成功。先人の知恵を借りることで、障がい者にとっても企業にとっても、いい環境をを整備できたのです。
うまくいかないと感じるときも安心 相談室と休憩室の完備
採用後、障がい者には安定して、より長く働いてもらうこと。これも障がい者雇用の大きな課題です。業務上の悩みや職場での人間関係など、上司に相談できることもあれば、できないこともあります。
障がい者が安心できる場があることが大切なため、体調・精神共に不調なときがあれば、すぐにひとりで横になれる休憩室や、カウンセリングルームを用意したり、精神科医とカウンラーによる、月1回のカウンセリングを実地したりしている企業もあります。
このほか、まず仕事に慣れてもらうことを最優先にし、それぞれの障がいに合った適正を見てから、段階を踏んで、最後に配属を決めるという企業もありますし、勤務時間については、柔軟に調整ができるよう取り決めている企業も少なくないようです。
あらゆる立場の関係者が、連携してケア体制をつくる
休憩室を設置することや、ジョブコーチの派遣を要請することなど、企業でできる部分もあれば、どうしても、企業では手の回らない部分もでてきます。たとえば、精神障がい者の業務上のケアは企業でできたとしても、病状そのものや、生活リズムのサポートなどは、企業では限界があるからです。
ある企業では、障がい者本人に、就労支援機関や、主治医との連携を強く求めました。休みがちになったときなどは、就労支援機関に相談し、会社が業務面で配慮できることのアドバイスなどをもらうよう心がけたのです。
また、障がい者本人の家族と、話し合いの機会を設けている企業もあります。中には自分の子に、自信がない親御さんもいらっしゃるため、話し合いをすることで、しっかりやっていることを伝え、安心してもらうと同時に、家族として出来るサポートもお願いしているようです。
企業だけではなく、あらゆる立場の関係者が連携することで、サポート体制はより万全になっていくでしょう。
障がい者雇用においては、障がい者本人も含め、あらゆる立場の人間が、それぞれ得意な分野でお互いをサポートし合うことが大切です。その連携をするための体制づくりこそ、企業のもっとも重要な役割であり、同時にそれは、会社ぐるみで取り組むべき課題といえます。みなさんの企業では実施できていますか?
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StartNEXT!編集部
この記事は株式会社スタートラインの社員および専門ライターによって執筆されています。障がい者雇用の役に立つさまざまなノウハウを発信中。